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記事の小説まとめ

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記事で書かれた小説をすべてまとめています。
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#小説

【掌編小説】 とある小説家志望の私小説

最初は、絵が好きだった。
フルカラーの漫画を描いてみて、大変だったから、小説を書いた。

こっちの方があってた。漢字のかきとりも好きだったし。

文字が好きだ。言葉が好きだ。

人を傷つけるのに、救うところも好きだ。

だけど、小説家になるつもりはなかった。

ある小説に出会った。

衝撃。

こんな小説を書きたいと思った。

でも、書き方がわからない。

だれも、教えてくれない。

とりあえず、

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自作メタフィクション自演 第2話 ひっこし=ソバ

前回までのあらすじ。

喋々(ちょうちょう)=私(地の文)+私+のんびりちゃん=ひとりごと多い!

気になった人は、前回を読もう!

あなたは衝撃の事実を知った。

毎週ショートショートnoteで、丹精こめて書いているキャラクターのひとり、鎌犬(かまいぬ)が同じマンションに住んでいたのだ。

しかも、毎週ショートショートnoteのキャラクターが全員同じマンションに住んでいるという。

なんというご

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自作メタフィクション自演 第1話 私キャラメイク

あなたは、キャラメイクをしなければならない。

「は…?」

キャラメイクとは、ゲームなどにおいて、自身の分身となるキャラクターを作成することである。

「えと…」

数多くのパーツから、気に入るものを選び、キャラクターを作成することは、愛着や世界への没入感を深めることに一役かっている。

「ちょっと待って」

さあ、きみだけのキャラクターを創造しようではないか!

「だから、待てって!」

なん

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【インスタントフィクション】 私にとって、小説とはなんだ

映画は面白い。
アニメも面白い。
漫画だって面白い。
ゲームもなおさら面白い。
動画さえ面白い。

小説は面白い?

小説の面白さとは、なにか?

映画・アニメ・漫画・ゲーム・動画に勝ちうるだけの利点はあるか?

考えろ。

あるはずだ。

あれば、私が小説に拘泥する理由がわかる。

なかった。

ないのに、なぜ、こだわる?

なぜ、書いている。

私が書かずとも、他の面白い小説がある。

その小

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《記事小説》小川未明読書感想文通 7通目

ショコさんからの手紙がくるスピードは、とんでもなく早い。

昨日、手紙を送ったら、明後日には、手紙の返信がくるぐらい早いのだ。

速達で送っていないから、ショコさんは私の近くに住んでいるみたいだ。

もしかすると、どこかで会っているのかもしれない。

ショコさんらしき人が、私にはなしかけてくるのを想像してみる。
きっと、落とし物をひろってくれるに違いない。私はよく落とし物をするから。

よく落とす

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空白小説を自作記事小説「小川未明読書感想文通 1通目」でやってみた。

空白小説を自作記事小説「小川未明読書感想文通 1通目」でやってみた。

みんなのフォトギャラリーよりyossymura_3d様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。手紙を書く男の子。今回の空白小説の登場人物も、こんな感じで手紙を書いているような気がしますね。私は手紙は鉛筆で書くことが多いのですが、このイラストの彼がもっているのは、万年筆のようです。こういう文房具で性格がでるのって、素敵ですよね。私は、お手紙は鉛筆で書かれたものをもらうとうれしいです。あの

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空白小説を自作つぶやき小説「真昼の夜道」(3559日)でやってみた。

空白小説を自作つぶやき小説「真昼の夜道」(3559日)でやってみた。

みんなのフォトギャラリーより、あずき*m様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。枠の内と外で色が違うので、枠の外の世界と枠の内の世界。別々の世界があるというのが、今回の空白小説の内容とマッチしていましたので、使わせていただきました。世界はいっぱいありますが、つくられている最中の物語は、世界が壊れることが日常茶飯事なのでしょうか。そういう空白小説を書きました。メタフィクションですね。

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《記事小説》小川未明読書感想文通 6通目

私は手紙セットにこだわりがある。

たくさんたくさん便箋を書くから、なじみのお店があって、そこで便箋をいっぱい買うのだ。

海ちゃんが便箋一枚の手紙を私に送ってきていたとき、私は返信で便箋を二十枚も送った。

私としては、これで手紙が途切れるなら文通なんてしなくていいやって、傲慢に思っていたのよね。

でも、海ちゃんは律義に手紙を送ってくれて、私はとってもうれしかったの。

小川未明の私は姉さんを

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《記事小説》小川未明読書感想文通 5通目

手紙を書くようになってから、驚いたのは、便箋と封筒が入った手紙セットの多さだ。

可愛さを追求すれば底がないかのように、手紙セットというものは、様々なものがある。

私は最初のうちは、どんなものでもいいと思って一番安くてシンプルな便箋と封筒で送っていたが、ショコさんは可愛らしい封筒と便箋で返信してくるので、私も手紙セットを選んで手紙を書くようになった。

さすがに可愛いすぎるものを買う勇気はないの

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空白小説を自作つぶやき小説「のんびりちゃん」(つぶやき小説2)でやってみた。

空白小説を自作つぶやき小説「のんびりちゃん」(つぶやき小説2)でやってみた。

みんなのフォトギャラリーより鳳花(ouka)様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。森を見つめる一人の赤い服の人。これから冒険が始まりそうな雰囲気で、なんだかちょっとわくわくしました。今回の空白小説は転生・転移はしてませんが異世界モノっぽい雰囲気がありますので、そういうちょっと離れた世界のわくわく感があるイラストだなあとおもいましたね。でも、実際の森に分け入るときは危険がいっぱいなの

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《記事小説》小川未明読書感想文通 4通目

ときどき、文通をしていると海ちゃんがどういう人か、全くわからなくなるときがある。

でも、人ってそういうものよねと納得することもある。

私がわかるのは、海ちゃんは手紙を書くのにかなり時間をかけているのだということくらいだ。

海ちゃんの手紙は、いつもボールペンで書かれている。
そして、書き損じがないのだ。

きっと、海ちゃんは書き損じしないように、手紙の内容を別に考えた用紙を携えて、手紙を書いて

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空白小説を自作つぶやき小説「真昼の夜道」でやってみた。

空白小説を自作つぶやき小説「真昼の夜道」でやってみた。

みんなのフォトギャラリーより、yonaka様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。本がいっぱいですねえ。私としてはこの状況は本棚が足りるかどうかの瀬戸際をすぎたあたりかと思っていますが、たぶん本棚が間に合ってないのでしょうね。本が落ちてきているので。でも、こういう状況になるまで本をいっぱい置いておきたいものです。

自己紹介します。喋々(ちょうちょう)です。小説家修行中の身です。

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《記事小説》小川未明読書感想文通 3通目

ショコさんと文通をするきっかけは、なんだったかは覚えていない。

おたがい、相手を知らないなか文通をしているというのは、なかなかに面白いと思う。

今まで、人とかかわりを持ちたくなかったのに、ショコさんと文通をするようになってから、手紙に書く内容を考える日々だ。

考えるうちに、手紙というものは本当に不思議だと思う。

手紙は格式ばったものであり、厳格なルールがあり、その通りに書かなければならず、

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《記事小説》小川未明読書感想文通 2通目

私の文通相手、海ちゃんは私にとっても甘い。

本が読めない私は、インターネットの情報をうのみにしてしまう。
それが危ないことは重々承知してるのよ。
でも、頼りがそれしかない場合、どうしろっていうの。

気が狂いそうになりながら、いつも暮らしている。

そんな私は文通をしている。
海ちゃんという名前の素性もわからない誰かと文通している。

手紙に文字をしたためるっていう感覚。
なかなかに手間だけれど

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