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【人生をもっと前へ】マネーフォワード

今回は、「マネーフォワード」をリサーチしました。
個人的には家計簿アプリとして長年愛用しておりますが、
調べてみると、実は幅広いビジネスを展開している成長中の企業でした。
それでは、さっそく見ていきましょう〜


①概要

基本データ

業種:情報・通信業
設立
:2012年5月
上場市場:東京プライム市場
時価総額:2120億円(23/11/2 終値時点)
従業員数:1988名(平均年齢33.3歳)※
平均年収:647万円※
※会社四季報 2023年4集 秋号より

②事業内容

参照:2023年11月期第3四半期決算説明資料
売上高ベースでは法人向けが9割近くに上る

事業内容としては、個人向けの家計簿・資産管理サービスは売上高ベースで13%しかなく、圧倒的に法人向けと金融機関向けの事業が多いです。

法人向け

①バックオフィス向けSaaS
バックオフィス(経理財務・人事労務・法務・情シス)向けクラウドサービスを提供。『Money Forwardクラウド』など

②ファイナンスサービス
企業間あと払い決済サービス、売掛金早期資金化サービスを提供。MUFGと提携し、オンライン売掛金早期資金化事業の提供。『Money Forward Kessai』など

③SaaSマーケティング支援
スマートキャンプ社が運営、国内最大級のSaaSマーケティングプラットフォーム。『BOXIL SaaS』など。

※SaaSとは
SaaS(Software as a Service)とは、「サービスとしてのソフトウェア」を意味する言葉です。
ユーザーは、サーバーによってすでに機能として完成されたものを利用するため初期投資などが不要。
最大のメリットは、インターネット接続環境であれば、「誰でもいつでもどこからでもアクセスできる」ということです。

個人向け

PFM(家計簿・資産管理) サービス
1,500万以上の利用者、 国内シェアNo.1。51万人以上の課金ユーザー、約20兆円の連携資産残高。『Money Forward ME』など

金融機関向け

Fintech推進・DX支援
175のサービスを提供(共同開発含む)アカウントアグリゲーション基盤を活用し、個人/法人、金融機関等、Fintech企業をつなぐ、Fintechプラットフォームを提供。『Money Forward X』など

③業績

直近の決算

各年の第三四半期決算より

営業利益:本業で稼いだ利益
経常利益:営業利益+本業以外の損益の合計
純利益:税金などを引いたあとの最終的な利益

売上高は順調に伸びているのですが、同社は長らく営業赤字を計上しています。
特に2022年以降赤字幅が拡大しており、同社は、特に法人向け事業において人件費や開発費などの先行投資に注力しているとしています。
※2023年11月期 第3四半期報告書

貸借対照表(B/S)

続いて貸借対照表を見てみましょう。
貸借対照表(バランスシート=B/S)は、その会社が持つ資産を可視化したものです。

流動資産:現金にしやすい資産(現金・受取手形など)
固定資産:現金にしにくい資産(土地・建物など)
流動負債:1年以内に返済が必要な負債(短期借入金・引当金など)
固定負債:1年以内に返さなくても良い負債(長期借入金・社債など)
自己資本比率:総資本のうち自己資本が占める割合。高ければ高いほど健全。

財務は健全な形ではないかと思います。
流動資産が流動負債と固定負債の合計を上回っており、
自己資本比率も30%を超えています。
情報通信業なので、工場などの大きな固定資産が不要で、流動資産や純資産に振り向けやすいのだと思います。
その分、多少の赤字でも資金を先行投資に振り向けられているのではないでしょうか。

損益計算書(P/L)

続いて損益計算書です。
損益計算書(P/L)は、その会社がどう稼いで、何にお金を使ったのかを可視化したものになります。

売上高:本業で稼いだ収益
売上原価:売上を上げるために直接かかった費用
販管費:売上原価以外で、商品の販売や管理にかかった費用(広告費や賃料など)
営業損失:本業で出た損失
営業利益率:売上高のうち営業利益が占める割合。高ければ高いほど効率よく稼いでいる。営業損失の場合は算出できない。

販管費が非常に大きいのが特徴です。
販管費の中には、サービスを販売する営業人員の人件費や、広告宣伝費が含まれますので、将来への先行投資額が大きいのではないかと推察できます。

そして、先述の通り、同社は売上高は拡大していますが、利益は出ていない状況です。
不足する資金は市場から調達を進めており、ベンチャー企業らしく成長性に軸足をおいた経営を行っていることが伺えます。

株価の動向

最後に、上場来の同社の株価推移です。

2020年〜2022年にかけての上昇は目を見張るものがありますね。
一方、最近は日本株の上昇に関わらず、同社株は下落基調にあります。
やはり先行投資が重荷となり赤字幅が縮小しない現状では、株価は上昇しづらいと思われます。
一刻も早い黒字化が求められているのかも知れません。

④まとめ

以上、「マネーフォワード」についてリサーチした結果、
・個人向けより法人向けサービスが圧倒的に大きい
・財務状況は良好
・営業赤字が続いているが、事業の成長性に先行投資を続けている
・最近の株価は下落傾向

でした。

今後も個人的に気になった企業についてどんどんリサーチしていこうと思います。

参考資料

『会社四季報 2023年4集 秋号』東洋経済新報社

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