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「多声的な歴史叙述のために ―フィクション・フェミニズム・日本中世史」を読んで  その2

『歴史評論』という雑誌に掲載された一部に話題の、 多声的な歴史叙述のために ―フィクション・フェミニズム・日本中世史―For a Polyphonic Historical Narrative: Fiction, Feminisim and Japanese Medieval History  杉浦鈴 の感想 その2 引き続き「一 女性差別・実証史学・日本中世史」に関して 前回、 「学会の実証史学中心主義と「女性差別的な文化」は強く結びついているのではないかという疑念

    • 「多声的な歴史叙述のために ―フィクション・フェミニズム・日本中世史」を読んで  その1

      本来はこのnoteは新型コロナのことを書くのに登録したものだが、ツイートばかりになってもう実質使っていないのでこちらに書いておく。なぶり書こなので誤字脱字はご愛嬌で。 『歴史評論』という雑誌に掲載された一部に話題の、 多声的な歴史叙述のために ―フィクション・フェミニズム・日本中世史―For a Polyphonic Historical Narrative: Fiction, Feminisim and Japanese Medieval History  杉浦鈴 の

      • 東京都と大阪府の新型コロナ感染状況の比較(第5波)その2

         前回に続いて東京都と大阪府の新型コロナ感染状況の比較です。今回は死者数です。 どうもこのところ東京都の死者数報告が多いのが気になっていますが数で言えば両都市とも大幅に減少しているといっていいと思います。別に大阪が嫌いとかでないですけどここでも第4波での大阪の異常さが際立ってると思います。次は10万にあたりの死者数(死亡率)の表です。 第5波の高齢者で大幅に低下してますね。これはほぼほぼワクチン による(重症化予防)効果でしょう。東京はほんとにワクチンの高齢者接種が第5波

        • 東京都と大阪府の新型コロナ感染状況の比較(第5波)その1

           久々の更新になります。たびたび比較していますが今回は新型コロナの第5波を中心に東京都と大阪府の感染状況をまとめます。  両都市の比較で無視できないのは第4波での大阪府の感染状況の酷さにあります。どうして規模も人流も大阪より大きいはずの東京で第4波で思ったほど感染が拡大しなかったのか?またどちらといえば関東圏より近畿圏の方が感染拡がりました。疫学的に重要な問題だと思うのですが詳細な専門家の分析がないのを残念に思います。  まずは年代別の陽性者数を見てみましょう。流行時期の

        「多声的な歴史叙述のために ―フィクション・フェミニズム・日本中世史」を読んで  その2

        • 「多声的な歴史叙述のために ―フィクション・フェミニズム・日本中世史」を読んで  その1

        • 東京都と大阪府の新型コロナ感染状況の比較(第5波)その2

        • 東京都と大阪府の新型コロナ感染状況の比較(第5波)その1

          「新型コロナは幻想か」?

           池田信夫氏が自身のブログで「「新型コロナ」は幻想である」との投稿をされている。氏のこれまでの言動なり考え方を全て肯定しているわけではないがその多くで非常に勉強させてもらっている。個人的には非常に博識・聡明な方と尊敬に近い感情を持っている(良い意味で昔のインテリだと思う)。まぁ世間の新型コロナ騒動に嫌気が差しているってのもあるだろうしご本人の性格的なこともあるのかもしれないがこういう書き方は誤解を生みやすいのではないかな。ほとんどの人は哲学なんて十分に理解してない、私も知らん

          「新型コロナは幻想か」?

          欧米の新型コロナ年代別感染者数

           少し間が空きましたが「7都道府県の新型コロナ年代別感染者数 」で予告したように欧米、スェーデン(人口約1,000万)、フィンランド(人口約550万)、アメリカ(人口約3,3億)の新型コロナの年代別の感染者数を紹介します。フィンランドは欧米の中では陽性者数は比較的少なく日本に近いです。 参考に東京都(人口約1,380万)と兵庫(人口約540万人)をのせましたが左のグラフを見てみてください。スェーデンとアメリカの罹患率の大きさを!端的に言えば感染者数も多

          欧米の新型コロナ年代別感染者数

          7都道府県の新型コロナ年代別感染者数

           新型コロナの感染者数が多い7都道府県の年代別の感染者数をまとめました。だいたいで選びましたがTOP7でいうと千葉が抜けて代わりに兵庫が含まれていることになるようです(2/23厚労省データでは)。  北から順にコメント。 北海道: 北海道オープンデータポータル「新型コロナウイルス感染症に関するデータ【北海道】」から入手 年齢欄が不詳のものが多いです。十分匿名化されていると思われるので不詳のまま公表は適切でないと考えます。また死亡者の年齢別情報がありません。道内の各管轄で個別に

          7都道府県の新型コロナ年代別感染者数

          東京都の新型コロナ発症から死亡までに日数(2/10版)

          確かこのnoteでも箱髭図等を載せたことがあると思います。今回は8/26~2/10までの公表分のデータをもとに作図しました。 以前もデータで示していますがだいたい発症から10日ほどでなくなる方が多いです。急激に悪化するってことなんでしょうね。8/26からにしたのは6月以前は非公開が多いのと次のグラフが8/26(9/1の6日前から)以降のデータを用いているからです。  さて死亡までの日数、今回は少し複雑な計算でも調べてみました。過去7日間の亡くなられた方の日数の平均をとって

          東京都の新型コロナ発症から死亡までに日数(2/10版)

          Science誌「Three-quarters attack rate of SARS-CoV-2 in the Brazilian Amazon during a largely unmitigated epidemic 」の論文の紹介3

          論文紹介の続き3回目になります。 Three-quarters attack rate of SARS-CoV-2 in the Brazilian Amazon during a largely unmitigated epidemic 2021 Jan 15;371(6526):288-292. https://doi.org/10.1126/science.abe9728 の論文紹介です。この記事はCC BY 4.0のもとに作成しています。 今回もSupplemen

          Science誌「Three-quarters attack rate of SARS-CoV-2 in the Brazilian Amazon during a largely unmitigated epidemic 」の論文の紹介3

          Science誌「Three-quarters attack rate of SARS-CoV-2 in the Brazilian Amazon during a largely unmitigated epidemic 」の論文の紹介2

           前回の続きになります。 Three-quarters attack rate of SARS-CoV-2 in the Brazilian Amazon during a largely unmitigated epidemic 2021 Jan 15;371(6526):288-292. https://doi.org/10.1126/science.abe9728 の論文紹介です。この記事はCC BY 4.0のもとに作成しています。Supplementary Mate

          Science誌「Three-quarters attack rate of SARS-CoV-2 in the Brazilian Amazon during a largely unmitigated epidemic 」の論文の紹介2

          Science誌「Three-quarters attack rate of SARS-CoV-2 in the Brazilian Amazon during a largely unmitigated epidemic 」の論文の紹介1

           少し前に読んだのですが今回はScience誌の論文、ブラジルのマナウスでの血清有病率調査に関する論文を紹介したいと思います。マナウスは北ブラジルのアマゾナス州の州都で200万人ほどの人口で密度は158人/km2でブラジルでも新型コロナの感染が甚大だった地域です。2020/3/13に初感染者がみつかりついで爆発的な感染が起こり5月の初めに感染はピークに達し4.5倍もの超過死亡がみられたそうです。十分な緩和策(感染流行を遅らせピークをなだらかにする)が取られておらず、なにもしな

          Science誌「Three-quarters attack rate of SARS-CoV-2 in the Brazilian Amazon during a largely unmitigated epidemic 」の論文の紹介1

          Peter Doshi: Pfizer and Moderna’s “95% effective” vaccines—we need more details and the raw dataの紹介

           BMJの編集員であるPeter Doshi氏のthebmjopinionのワクチン治験に関するオピニオンを訳したのですがてっきりこれもCOVID-19パンデミック下の特別ライセンスの記事と思っていたら違いました。なのでお蔵入りです。徒労に終わりました。せっかくなので簡単に紹介だけしておきます。 Peter Doshi: Pfizer and Moderna’s “95% effective” vaccines—we need more details and the ra

          Peter Doshi: Pfizer and Moderna’s “95% effective” vaccines—we need more details and the raw dataの紹介

          肺の模式図など

           新型コロナのことを考えると免疫なり肺なり医学生物学的な知識が必要になります。中途になっている紹介している論文 紹介論文 Grant, R.A., Morales-Nebreda, L., Markov, N.S. et al. Circuits between infected macrophages and T cells in SARS-CoV-2 pneumonia. Nature (2021). https://doi.org/10.1038/s41586-020

          肺の模式図など

          大阪府の新型コロナ重症者の推移(21/1/19版)

           昨日、「大阪府の新型コロナ重症者の割合など」の記事を書き東京でも同じことを調べますとしました。早速昨晩取りかかったところできないことに気がつきました。東京都は重症者数の発生件数を公表していません。代わりに当日の重症者数の現況を公表しています。以前もこのことを指摘しました。感染動向を見る上では重要な指数だと考えるのですがどうでしょうか?  面倒なので11/15以前の大阪府のデータを確認しませんが大阪府は11/16以降、当日の重症者発生数(新規)と現況(いい表現が見つからなかっ

          大阪府の新型コロナ重症者の推移(21/1/19版)

          大阪府の新型コロナ重症者の割合など

           Scienceに新型コロナは10年後に普通に風邪になるなんて論文が出たようですね。まだ見てませんがまぁ年数はともかくその通りだと思います。実はこのことを示したくて(ひとつの考察のきっかけ)として紹介したいPNASの論文があるのですがなかなか文書にするのは大変です。話すのなら簡単なんですけどね。ものを書くってのはしゃべるより大変です。眠った下書きがたくさんあります。まぁそんなことはともかく今回は大阪府の重症者数に関して府が公表しているデータをもとに表をいくつか作成しました。こ

          大阪府の新型コロナ重症者の割合など

          論文Circuits between infected macrophages and T cells in SARS-CoV-2 pneumoniaの紹介その2

          論文紹介の続きになります。ふつうに全訳する方が簡単なのですが著作権的なこともありしておりません。また論文通りに筋だって内容を紹介するものでもありませんのでその点を踏まえてお読みください。またなるべくわかりやすく書いたつもりですがデータの解釈に関して実験手法を通じていないと理解しにくい点もあります。 紹介論文 Grant, R.A., Morales-Nebreda, L., Markov, N.S. et al. Circuits between infected macr

          論文Circuits between infected macrophages and T cells in SARS-CoV-2 pneumoniaの紹介その2