マガジンのカバー画像

モノ書き

96
運営しているクリエイター

2016年6月の記事一覧

カラス

あれやこれやを考えても
あれやれこれやれと言われても
あれもこれも出来なくて

なぜやる、の他人の問いも
やればできる、の他人の声も
搔き消してしまうくらいにシャウトしたい

なんのため?がつきまとい
本当の自分とやらに追いかけられ
結局楽しさが一番と
開き直るのもお手の物

何も考えず
何も期待せず
ただひたすら走っていた
がむしゃらだったあの頃にもどりたい

心の叫びに忠実に
その扉を開けてみ

もっとみる
ツユノート

ツユノート

生暖かい風が、私達の間を吹き抜ける。
暑いなぁ、そう言ってあなたは繋いだ手を離してコンビニで買ったアイスやら飲み物やらが入った袋を左手から右手に持ち変える。
反対側に回ってもう一度手を繋ぎに行けたらいいのだけど…らしくないことも出来ず、離された左手は温もりが消え去り、私にただ引っ張られ付いてきている。

前からウォーキングをしているご夫婦がやってきた。
首にタオルを巻いて腕をよく振って歩いている。

もっとみる
ママへ

ママへ

お誕生日、おめでとう。
還暦おめでとう。
永遠の59歳だなんて言っていたけれど、
私はお母さんが無事に還暦を迎えられたことが嬉しいよ。

60年のうち、約半分くらいを一緒に過ごしているんだね。
私を産んでくれてありがとう。
お兄ちゃん達も産んでくれてありがとう。
お父さんのことたくさん不満もあるだろうけど、一緒になってくれてありがとう。
最近はよくお母さんのことを思い出すよ。
還暦だからかな?笑

もっとみる

つれづれなるままに

人間の世界は
いい意味で一人ではないし
悪い意味でも一人ではない

どんなに頭の中で自分の進むべき方向を向いていたとしても、何かしらの関わりが足を止める元になる。

引き寄せの法則やら類友やら、高くジャンプする前の準備やら、言い方なんてたくさんあるだろうけど、そんな言葉でまとめられても、それもまた違う気がする。



あの人は私のこと全て受け入れてくれる、だから安心できる人

たまにこんなこと言

もっとみる

私とわたし

自分で作った囲いの中でもがく日々
私の理想のはずなのに。
いつの間にか私はわたしを苦しめ、おおきな空をただ見上げるだけの日々となる。

鳥のように羽ばたきたい
風のように自由でいたい
花のように輝きたい

蓋をされた囲いからどうやって出ようか
出たい、出たい、出たい、
思いばかりが重ななるだけ。

助けて
たった4文字の言葉も言えない
いらないプライド

ごめんね
これしかわたしは言えなくて
もが

もっとみる

ウラギリモノ

限りなく嘘に近い、本当の話。



その日はよく晴れた日だった。前日の雨が嘘だったかのように、真っ青な空が僕たちを包み込んでいた。
大きく息を吸っては吐いて、何度も繰り返す呼吸音に耳を傾けては僕の心臓はバクバク言っていた。
裏切るやつはいるのだろうか。周りの奴らの様子を伺っても何も見えない。声を出すことも許されないこの状況で僕の限界はもう、すぐそこまでやってきている。
親友のO田が一歩前に出た。

もっとみる
flower

flower

込み上げる思い
この詩にのせて
届いて欲しい
私は今を生きている

何もかもが嫌になった日々
生きてる意味を考えて
握るペンは動かぬまま
乾いて写らず、白い紙

白紙の私に炭が落ち
私は私じゃない誰かに塗りつぶされる

心の叫びに気づいては
頭でかき消す、大丈夫

あともう少し
あともう少し
あと、あと…

あとがなくなるその前に
見えた光、あなたの手

つかむ私を抱き寄せて
「君はそのままで美し

もっとみる

心の水たまり

知らず知らずのうちに
どこからか水が漏れていて
小さな水たまりができていた。

その小さな水たまりは少しずつ、少しずつ大きくなっていった。

水たまりが大きくなり始めたら
なんだか心まで重くなってきて
起き上がることすら億劫になってきた。

ふと、その水たまりを覗き込んでみた。
冴えない色の水たまりに映った私の顔
暗く表情のない顔が浮かび上がる
水をはじいても、叩いても変わることない
私の淀んだ顔

もっとみる
弱音言

弱音言



何も持ちたくないのは
失うことが怖いから

一人でいるのは
弱さを隠したいから

愛を信じているのは
愛を知っているから

会いに行くのは
愛が欲しいから

愛が欲しいと言えないのは
愛がないと知ることが怖いから

平気なふりをするのは
弱い自分を守りたいから

頼りたくても頼れないのは
誰かの重荷になりたくないから



弱音言。
吐いてみた。

そんな日もあるよ、大丈夫。
そう言ってい

もっとみる
鎌倉を共にしたあなたへ

鎌倉を共にしたあなたへ

紫陽花の季節となりましたね。
お元気ですか?
桜や紫陽花、そして紅葉。季節を堪能しましたね。
鎌倉に行ったっていつも私は海が1番でカフェやパン屋さん巡りが主で、もちろん有名なお寺や神社は行っていたけれど花を主にすることはありませんでした。
あなたは花が好きでとても詳しかったですね。そして、私より一回り以上年上で私よりだいぶ小柄なのに、私よりアクティブでした。

私もあなたもあの職場を辞めて関わりが

もっとみる
夜になるまでの、あの時間

夜になるまでの、あの時間

夜の空
目を閉じれば、あの暗い世界に吸い込まれそうで、でも目を開けると明るい電気の下、変わりないこの場所にいる事をまざまざと知らされる。

どこか遠くへ連れて行って?
お月様に、お星様にそう願えばどこか知らない世界へと連れて行ってくれるだろうか?
かぐや姫のようにお迎えが来るだろうか?
フランダースの犬のように天使が迎えに来てくれるだろうか?

届かない思いは胸に閉まって、やっぱり目を閉じて眠ろう

もっとみる

ツカレテルのサイン

君が帰ってきた。

ギュ…

座っている後ろから君が抱きついてくるのは、何かあった時だよね。

どうしたの?
疲れちゃった?
大変だった?

後ろを振り向いて、君の顔を見たいけど、君がきつく抱くもんだから、後ろを振り返れないよ。
…なんてね。

ねぇ、
泣いてるの?
悲しいの?
辛いの?

よしよし、そう言って僕も君を抱きしめたい。
君の世界のことは僕にはわからない。
けどね、君が僕の背中に頼る時

もっとみる
糸

絡まった糸
一つ一つ解くように
言葉に乗せる

頑固に結ばれた糸も
するりと解ける糸も
何か形を作ろうとしている糸も

同じように丁寧に
言葉に乗せて
解いていく

やがてごちゃごちゃになっていたあの糸は
綺麗な線を描き
文字となり
言葉となり
文章となり
リズムを生み出す

糸は音色を生み出し
ふわりと風にのって流れていく

風と共に踊る音色で
誰かの絡まった糸が
するりと解けるといいな

重な

もっとみる
虹の足

虹の足

「虹の足」見たことありますか?
私たちが虹と言って連想するのは空に浮かぶアーチ状の七色の橋。
その橋の一番下の部分は見たことがないですよね?
現実的にそういう原理なのかもしれないけれど、虹の足は未知の世界。
たった今思い出したけれど、「虹の岬の喫茶店」という小説でも虹を追っていく話がありました。追っても追っても一向に近づかない、やがて見失ってしまって、この岬の喫茶店を見つけるというストーリーです。

もっとみる