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『空の絵本』読んだ本 ご紹介!

詩人・長田弘さんが生み出したリズムのある美しいことばの粒。
絵本作家の荒井良二さんがなんどもかみしめ、味わって、
時の流れと自然が語る姿を一枚、一枚の絵に切り取っています。
雨の音、
風の音、
光の動き、
長田さんと荒井さんが捉えた世界が、
一冊の絵本として見事に結実した珠玉の作品です。
凄みさえ感じる荒井さんの絵、ぜひご注目ください。

出版社内容紹介より

素晴らしい絵本なんです。
荒井良二さんの、空の絵が、ページをめくるたび、ほう、、、とため息が出ます。
長田 弘さんの文章… 詩? もステキです。
全文、書き写したくなりますが、私の一番好きなところは、嵐を表現した描写の後の

だんだん
あかるくなってきて
みどりいろは みどりいろに
空いろは 空いろに

『空の絵本』

。 。 。 この文と絵の見開きページは、本当に美しいです。雨上がりの明るくなってゆく空と、雨に濡れて、洗われたように、緑の草花や木々が自然の薫りを放つかのように、光を受けて、新鮮な空気感を現しています。

だんだん
空気が すきとおって
だんだん
なにもかも はっきりしてきて

『空の絵本』

。 。 。 この見開きページは、山並みの緑色と、光でいっぱいの透明な空との境目がくっきりして、山の緑がラフな感じで描かれているのに、木々に光が当たって、キラキラと、いくら見ても、見飽きない、シンプルなのに、とても美しいです。本当に綺麗。絵を見ているだけで、綺麗な空気に包まれているような気分になります。

草花のうえの
しずくが こぼれて
水晶みたいに きらめいて
ばらばら落ちて ちらばって

『空の絵本』

。 。 。 この見開きページ!!  ページいっぱいに、シンプルな形の、大きな葉っぱが描かれていて、雨上がりのしずくが宝石のようにきらめいて、葉っぱをつたって落ちていき、画面いっぱいに、キラキラのしずくがきらめいて、目にとても美しいです。

だんだん
光は きんいろに
だんだん
水のいろは ぎんいろに

『空の絵本』

。 。 。 見開き、美しい!!空の、金色の光がますます明るくなっていき、山の木々も、光を受けて、明るい金色にけぶってゆきます。山の中の水は、池でしょうか。美しく銀色に、空の光を反射して、かがやいています。

だんだん
うつくしい夕方になって
山々のかたちが
空に くっきりうかんで

『空の絵本』

くっきりした山並みと、夕焼け空が、とても美しいです。このあと、日が暮れて、白い月が顔をだします。だんだん暗くなってゆき、木の影が濃くなって、良く見れば鳥たちが、たくさん帰ってきて、飛んでいます。だんだん夜空がひろがって来て、星たちがきらめきはじめて、空はいっぱいまたたき   またたきながら、星たちはものがたりを話しだす。この見開きページは、よく見ると、またたく星が、動物や電話機、さくらんぼ、車、かえるや鳥、電気スタンド、お花やちょうちょ、椅子やロウソクや楽器など、さまざまな絵になって隠れています。楽しいページです。最後の見開きページ、

雨の星の 雨の神様
おやすみなさい
うさぎが ぴょん
かがやく月のなかにとびこんで

『空の絵本』

この見開きページの絵、大きなお月さまとちっちゃなうさぎ、うさぎがとてもかわいらしいです。
そしてページをめくれば…

だんだん ねむくなってきて
だんだんだんだんだん
だんだんだんだん
だん だ ん

『空の絵本』

だんだんの文字がだんだん薄くなっていきます……
文章の言葉のリズムが良く、絵が鮮やかに変化していきます。子供さんへの、読み聞かせに、ぴったりだと思いました。私、図書館で借りたのですが、手元に欲しくなった、とても美しくてステキな絵本でした。

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