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#読書感想文

本を読んで感じた気持ちや考えたことを、言葉にしてnoteに残してみませんか?おもしろかった本の感想や学びを「#読書感想文」で教えてください!

人気の記事一覧

又吉直樹「火花」読書感想文

読んでみると、おもしろいの一言しか感想が浮かばない。 それでは読書感想文にならないので、もっと考えてみた。 まずは文章のテンポがいい。 セリフがアクセントになっていて、読んでいて気持ちがいい。 話すことを仕事としている人の成せる技なのか。 148ページという短い物語の中に、20歳から32歳までの12年間の場面が、流れるよう書かれて収まっている。 あとはなんだろう。 以外なおもしろさ、というのはある。 ギャップというか、落差というか。 話題づくりの、陳腐なタレント本かと

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東野圭吾「手紙」読書感想文

ほとんどの受刑者が読む本ではないのか? 差入れ本の中では、この『手紙』がダントツに多かった。 1週間に1冊か2冊は、差入れされてるのを見かけていた。 2年目からは図書係も兼ねていたから、この本を目にする度に『また “ 手紙 ” が入っている』とずっと思っていた。 受刑者は、差入れされた本は必ず読む。 好きじゃないから読まない、なんてことはない。 本とは、これほどうれしく感じるものなのか。 力が沸くものなのか。 いつも手にする度に思っていたし、皆の様子もそうだった。

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本屋大賞2024

ノミネート作すべて、無事読破📚 今年はひとりで、ジュッと短期戦でした。 それもまた良きかな。読んだ順。 『リカバリー・カバヒコ』青山美智子 唯一ノミネート発表前に図書館で見つけ、1時間半で読んだ。昨年度ノミネート作『月の立つ林で』と同じ構えをもっていた。『赤と青のエスキース』『お探し物は図書室まで』もそう、もう型が決まっている。短編で、それぞれが繋がっている。誰にでもわかる。ほろほろする。それが悪い、ということがない。安心するし他の作品にも手が伸びやすい。そして今作。不安

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スティーヴン・キング「スタンド・バイ・ミー」読書感想文

初めてのスティーヴン・キング。 映画の原作者とは知っていたし、3本ほど観ていた。 たまたまかもしれないけど、その3本とも、よくわからないまま話が進んで、やがて「軍がきた!」となって、やはりよくわからないまま終わるパターンだった。 それでいて、アメリカでは有名なホラー作家だという。 さらに10年はかかって、映画の『スタンド・バイ・ミー』の原作者でもあるとも自然に知った。 つまりは、興味もなかったスティーヴン・キングだった。 ホラー小説も読んだことがないし、オバケの類は苦

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渡辺淳一「泪壺」読書感想文

渡辺淳一の短編集。 6作が収められている。 短編も好きだし、渡辺淳一も好き。 作品がというよりも、言っていることが好き。 いちばん好きな言葉はなんだろう。 「セックマルは決してエロではない、むしろ人間がいとおしく見える」あたりか。 2014年に80歳で死去したときに、新聞で紹介されていた。 元医者なのだなと、生への俯瞰を感じさせる。 だから渡辺淳一は、男女の性愛をエロの一言で済ませたりしないし、恥ずかしいことだと隠さない。 こんなにも堂々とセックマルについて語れる

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司馬遼太郎「草原の記」読書感想文

空想に付き合っていただきたい。 という書き出し。 次に1行が空く。 モンゴル高原が天に近いということについてである。 と続く。 それからの語句のチョイスがいい。 天、空、馬、草、という語句が、モンゴル高原の様子を目に浮かばせる。 なんか詩的だ。 今回の司馬遼太郎は。 この本を目にしたときから、絶対におもしろいだろうなと思ったのは当たりだった。 というのも。 司馬遼太郎は、大阪外語学校で蒙古語を専攻していた。 作家になるずっと前から、モンゴルに興味を抱いていた。

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永遠の今~『シッダールタ』ヘルマン・ヘッセ(改訂)

ヘッセは、詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する作家です。 「シッダールタ」(1922)は、あるインドの求道者が悟りの境地に達するまでの体験を描いた作品です。 ヘルマン・ヘッセ(1877- 1962 ドイツ・小説家、詩人) 様々な職に就きながら著述活動を行い、穏やかな人間の生き方を描いた作品を数多く残した。代表作は他に「車輪の下」(1906)「デミアン」(1919) 「シッダールタ」(1922)「荒野のおおかみ」(1927)など。1946年にノーベル

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『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 | 好き(自分の実存)を仕事にする価値観の危うさ|きのう、なに読んだ?

『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 。 「疲れてスマホばかり見てしまうあなたへ」。 タイトルと帯文が「私に話しかけてますね…?」と思うほど刺さりまして、他の本を差し置いて読んでしまいました。 本書は明治時代から現代まで人々が「働く」と「読書」をどう捉えてきたか、変遷を分析したうえで現代の状況を捉え直しており、非常に面白かったです。読書論というより「働き方」論、社会論の趣です。 著者の三宅さんは、明治から時代ごとのベストセラーや人気映画・ドラマからその時代の「働き方観

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石川拓治「奇跡のリンゴ」読書感想文

無農薬でのリンゴ栽培がいかに難しいのか。 いや、絶対に不可能といわれていたのか。 誰も考えなくて、挑戦もしてない出来事だったのはよくわかった。 なぜ無農薬で栽培ができるのか、学術的な解説はほぼない。 そもそもが、解明されてない。 はっきりとわかっているのは、通常のリンゴの木の根は数メートルに対して、木村秋則(以下敬称略)のそれは20メートルはあること。 土の中の微生物が多いこと。 虫の生態系や雑草、病気や菌やカビが密接に絡まって無農薬のリンゴができること、とだけはわか

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清水一行「苦い札束」読書感想文

清水一行の初期作品。 6つの短編が収められている。 『昭和の経済事件史』と改題してもいい。 50年以上が経った令和になっても、同じような事件がおきているのが考えさせられる。 ※ 筆者註 ・・・ 以下、長めの要約となってます。もっと短くしようとあれこれしましたが無理でした。スキームを中心にした要約となってますが、本編ではもっと人間が書き込まれてます。清水一行作品に付き物の “ 女 ” も登場しますがカットしてあります。金額は当時のもので、現在に換算すると3倍から5倍に相当し

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白取春彦編訳「超訳 ニーチェの言葉」読書感想文

ニーチェの本となると、読む前から挫折しそうな気が。 でも避けて通れない。 その名前と、昔の哲学者とは知っている 官本室にあってマークしていた本となる。 春の日だった。 手にとってパラパラとめくってみた。 文字量は少なくて、余白が多い。 1ページには抜粋がひとつ。 そこに、数行の意訳があるだけの232ページ。 これだったら読めそうだ。 実際に1時間ほどでペラペラと読める本だった。 読んだはいいけど、どうも抜粋だと頭に入ってこない。 超訳すぎるかも、という感想だ。 1時

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【読書】いざってときの捉え方を学ぶ

VISION合同会社 植田仁です。 様々なかたとお会いし、その方のご経歴やキャリア、今何を大事されているかを知ることはとても学びになります。 講演会を開くときにもその学びを分かち合ったりしています。 今回の読書。 著者はクイズがお好きなだけあって、本の読み方進め方もクイズ形式でとても興味深く、一気に読めました。 一流は何を考えているのか その他大勢から抜きん出て、圧倒的な結果を生み出す「唯一無二の思考」著者 西沢泰生氏特に私が学びとなったものを抜粋して取り上げたいと思いま

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「正真正銘のクソ野郎」の抜け出し方を、オードリー若林さんが教えてくれた

目を疑った。 まさか、私の中の最低な部分をこんなにもそのまま言葉で曝け出してくれる人がいたなんて。 しかもそれは、今までまったくといっていいほど正反対なタイプだと思っていた、とある漫才師の方だったから。 知人がよく読んでいるイメージがあって、なんとなくKindleで注文していた本。 オードリー若林さんが書いたエッセイ集、『ナナメの夕暮れ』だ。 最初は、自分なんかが踏み込めるわけのない芸能界で華々しく活躍する人の心の中を覗き見る感覚だった。 大御所芸人さんとの飲み会につい

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清水一行「銀行恐喝」読書感想文

『不正融資』と改題してもいい。 とある地方銀行の不正融資が描かれている。 1945年の終戦後から、1998年の平成10年にわたる時代の変化が、やがては不正融資となっていく。 作中には “ N県の西海市 ” とある。 これは、長崎県の佐世保市だとは10ページも読めばわかる。 巻末の解説では、同じく作中にある “ 西海銀行 ” とは ” 親和銀行 ” だと明かされている。 1998年の『親和銀行不正融資事件』だ。 元頭取らが、商法の特別背任容疑で逮捕されている。 翌年に

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齋藤慎子訳「アランの幸福論」読書感想文

幸福になりたい。 著者はまったく知らないが題名がいい。 前回に読んだ『超訳 ニーチェの言葉』の隣にあった本。 同じ出版社で、同じ重厚感がある装丁。 シリーズとなっているようだ。 手にとってペラペラ読みしてみると、1ページにひとつの言葉が抜粋されていて、意訳が数行あって、空白が多めになっている。 なにかひとつでも。 なにか心に残れば、と借りた。 噛みしめるようにして、じっくり読んだ。 通常の読書では、口に出す “ 音読 ” はしない。 が、あえて音読して、じっくり2時間

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わたしの本棚『薔薇は生きてる』

カバーイラストの愛くるしさよ。1935年の初版以降、版元を変えながら何度も復刊されてきた(んですって)『文學少女のバイブル』(なんですって)が21年ぶり(なんですって)に創英社から刊行されたのは2008年のこと。わたしは今も昔も文學少女といえるほど文学方面の活動に活発ではないのだけれども、時折なんらかのきっかけで読書欲が爆発するかわいいもの好きの軽率な少女なので(今も昔も。ええ、今も昔も。)、当時ブックマークして更新を楽しみにしていたブログで「いちいちかわいい」と紹介されてい

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清水一行「絶対者の自負」読書感想文

清水一行は “ トップ屋 ” から小説家になった。 トップ屋とは、週刊誌が全盛期の昭和のフリーライター。 新聞が書かない特ダネを追い、派手に誌面のトップをとるから、当時は “ トップ屋 ” と呼ばれたとのこと。 それだからか。 事件や、スキャンダルや、不祥事を、暴くようにして書かれる小説が主となる。 人々が何に興味を持つのか、どこを知りたがるのか、並みの作家よりわかっていると感じる。 そんな清水一行の小説の特徴としては、金額がはっきりと何度もよく書き込まれているのを1

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落合信彦「20世紀最後の真実」読書感想文

落合信彦は、世界各地へ取材に飛ぶ。 ニューヨークからカナダへ。 チリ、パラグアイ、ブラジル、アルゼンチンを回る。 そこからロスを経由して、西ドイツ。 小型機をチャーターして、デンマーク、ノルウェーへ。 “ その情報 ” をキャッチしてから、下調べと準備に2年間を費やしていた。 取材は1ヶ月に及び、1980年に『週間プレイボーイ』に連載された記事が本となった。 いったい “ その情報 ” とはなんなのか? 元ナチスの幹部である。 多くが南米に逃れているというのだ。

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松本清張「ガラスの城」読書感想文

向かう高層ビルの外観は、折からの朝の日を受けて総ガラスの窓が煌めいている。 壮大なガラスの城である。 ガラスは反射鏡のように、周辺のビルの風景を、光と影の対象で映していた。 中に入ると輝くばかりに明るい。 女子大を出て、最初にこの建物の中に入ったときは、誇りと喜びとに胸が震えたものだった。 それから6年が経った。 今のわたしには、その夢も薄くなり、色あせている。 ・・・ 彼女の鬱屈が続いていく。 東亜製鉄株式会社の社員の三上田鶴子の手記である。 そのガラスの城の13

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ワクチン解毒方法 第876幕

本日は、大阪市立大学名誉教授の井上正康さん著の『きょうから始めるコロナワクチン解毒17の方法』を、みなさんにシェアしたいと思います。 あのコロナパンデミックで、やむをえずワクチンを打ってしまったあなたに、贈ります。 あなた自身を守る最大の方法、それはこれ以上ワクチンを打たないことです。 1. コロナワクチンとは?コロナワクチンは、多くの人が子供の頃から接種してきたBCG、日本脳炎、インフルエンザのワクチンなどとは根本原理が異なり、全く新しいタイプの「遺伝子ワクチン」であ

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