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モノ書き

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2016年5月の記事一覧

築く壁

築く壁

見たくないものがあると
そっと目に蓋をする。

聞きたくないことがあると
耳が寝息を立て始める

嗅ぎたくないにおいがあると
鼻に弁をして吐くだけの一方通行の道を作る

触りたくないものがあると
いつの間にか猫型ロボットのような手になる

それでも耐えきれなくなると
小人達がカンカン!と大きな音を立てて分厚い壁を作り上げてくれる。
前方、左右、後方と進めていくのは外界の不快な音を耳に入れないため。

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以前UPした“コドクお化け”にODKさんが絵を描いてくださいました〜〜♪
ほんっとにお忙しい中ありがとうございます!
初めての絵本でございます(≧∇≦)
見てみてくださいませ♡
https://note.mu/coco_neco/n/ne34c7f062d36
#コラボ #絵本

calling me

calling me

湿気を含んだ風が、頬を流れる。
付き合うってなんだっけ?

波の音。車の音。
月の灯りと海岸線に並ぶお店の明かりで打ち寄せる波もはっきりとわかる。

何時間いるのだろう。なんて思ってみたところで何時間も経っていない。なぜなら、この場所に来るまでに1時間以上費やしたから。その間に頭は整理される。あとは気持ちの問題なのだ。
海の音とキラキラ光る水面。そんな時間をかけてやってくるのには、誰もいないであろ

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夜の風景

夜の風景

夜風が気持ちいい。

この風と暗く何も見えない空だけでいい。

ケータイの明かりも
部屋の明かりも
本当は全て消してしまいたい。

それができないのはただ怖いから。

本当に真っ暗なところに一人ポツンと座ることなんてできないんだ。



意気地なし。

どこからかそう聞こえたから、やってみた。

電気を消してケータイを消して。

パチッ

外の風景が見えるようになった。

建物の形、空の明るさ、

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今を生きる、ということについて

GWもそろそろ終わりの頃ですね。あと3日休みの方もいれば、明日は仕事で土日休みの方もいる事でしょう。
私は書き入れ時のためお仕事です^ ^
サービス業の方やお店をしている方もお忙しいのではないでしょうか?

私はアパレルなのですが、忙しくなると1番スムーズに、かつミス無くやらなければならないのは“お会計”ですね。
レジに行列が出来ると、それを見て買う事をためらう人もいます。反対にそれに興味を持って

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アメノート

アメノート

シトシト降る雨の音
ボトボト降る雨の音
ザーザー降る雨の音

シトシト泣く空の涙
ボトボト泣く空の声
ザーザー泣く空の叫び

止まない雨は無く
止まらない涙も無い

助けが欲しいと音を立て
助けはいらぬと黙る嘘

僕はここにいるから
返事は無くとも傘をさす

肩が濡れぬよう
君を抱き寄せて
#雨の音 #子守歌 #おやすみなさい #書き物

変なマインド

アナウンサーの小林麻耶がかわいいと言われることに拒否を感じる件について。
http://taishu.jp/22031.php

私もあるのです。
変なブロックが。
昔、小学校くらいの頃KinKi Kidsが好きで特に剛くんが^ ^(今でも好きっす)
テレビは何に出るかチェックし必ず見ていたわけです。
それがある日、私が部屋でのんびりしていたら1階のリビングから母親が「あゆちゃーん!剛くん出て

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戀

いとしいいとしいと言う心

愛しい、愛しい。
愛したい、愛したい。
心がそう言うようになると恋のようだ。

いつからか心は静かになって“平穏”という言葉がお似合いになった。
ドキドキしたり寂しくなったり不安になったり、ワクワクしたり…。ざわつくことがなくなって、自分と語り合ってそこには幸せな世界がある。



いとしいなぁ。
そう想えることは簡単ではなくて、奇跡に近い。お互いが同じように“いとし

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朝

腕の中にすっぽりおさまる君が愛らしい。
なんの夢を見てるのかな。規則正しく繰り返される呼吸。君を起こさないように同じリズムを刻むのさ。



君の腕の中は気持ちがいい。そこまで厚くもない胸にすっぽりと顔を埋められる。君はもう起きてるのかな?まだその温もりを、呼吸のリズムを感じていたいの。まだこのままでいさせてね。



カーテンの隙間から一段と強くなった日差しが差し込んでくる。
こんな朝をあと

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切り花の一生

切り花の一生

今日はより一層月が輝いて見える。
パッとしない1日を最後の最後に「今日もお疲れ様」と、ほんのり照らしてくれているようだ。

なんとなく、納得いかない日だった。
思い通りにいかない、もう少し考えて欲しい、まわりを見て欲しいなんて…。
何の問題もないように回っていそうな歯車は、本当は誰かが一生懸命回していて、ただ単に他の歯車は回されているんじゃないか、なんて思ってみたり。自らが回ることができたら、1つ

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まもなくです✳︎summer party✳︎

まもなくです✳︎summer party✳︎

季節は静かに変わりゆく。
陽は伸び、青空の時間が長くなる。
虫たちはゴソゴソと外へ出る準備に差し掛かり
動物達も毛皮を夏用へとチェンジしていく。

昼間が長い分、短くなった夜を存分に味わいたいのが人間様。
気になるあの子と、狙ったあの人と。
祭りの準備は着々と進んでいる。



私だけ取り残されないように、除け者にされないように、丹念に身体をつくり、薄い布で身体を覆い、甘い蜜を身体にまとうの。

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魅惑

魅惑

君に惹かれてしまうのは、何か寂しいもので覆われたような、目の奥に冷たい水が流れているような、そんな雰囲気が気になるからであろうか。

もしくは、私より遅く生まれているはずなのに、この世の全てを知っているかのような落ち着きに惹かれたのだろうか。

君の一言一言はわたしを安心させ
君の冷たい瞳はわたしを包み込む

隣に座る君の体温でわたしの左側だけが熱くなる。
君のその薄い体の右側は熱くなるのだろうか

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純愛

純愛

「あと、10年若かったら良かったのに」

貴方はそう言ったけど、わたしはそうは思わない。

「貴方と早く出会えていたら良かったのに」

と、そう思うから。

重なった手がチクチクする。
始まりは一瞬だった。
あの時から、触れることのできない背中を追いかけて、遠ざかる貴方が振り向くのを待っている。

もし、わたしがこのまま独りだったら
わたしは貴方のせいだって言ってやる。

困った顔をするでしょう、

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