心の水たまり

知らず知らずのうちに
どこからか水が漏れていて
小さな水たまりができていた。

その小さな水たまりは少しずつ、少しずつ大きくなっていった。

水たまりが大きくなり始めたら
なんだか心まで重くなってきて
起き上がることすら億劫になってきた。

ふと、その水たまりを覗き込んでみた。
冴えない色の水たまりに映った私の顔
暗く表情のない顔が浮かび上がる
水をはじいても、叩いても変わることない
私の淀んだ顔

ポタ…ポタ…

水たまりから水が少しずつ落ち始めた
ほんの少しずつ。
流れ出る雫は私の小さな感情達を連れ出してくれる

ポタ…ポタ…

流れ出る雫
吐き出されていく感情
軽くなる心の中

私の顔にも晴れ間が見える

完全には雫は出しきれず
小さな、ほんの小さな水たまりが
まだ心の中にある

それでもいい

私の太陽で無くなるかもしれない
誰かの暖かさで無くなるかもしれない
水たまりの中の悔しさや辛さ
その感情が体にしみて
私を強くさせるかもしれない


鏡に写る顔を見る
腫れた目をした、晴れた顔。

明日も天気になぁれ。


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#飛び込みたい時もある
#長靴は必須
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