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シュガーバーニングからファットバーニングへ 第918幕

本日は、ヘルスドクター アイザック・H・ジョーンズさん著(医学博士 白澤卓二さん[監修])の『世界のエグゼクティブを変えた 超一流の食事術』をみなさんにご紹介したいと思います。

著者である、アイザック・H・ジョーンズさんは、子供の頃発達障害と診断されたが、自然療法(砂糖を控え、良い油を摂る)で、わずか4ヶ月で特別クラスから普通クラスに入り、その後どんどん成績が上がっていき、23歳で博士号を取得、大学院を首席修了し、ファンクショナルメディスン(機能性医学)のドクターとして活躍している。彼のクライアントには、ハリウッドスターやサウジアラビアの王族をはじめ、世界的な企業の経営者、エグゼクティブな人たちばかりである。

『砂糖を控え、良い油を摂ること』食生活を、「シュガーバーニング」(糖質燃焼型)から「ファットバーニング」(脂質燃焼型)へ切り替えることで、糖尿病などの疾患が治ったり、うつ病などの失調状態が回復したり、1ヶ月で8kgもの減量に成功したりするだけでなく、仕事の効率が大幅に改善され、年収が前年に比べて1.5倍にアップするなど、劇的な変化を体験する人があとをたたないという。

実に興味深い内容である。
本の中で気になった点をご紹介していきたいと思います。


1. 「シュガーバーニング」(糖質燃焼型)から「ファットバーニング」(脂質燃焼型)へ

①シュガーバーニングとファットバーニング

糖質を控え、「良いアブラ」を積極的にろう、というのが、本書のテーマである。
「良いアブラ」を摂る一番の目的は、最終的に私たちの体を、糖質をエネルギー源として使う「シュガーバーニング」(糖質燃焼型)の状態から、脂質をエネルギー源として「ファットバーニング」(脂質燃焼型)の状態につくり変えていくことだ。

本来、私たちの体は「シュガーバーニング」に適した状態につくられていない。
穀物を栽培して、穀物の糖質からエネルギーを取るようになったのは、今からたった1万年前のこと。
それ以前の399万年間は、脂質を燃やして生きてきた・・・ということは、私たちの体は、もともと脂質を燃焼してエネルギーに変える「ファットバーニング」に合わせてつくられている。

体の中に燃料を蓄えるタンクが2つある。1つは糖質の燃料タンク。もう1つが脂質の燃料タンク。糖質の燃料タンクは約2000kcal。一方、脂質の燃料タンクは、約4万kcalと、糖質の燃料タンクの20倍近くある。

②シュガーバーニングの弊害

糖質は、体内に入るとまずグルコースという物質になり、体中の細胞に届けられる。このグルコースを運ぶ役目を担うのが、インスリンというホルモン。
糖質が入ると、膵臓すいぞうからインスリンがたくさん分泌される。(一気にスパークする)。そうすると、血液中のグルコース濃度(血糖値)が上がる。
インスリンは糖質が入ると、一気にスパークするが、その分、減るのもまた急激な勢いで減る。インスリンの常にスパークしては減るという不安定な動きを繰り返す。血糖値がいつも上下していると、細胞に供給されるエネルギー源も安定しないので、内臓機能が安定しない。脳のエネルギーレベルも一定に保つことができず、集中したり、記憶したりするといった脳の機能も一定しない。

③ファットバーニングのメリット

一方、「ファットバーニング」のメリットは、「インスリンのスパーク」が起きないので、インスリンと血糖値が常に安定した水準でキープされる。また、エネルギー源は脂質タンクから安定的に供給されるため、体の機能も高い水準の最適な状態で維持され続ける。もちろん脳の機能もハイレベルで安定し、集中力が高まる。

④糖質によって引き起こされる「炎症」の怖さ

糖質はタンパク質とくっついて熱が加えられると、AGE(終末糖化産物)という極めて破壊的な物質に変化する。AGEは、細胞を攻撃し、炎症を引き起こす。例えば、動脈を詰まらせる血栓の原因は炎症である。AGEによって傷つけられた血管の内壁に血液中を流れるコレステロールがしみこみ、炎症が起きる。それを防ごうとして、免疫細胞や血小板がやってきて、かたまりを作る。それが血栓である。このように炎症は、あらゆる病気の引き金となりうる。その炎症に糖質が深く関与している。

2. 「良いアブラ」を増やし、「悪いアブラ」を減らそう

①アブラの種類

アブラには、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」がある。
「飽和脂肪酸」は、常温では固形になるアブラ。ギーやバター、ラード、肉の脂身など、主に動物性のアブラがこれに該当する。

「不飽和脂肪酸」は常温では液体になるアブラ。植物性の油や魚のアブラがこれに該当する。
さらに、「不飽和脂肪酸」は、その化学構造によって「一価不飽和脂肪酸」(オメガ9=オレイン酸)「多価不飽和脂肪酸」(オメガ6=リノール酸、オメガ3=αリノレン酸)に分かれる。
これらのアブラのうち最後に挙げた「多価不飽和脂肪酸」のオメガ6とオメガ3だけは、人間の体で作ることができないので、食べ物から摂らなければならない。そのため、必須脂肪酸と呼ばれている。

②オメガ6とオメガ3の理想の割合は「4:1」

「多価不飽和脂肪酸」のオメガ6とオメガ3は、別名「酸素マグネット」と呼ばれるほど、酸素を強力に引き寄せる力がある。
つまり、オメガ6やオメガ3で作られた細胞膜や細胞は、体内でマグネットのように酸素を強力に引き付けるので、細胞は酸素が豊かになって元気になる。

オメガ6とオメガ3を含むアブラをたくさん摂ればいいわけではない。理想は、オメガ6:オメガ3=4:1の割合にする。
普通に食事を摂ると、極端にオメガ6に偏りやすい傾向にあるので、オメガ6を控えめにして、オメガ3を積極的に摂るようなバランスを心がけると良い。

③「トランス脂肪酸」(悪いアブラ)の恐怖

「悪いアブラ」の筆頭が、「トランス脂肪酸」
トランス脂肪酸は、「不飽和脂肪酸」の一種に分類される、非常に毒性の強いアブラ。自然界にもわずかに存在するが、毒性が強いものは、ほとんどが加工や加熱など人工的に手を加えた時に生じる
トランス脂肪酸には細胞を攻撃する毒性があって、体の中でその毒が代謝されて消えるのに240日かかる。また、トランス脂肪酸の毒にさらされると、細胞膜が硬くなり、がんや動脈硬化、心臓病など様々な病気を起こす。

(トランス脂肪酸が生じる主な条件)
①液体のアブラ(植物油など)に水素を添加して硬化させ、固形にする場合。マーガリン、ショートニング。
②液体のアブラ(植物油)を高温で揚げたり、炒めたりする場合。高温で調理された揚げ物。

(「悪いアブラ」を摂らないようにするためには)
どうしても家庭でアブラを使って炒め物や揚げ物をしたいときは、トランス脂肪酸を生じないアブラを用いるのがベスト。ギーやバター、ラード、ココナッツオイルなどの「飽和脂肪酸」を使うのがおすすめ。

④「良いアブラ」の選び方

・第1のポイントは、なるべく加工のプロセスが少ないものを選ぶ。
・第2のポイントは、遺伝子組み換えでないものを選ぶ。
・第3のポイントは、バターやラードといった動物性のアブラについて、穀物のエサを食べていないグラスフェッドの動物から作られたものを選ぶ。ただ、日本では市販の製品にほとんど「グラスフェッド」の表示がないため、なるべく「自然放牧」を行っている生産者を探すと良い。
・基本的にアブラは加熱せず、できるだけ生で使うのがベスト。
・オメガ6のアブラはすでに摂り過ぎの状態になっている場合が多いので、ほとんどの植物油、例えばコーン油、紅花油、大豆油、綿花油、ひまわり油、ピーナッツ油、ゴマ油などは進んで摂る必要はない。
・反対に、不足しがちなオメガ3を補うために、魚の油や亜麻仁油、エゴマ油は積極的に摂ることをおすすめする。

⑤「良いアブラ」選びに迷ったら、「ギー」頼み

「グラスフェッド」の製品を入手しづらい現在の日本において、加熱調理にも使え、比較的信頼性の高いアブラとしておすすめは、「ギー」
ギーは、インドなどの南アジア諸国で古くから食用に使われてきた乳脂肪製品で、牛乳を乳酸発酵させてできたバターをゆっくり加熱し、溶け出した脂肪分が黄金色に、沈殿した固形分が褐色に変わったタイミングで濾過して作る。
この加熱・ろ過の過程で水分や糖質、タンパク質などが除れるため、バターよりも健康的で、長期間保存の利くギーが出来上がる。代謝機能やホルモンバランスを整えるビタミンを豊富に含むほか、アレルギーを起こす恐れがなく、肥満や病気のリスクを下げてくれるなど、多くのメリットを備えている。
ギーは、バターよりも熱に強く、安心して料理に使える。バターの代わりとして用いたり、炒め物や煮物の調理に用いたり、あるいは紅茶やコーヒーなどの飲み物に入れて楽しんだりするのも良い。

⑥バランスよくアブラを摂る

特定のアブラに固執してはいけない。複数の種類をバランスよく組み合わせて摂る。
理想の組み合わせは、
・ギー(あるいはグラスフェッドバター)[飽和脂肪酸]
・バージンココナッツオイル(あるいはMCTオイル)[飽和脂肪酸]
・エキストラバージンオリーブオイル[不飽和脂肪酸・オメガ9]
・亜麻仁油(あるいはヘンプシードオイル)[不飽和脂肪酸・オメガ6&オメガ3]

⑦「運動の2時間後」に油を摂るのが効果的

体を「シュガーバーニング」から「ファットバーニング」に変えていくために、運動した後、「良いアブラ」を摂るのが効果的。運動後、2時間後くらいがベスト。
お腹が空いていれば「良いアブラ」と一緒に肉や魚などのタンパク質や野菜を摂る。野菜をギーやココナッツオイルで軽く炒めたり、もしくは火を通してからエキストラバージンオリーブオイルや亜麻仁油などをかけたりしても良い。
お腹が空いていなければ、ヘルシーなスムージーや飲み物に「良いアブラ」を混ぜるのも良い。

3. 感想

シュガーバーニング、ファットバーニングという言葉を初めて聞いた。
確かに、穀物中心の食事(シュガーバーニング)だったなあと思い知らされた。
自分の体維持のために、ファットバーニングの体につくり変えていきたいと思った。
みなさんも、ファットバーニングの考え方を取り入れて、自分の体を労ってあげてください。体が資本ですからね。🤗


いつもご覧頂きまして 有難う御座います。
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では また次のnoteで お会いしましょう。




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