マガジンのカバー画像

昼休みのアート日記

5
平日は会社員のアート好きな人が昼休みの20分を使って書くアート日記。Instagramには書ききれないいろいろをここにまとめていく予定。
運営しているクリエイター

記事一覧

魂がふるえる 塩田千春展 @森美術館

魂がふるえる 塩田千春展 @森美術館

塩田千春に憧れたハイティーンのわたしはなんだったのかというのを考えながら観た。

ツイッターでは「潮田千春展は空疎だ」という論争が起きているのを傍目に。

あの物量には感服するのは昔も今も変わらず。
たましいと言われるとスピ感がすごいけど、塩田千春を知った当時は、記憶とか存在とかそういうものを繋ぎ止める糸、という受け取りかたをしていた。そのその糸が絡まり、繋がり、大きな繭になっていく。個の存在が大

もっとみる
この物語が悲痛なのは、私がこんなにも苦しんだことが今までなかったという事実である。 ソフィ・カル 「限局性激痛」

この物語が悲痛なのは、私がこんなにも苦しんだことが今までなかったという事実である。 ソフィ・カル 「限局性激痛」

「人生最大の苦しみをその治癒の過程をあらわした」とレビューに書かれていることが多い作品だけど、わたしはこれは治癒ではなく前進のための整理と忘却なんじゃないかと思う。傷がなくったわけではないと思うのだ。

というのは、似たような体験をした私の実感だ。美術館に行って自分プライベートなことに直接関わるような体験をすることは今まであまりなかった(ダダイズム〜ミニマリズムからアートに入ったから物語にあまり興

もっとみる
ガラスの宇宙船でたまたまそこにいた人と旅に出る 「ピアニスト」向井山朋子展 メゾンエルメス

ガラスの宇宙船でたまたまそこにいた人と旅に出る 「ピアニスト」向井山朋子展 メゾンエルメス

オランダを拠点に活動する向井山朋子さんのエキシビション。ピアノを、立春の日から毎日50〜120分、時間帯を一時間ずつずらして弾く、というパフォーマンス。真夜中にも朝方にも弾く日がある。平日の昼間ももちろん弾く。観客に優しくない。このハードルを乗り越えて集まるのはどんな人達で、どんな演奏がされ、どんな時間が流れるのかとても気になり、銀座のメゾンエルメスへ足を運ぶ事にした。

とはいえ、私もそのハード

もっとみる
渋谷の雑踏で波の音が聞こえたら ソフィ・カルの《Voir la Mer(海を見る )》

渋谷の雑踏で波の音が聞こえたら ソフィ・カルの《Voir la Mer(海を見る )》

今回は2019/2/2〜2/9で上映されるソフィ・カルの《Voir la Mer(海を見る )》について。

《Voir la Mer(海を見る )》は、海を見たことがない人々が海を初めて見たときの様子を記録した作品。日本では2013年に原美術館で開催された『ソフィ・カル - 最後のとき/最初のとき』に出品されていたので見たことある人もいるかも。

わたしが観に行ったのは初日の2019/2/2土

もっとみる

昼休みのアート日記

アート日記始めてみようと思います。

わたしは、ほぼ毎週末ギャラリーや美術館へ足を運ぶアート好きな会社員です。週末に見たものをInstagramに記録していますが、短くまとめきれないことや少し時間が経ってから考えたこと、作品を観て思い出したことなどを少し長めに書いてみようと思い立ちました。

お弁当生活にしてみたら食事の時間って20分くらいなんですよね。わたしの昼休みは1時間なので、残りの時間でこ

もっとみる