#47【くらたの本棚】1-1 『ウィキッド』とともに読み解く『オズの魔法使い』(前編)
くらたの本棚とは
くらたが読んだ本についてあれこれと書いてコレクションしていきます。
ペンペン草も生えないも生えないくらいに書く
明かりをつけましょぼんぼりに、今日はひな祭りですね。
夜はちらしずしの予定です。じゅるり。
【くらたの本棚】第一回目は、桃の節句・女の子のお祭りにちなんで、「ピンクの花は緑色の肌に映えるのね」(大意)名台詞でおなじみ、シスターフッドものの金字塔『ウィキッド』つながりで『オズの魔法使い』!
(ちなんで、って言うけど結構遠いですね。)
書いてみたら、第一回目なのに(第一回目だからか?)引用は多いし総字数も多く、「『オズの魔法使い』と『ウィキッド』がどうリンクしているのか、なんてダレトク?」な記事になってしまいました。
でも、残しておきたいのでアップします。
ダレトクだからこそ、ペンペン草も生えないくらいに書く!えい!
なぜ今『オズの魔法使い』か?
劇団四季『ウィキッド』の約10年ぶりの再演
先日も書きましたが、劇団四季『ウィキッド』の約10年ぶりの東京公演が閉幕しました。『ウィキッド』大好きくらたは3回も観に行きました。毎回必ず客席のあちこちから洟をすする音が聞こえてきました。愛されてる~!
『ウィキッド』は『オズの魔法使い』がベースにあるお話です。
『オズの魔法使い』は日本でも広く知られた物語ですが、公式パンフレットによれば、アメリカではその比ではなくもっともよく知られた現代でも人気の高い物語とのこと。『ウィキッド』を観る際に『オズの魔法使い』の知識があったほうが、より深い観劇体験ができることは想像に難くありません。
元図書館児童書担当の視点:翻訳は新しいものを
原作『オズの魔女記』(グレゴリー・マグワイア/著 廣本和枝/訳 大乗出版)は未読ですが、まずは『オズの魔法使い』を読んでおくべきだろうと、近所の図書館で借りました。
古今東西、数ある翻訳の中からくらたが今回読んだのはこちら。
図書館で児童書の担当をしていたとき、「翻訳は新しいものがよいのか、古いものがよいのか」というトピックがありました。
このトピックでよく知られているのは名作『大きな木』(シェル・シルヴァスタイン あすなろ書房)の、ほんだきんいちろう訳と村上春樹訳です。くらたはほんだきんいちろう訳で育ったのでそちらのほうがしっくりきますが、図書館の児童書の担当としては、より新しい翻訳のものを積極的に選書するようにと言われていました。子どものための本の翻訳は、常にその時々の子どもの生活、取り巻く環境に配慮して言葉を選ぶ。とすれば、より新しい翻訳のほうが現在の子どもに伝わりやすいからです。
歴史とは人々が信じた物語のこと……『ウィキッド』とのリンク
『ウィキッド』劇中では、「歴史とは事実そのものではなく人々が信じた物語のこと」という旨のことが語られます。
物語の中の世界だけでなく現実のわれわれの社会にも通じる鋭い指摘ですが、『ウィキッド』と『オズの魔法使い』の関係性においても意味を持つ、三重に意味のある言葉です。
というのも、『ウィキッド』は『オズの魔法使い』と完全につじつまが合うわけではなく、『オズの魔法使い』から少しずれている部分があります。
ベースの物語とのリンクのさせ方としてとても巧みだと思います。
詳しく見ていきたいと思います。
まえがき
「楽しむためだけに」作られた物語
著者のボウムはこの物語について以下のように語っています。
ここで著者は何を訴えたいのだろうなどと詮索せず純粋に物語世界を楽しんでね、ということでしょうか。読者としてはありがたい限りですね。
次回、中身に入っていきます。
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