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現場で自分がまずやってみて、そこから何が言えるのかを探究したい

ソーシャルワークをやっている

就労移行支援事業所で就労定着支援担当のソーシャルワーカーをしています。

横浜市港南区の上大岡にあるんですよね。パスセンター上大岡っていうんですけど、そこは2015年の9月にできて、今は4年目ですね。法人で3事業所やってまして、今私その3事業所を統括する部長職についています。

その前は作業所、って呼んでますけど、言ってみたら障害の重い人たちが通うようなところで。アクリルたわしって、アクリルで洗剤をつけなくても汚れが落ちる。それを編んでたりする。そういうのを一緒に手作業したりしていました。

重度の知的障害のある自閉症の方とか。みなさん大人の方ですけど、意思の疎通もなかなかできない方達と一緒に作業をしていました。それで縁があって今の就労移行支援事業所に行って、私も4年目であるんですけど。

今のところは手帳の分類で言うと、例えば登録している人が今40人くらいいるんですけど、知的障害の人は2人くらい、身体障害の人も2人くらいとか。あとみんな精神障害の手帳を持ってる方です。

音楽療法に挑戦し、形になってきた

畑に通い始めたのは、個人的な理由なんで、それを仕事にどう活かそうとか全然まだ考えない段階で始めたんですけど、ソーシャルワークをしてて、それでセラピー、セラピストの仕事も自分が本当できれば効果的じゃないかなって思ってたんですよね。

それで、畑の前に取り組んでたのは、音楽なんですよね。音楽療法を勉強して。その音楽療法は精神とか知的な障害がある人に、高齢者もですけど、音楽がいいのは当たり前なんです。でもそれが一体どういいのかっていうのを、一緒に実践しながら私は探究したかったんですよね。

それで音楽療法をやってて、それはだいたい形になったんです。年に3回くらいライブをやっています。私はピアノをやっているんですが、ピアノができる利用者の方がいるので、私は主に指揮ですね。

ピアノは小学校の時に親に習わされてたんですけど、音楽療法やる上でまた先生について習い始めました。それだけ音楽療法は資格を取るのが大変で、私まだ資格は取ってなくて勉強中なんですけど。

畑もきっと「いい」だろうと

そういうことがあって、あとは畑ですね。なんて名前があるかどうか分からないんですけど、農セラピーとかあるかわかんないですけど。

けど、きっといいだろうと。自分が植えたものが育っていくものを見て、それを実際に収穫して自分の身体に摂取して、それが自分の栄養になる。そっから力が出てくるって、きっといいだろうなと思って。でもそれはやっぱり自分でやってみて、何がどういいかというのを掴みたかった。それができれば、ソーシャルワークとセラピーと掛け合わせて、もっと効果的に、自分自身の力を機能させるってことができたらいいなって。

現場で、自分がまずやってみて、そこから何が言えるのか

私もともと学者だったんです。文化人類学って学問で、それじゃ食べていけなかったんですよ。大学で講師もしてたんですけど。食べていかれなくて、福祉の世界に入ってきたんですけど、もともと勉強するのは大好きなんですよ。

旅-移動-移民の研究をしてたんですよ。もともと沖縄で調査してて、沖縄からハワイに移住している人が多いので、ハワイ、主にホノルルですけど、移住した人の子孫とかの調査をしてたんですよね。だから島から島へ移動して、それでなんか人がどう、「何者」になっていくのかっていうのですね。それで、結構ホノルルでレストランやってる人たちって沖縄出身の人とか多いんですけど、レストランで調査とかしたたんですよね。

だから、そういうフィールドワークっていうんですけど、現場主義なんですよね。現場で、自分がまずやってみて、そこから何が言えるのかっていうのをずーっとやってきたんですよね。アカデミックな世界は一旦やめちゃったわけですけど、今まで自分がしてきたものが、今の仕事で役立てればいいなって常に思ってるんですよね。それでいろんな展開をしてきてるって感じなんですよね。

スープを100%自給し、食生活を改善

もう一つは、スープジャーって、温かいスープを運べる容器、あれ私ランチにお弁当として持ってってるんですよ。畑始める前から。それはやっぱり自分自身、体調というか健康という中で、お昼ご飯をちゃんと食べれなかったりするんですよ、時間通り。で、夕方食べたりとか、食べそびれちゃったりとか、追われちゃうんです。8時9時、遅いと10時とかコンビニ行って、お腹すいたからって、セブンのコーヒーとドーナツとおにぎりとかって、そんな食生活で。なんか変えたいなと思ってて、スープを持ってくことにしたんですよね。

それでレシピ本買ったら、化学調味料不使用ってあって。昆布出汁なんですけど、これに無農薬の野菜とか入ったら、完全無添加だなって。要するにその野菜を自分で作れたら、完全に食べ物の出所がわかってる。自分で栽培して、収穫して、調理して、スープジャーに入れて、それを飲むっていう。それができたらいいなって。それで、できればスープジャーに入れる野菜を100%自給できればって。って、それが当たり前にできてるんですよ。それとあとおにぎりを持ってってるんですけど、それで食生活は改善されて。

畑にも行くようになり、山登りも再開。活力的に。

なんかもう福祉の仕事ってキリがない仕事で、やってもやっても。自分が疲弊しちゃうっていうのがあるんですけど。休みも日曜と平日1日が休みでも、平日休めなかったりとか仕事入れちゃっていかなきゃとか、しょっちゅうそういうことしてたんですよね。長時間労働で。畑なんてやれるはずないと思ったんですよ、通えないし。でも、やろうと思えばできた。週1回日曜日に来るのができた。ほとんど毎週来てて。

あと、海外とかいけないと思ってたんですけど、行けたし。なんか気の持ちようかな。去年、私ネパールに行って、トレッキングとか、前からそういうことはしてたんですけど。すごい久しぶりにトレッキングして。ネパールの山登って帰ってきたら、日本の山も行こうとかって思って。それで去年結構行ったんですよ。

だからそんなことで、おかげさまで畑を始め、自分の人生はとても変わりましたね。

コトモファームの畑は別世界

最初に見学に来た時に思ったんですけど、(直売所の前に通る道を指差して)ここからそっちと、ここからこっちって別世界ですよね。

© OpenStreetMap contributors

なんか、子供の頃は、今55歳なんですけど、私のうちの周りに畑とか田んぼとか、私東京なんですけど、結構あったんですよ。今はなくて、東京が実家なんで、田舎もないし。でもなんかコトモファームの畑に来ると、昭和の田舎みたいな。しかも、車だと35とか40分くらいで来られるんで、それで別世界に来られる。山が好きなんで、畑から丹沢や富士山が見えたりして。丹沢登りに行ったりもするので、すごくそういう意味では、身近な。

あと、田舎暮らしとか憧れとかはあったんですけど、こうやって通って、そういうのに触れられれば、移住しなくても、田舎暮らし的な生活を取り入れられて、満たされている部分がありますね。だから今は移住よりも、今いるところで、なんか「あれもしたい、これもしたい」っていう風になってきました。

野菜作りのやり方を覚えると自信につながる

畑も、なんか日々変わりますよね。それを見に行くみたいな楽しみができます。あとはなんか、野菜作りのやり方を覚えると、自信につながるっていうか。それはなんか自分で自分が食べられるものを作れるんだっていう自信ですかね。

それはなんか、お店で野菜を買うって行為と、自分が野菜を育ててそれを収穫して食べる行為って、全く別のことだと思うんですよね。大根78円とかで売ってるじゃないですか。今安いと。でも、78円で安いから育てるんじゃなくて買おうって話じゃ全然ないですよね。自分が作ったものだから、隅から隅まで食べたい、食べ尽くしたい。そういう今まで体験したことがなかったことを味わえます。

畑を使うのはお金かかりますよね。それでそのお金で野菜買ったほうがいいんじゃないんですか、っていう考えには全然ならないですよね。嬉しいことがいっぱいですね。

浅井さんの職場
一般社団法人 神奈川社会福祉支援パスセンター
http://passcenter.jp/about/

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