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#徒然

散文 下手な私なんて

散文 下手な私なんて

私は動揺している。日々の暮らしの疲れが取れない。心臓より上の胸が痛い。苦しい。思考が暗くなっているようで、何も考えれていない。
命は一瞬で尽きていく。
なのに、私は無駄な時間を過ごしている。
既読がつかないのも、既読が着いてるのに返事が来ないのも両方とも怖くて仕方がない。そんなこと平気な人間だったはずなのに、私はどうしてもどうしても、何か悪いことが起こっているのでは、と考えてしまうんだ。
悪いこと

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短文 今日も空の下

短文 今日も空の下

この空の下、あいつはどこかに転がっている。ああ、こんな空なら横たわってるのも幸せかもな。
抱きしめるべき人間を抱きしめることができずにいた自分を責めれなかった。
自分に出来ることは限りなく少なくて、笑うだけでそっと許されるような世界ならどれだけ良かったか、と思う毎日だ。
でも、彼女の痛みを少しでも取り除きたいと思うのも本心なんだ。
馬鹿げたことを言ってるってわかっている。
切ないな。
空はこんなに

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散文 秋の存在は春の冒涜

散文 秋の存在は春の冒涜

あの日のことはもう覚えていない。何日だったか、何月だったのか、季節はきっと、夏じゃなかったはず。なんの服を着ていたっけな。
何も覚えていない。
何を覚えているべきだったかもわからない。
でも、何かが欠如した気がする。
その欠損は人生の中心では無いはずだ。ないはず、私は何も欠けていない。
欠けているのだとしたら、それも含めて私なのだ。
なんて、どうでもいい。
そんなわけない。
なんの関係もない。

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散文 らいせはぱんつを

散文 らいせはぱんつを

桜が咲いたらしい。
水筒は落下した。
サメのぬいぐるみはお風呂を泳ぐ。
吊られたライオンはロングヘアの虚無を見た。
猫なで声を上げたあの子が海の底を歩いた時、金髪のあいつは布団を蹴った。
塩を被った。
ワインは馬鹿になる。
バカならバカなりに、爪をはぐ。
ずっと昔はいつかの未来となり得るの。
才能があったのに定期券はここから逃げた。
スマホケースは山の中心。
彼が崩れたばっかりに、蟻は上手になっち

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散文 私の場所はここじゃない

散文 私の場所はここじゃない

頭がぼーっとする。
頭が回らない。
動けない。

私の頭はもう眠りについている。
なのに、私の理性は起きようと、私の生活はまだ寝てはならぬと、強制してる。

頭があるという実感がある。
それはなんとなく悪いことのように思う。
脳があることは自覚してはいけないのではないか。
目が閉じそうで、視界が歪む。
目の上に頭がある。脳が重くなり瞼を閉じさせようとする。
脈を感じる。
心臓を感じる。
ドクドクと

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散文 なのはなはうそをつく

散文 なのはなはうそをつく

消えゆく私は赤の中。
明後日を泳いだあの子はもうずっと後ろに。
10年後に落ちる葉っぱの鋸歯を見た。
彼は振り返ることなく、落としたものになる。
揺れて揺れて巻き上がる。
夏の日に見た道路の蜃気楼なんてあいつの人生を語るよりずっとできっこない。
猫になる。
指が白く伸びていく。
黒にはなれずにいる影はもっと先を進む。
またあの日を懺悔する。
消えてなくなる。
消えたら存在がわかるもの。
大事な人な

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散文 水面の境

散文 水面の境

まちがいさがしの間違いの方に生まれてきたような気がしてたけど、正解の方じゃ出会えなかったと思う
なんて歌詞を聞いていい歌詞だなぁなんて思うけど、実際間違い探しに正解も不正解もないんじゃないか?
でもなんでか、どっちかを間違いだと思っているもんな。正しいのがどっちかなんて考えてないくせに、両者が間違いだと思っていたよね。

え?右が正解で左が間違い?なんで?
ああ、確かにこっちの方が非現実的か。

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散文 オイスターソースは牡蠣なんだ?

散文 オイスターソースは牡蠣なんだ?

換気扇の音が響く。
足から伝わる冷気が私の足を重くする。
作った肉じゃがは、醤油を入れすぎた気がする。美味しそうだけどしょっぱいのかも。
なんてこともない日常。
平和な日々。
心が穏やかだ。
昨日までは何かに取り憑かれたように、鬱々とした思考がめぐり考えていないようで黒い霧が脳を覆っていた。
でも、何故か私の心は、頭は晴れやかで、生きているのが楽だと感じた。
私の日々のあれは、普通の人が抱えている

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散文『愛と思い出の反比例』

散文『愛と思い出の反比例』

こめかみに汗が流れる。お風呂の中はうるさく無音で、たまに家が鳴る。温まってなんか居なくて、でも暑くはなりたくない。だから私はお風呂から上がることが出来ずにいる。
今日の一日を思い返して、お腹の底があたたかくなる。よくある表現だが、この場合の「あたたかく」はどの漢字だろう。暖かい?温かい?お腹の底とは体温なのか、そもそもお湯的な何かなのか。実態を感じることは人生に置いてなかったけれど、今私が感じてい

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