中産連マネジメント研究所

企業経営に関する調査・研究・診断・指導を行うマネジメント専門団体「一般社団法人中部産業…

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企業経営に関する調査・研究・診断・指導を行うマネジメント専門団体「一般社団法人中部産業連盟」の研究所 中産連ソーシャルメディア運用方針:https://www.chusanren.or.jp/sns_policy/

マガジン

  • カーボンニュートラルをどう実現するか

    カーボンニュートラル達成は、国の宣言(2050年達成)により各企業にとって取り組まざる得ないテーマになりつつあります。 「ものづくり企業ではどのようなことから取り組めばよいか?」 取り組みのヒントになる情報を提供していきたいと思います。

  • 経営課題の解決への糸口を探る

    中産連のコンサルタントやその仲間達が、日々の活動の中で、悩み・考えた事、「お役立ち情報」になるのでは・・と思ったことをまとめていきます!

  • 今後の「ものづくり経営」を考える

    中産連では創立75周年記念事業として、「原点回帰-新たに生み出すもの、変わらず強化するもの-」をテーマに、ものづくり経営トップ向け特別セミナーを開催しています。そのセミナーを中心に記事で紹介します。

  • 研究所の推し講座の紹介

    年間500以上の研修や講座の中から、新しく企画された講座や研究会、進化した研修プログラムを、中産連マネジメント研究所がピックアップして紹介します。

  • 環境法令をビジネスに活かす

    環境法令の遵守は環境マネジメントにおいて中核をなすものです。企業への法令遵守への要求も一層強まってきています。このマガジンでは 環境配慮経営に役立てていただくことを目的として情報提供してきます。

最近の記事

  • 固定された記事

VUCA的な環境に対応するための5つの経営課題とその対応策(前編)

今回の記事は、筆者が所属している一般社団法人中部産業連盟の会報誌『プログレス』(2023年11月号)に掲載された記事を前編・中編・後編の3回に分けてnoteに再掲します。 タイトルにあるとおり、記事のテーマはVUCA的な経営環境における企業の取り組み課題をどう考えるべきか、というものです。『プログレス』という会報誌の性質上、いつもよりも堅い書き方になっていますが、そのまま掲載したいと思います。 今回は全3回のうち、VUCA的状況と企業の経営課題を整理した「前編」を掲載します。

    • GXによる新製品・新サービス開発投資への支援

      1. 省エネによるコストダウンから新製品開発のための設備投資へ省エネ法は、40年以上前に、石油などのエネルギーを効率的に使用することいわゆる(省エネ)を企業に求めるために成立しました。我が国経済が、輸入の大部分を占めていた中東からの石油の高騰に大打撃を受けたからです。その主旨にしたがって、設備投資による省エネを促進するためのいわゆる「省エネ補助金」が、毎年数千億円支出され、企業の省エネ活動を大きく支援してきました。 このように長い間、わが国企業のエネルギー使用効率化に大きく

      • 省エネ法の改正

        今回は、特に省エネ法改正との関係についてお話しします。企業はカーボンニュートラル達成のために、再生可能エネルギー導入を真剣に検討する時期が来ています。 1. CO₂排出量算定まずは、自社のCO₂排出量の算定についてです。企業の敷地内で発生しているCO₂排出量は、日本商工会議所が無料で提供している「CO₂チェックシート」を使用して算出できます。 参照:日本商工会議所「CO₂チェックシート」 自動計算してくれるのでとても便利です。中でも、0.5CO₂-kg/kWhという数

        • VUCA的な環境に対応するための5つの経営課題とその対応策(後編)

          前編、中編に続き、後編を掲載します。 後編では、5つの課題に対応する対策案を体系化し、いくつかの事例を掲載します。 (前編、中編はこちら) 4.課題と対策案の体系化前章までに述べたことを踏まえて、この章では第2章で示した5つの課題について、それぞれの取り組み例を紹介していく。 図表3を見ていただきたい。これは5つの課題に対して企業が取り組むべき活動を例示したものである。 上段の経営方針と事業目的の明確化については、自社のパーパスやミッションを定義し、それを実現するため

        • 固定された記事

        VUCA的な環境に対応するための5つの経営課題とその対応策(前編)

        マガジン

        • カーボンニュートラルをどう実現するか
          12本
        • 経営課題の解決への糸口を探る
          24本
        • 今後の「ものづくり経営」を考える
          3本
        • 研究所の推し講座の紹介
          3本
        • 環境法令をビジネスに活かす
          2本

        記事

          VUCA的な環境に対応するための5つの経営課題とその対応策(中編)

          前編に続き、今回は中編を掲載します。 中編では、5つの経営課題を構造的に理解するための概念図を示し、それぞれの課題を深く検討するための手がかりを提供します。 (前編はこちら) 3.VUCA時代を乗り切る価値創造の仕組みこれら5つの課題はそれぞれを独立した課題として考えるのではなく、相互の関連性を踏まえて体系的に理解する必要がある。それを示したのが図表2である。 この図を説明すると、まず最上位にはパーパスやミッションなど、普遍的価値、社会的価値に関連した項目がある。パーパ

          VUCA的な環境に対応するための5つの経営課題とその対応策(中編)

          新たな価値を生み出す「両利きの経営」のススメ 第2部 新事業創出に向けたアプローチ

          今回も、「新たな価値を生み出す『両利きの経営』のススメ」のご講演をいただいた五藤宏史様にその内容を詳しくご紹介いただきます。 第1部では、「中小企業における両利きの経営」の成功に向けた取り組みのポイントの解説をいただきました。第2部では、「新規事業創出に向けたアプローチ」について解説いただきます。 1.自社の「見えない資産」の把握自社の強みに関する認識とそれに基づく戦略は、企業の大小を問わず、経営の基本となっています。経営資源に制約のある中小企業では、その重要度は特に大きい

          新たな価値を生み出す「両利きの経営」のススメ 第2部 新事業創出に向けたアプローチ

          新たな価値を生み出す「両利きの経営」のススメ 第1部 中小企業における両利きの経営

          『原点回帰-新たに生み出すもの、代わらず強化するもの-』をテーマにした「ものづくり経営トップ向け特別セミナー」の第1弾として「新たな価値を生み出す『両利きの経営』のススメ」を開催しました。 今回は、ご講演をいただいた五藤宏史様にその内容を2部に分けて詳しくご紹介いただきます。 第1部では、「中小企業における両利きの経営」の成功に向けた取り組みのポイントを解説します。 1.両利きの経営とは「右手にカメラ、左手に事務機」 「両利きの経営」という言葉を初めて耳にした時、私の頭に

          新たな価値を生み出す「両利きの経営」のススメ 第1部 中小企業における両利きの経営

          製造業におけるサーキュラーエコノミー

          1 サーキュラーエコノミーとはサーキュラーエコノミー(以下、CE)とは持続可能な形で資源を利用する経済モデルのことです。その原則は「廃棄物と汚染をなくすこと」「製品や原材料を循環させること」「自然を再生させること」の3つです。これは廃棄物の発生を前提としない点において従来のリニアエコノミーと大きく考え方が異なります。 2  製造業におけるCEの実例製造業におけるCEの実例は、「製品設計」「生産活動」「サービス運用」の大きく3つのアプローチに分けることができます。 ① 製品

          製造業におけるサーキュラーエコノミー

          戦略実行力を高めるための教育制度を構築する

          人材あってこその戦略コンサルタントとして企業のお手伝いをしていると、プロジェクトの支援だけでなく人材育成のお手伝いをする機会も多くあります。プロジェクトの中でプロジェクト・メンバーに会合の事前準備の方法や関係者への案内の方法などについて助言を提供することもありますが、通常、人材育成の支援は教育(つまり、研修)という形態で行います。 企業から依頼を受けて実施するということもありますが、多くの場合、プロジェクトの進め方や関係者の反応などを見て、私から「〇〇について、階層別研修

          戦略実行力を高めるための教育制度を構築する

          2040年、企業は将来の人材不足にどう対応するか?「異業種交流会」発表のまとめ

          将来の人材不足に対する「異業種交流会」を実施中部産業連盟は今年設立75周年を迎え、企業が不安を抱える社会的課題を取り上げた「異業種交流会」を開催しました。 テーマは「2040年、将来の人材不足にどう対応するか?」という未来志向の内容です。趣旨に賛同頂いた中部の企業5社で夏以降3回の会合を実施し、中長期的な人材不足の課題と対策について議論を進めました。内容は採用強化、社員定着から業務効率化や自動化、リスキリングなど多岐に亘りました。 参加5社からの発表去る11月21日の発表会

          2040年、企業は将来の人材不足にどう対応するか?「異業種交流会」発表のまとめ

          排出量取引制度の比較分析:キャップ&トレードとベースライン&クレジットの特徴 ~日本と欧州におけるカーボンクレジット価格比~

          1.日本国内における排出量取引制度について日本政府は排出量取引制度における知見・経験の蓄積と事業者の自主的な削減努力の支援を目的に、平成17年に環境省主導による自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)を導入し、試験的運用を試みてきました。 その後、国内排出削減・吸収プロジェクトにより実現された温室効果ガスの排出削減・吸収を促進するためのオフセット・クレジット(J-VER)や先進対策の効率的実施によるCO₂排出量大幅削減事業(ASSET事業)、工場・事業場における先導的な脱

          排出量取引制度の比較分析:キャップ&トレードとベースライン&クレジットの特徴 ~日本と欧州におけるカーボンクレジット価格比~

          環境価値(クレジット・証書)の概要

          1. カーボン・クレジットの定義「カーボン・クレジット」は、「ベースライン&クレジット制度」と「キャップ&トレード制度」とに大別されます。 「ベースライン&クレジット制度」とは、ボイラーの更新や太陽光発電設備の導入等のプロジェクトを対象に、それらが実施されなかった場合の排出量及び炭素吸収・炭素除去量(以下「排出量等」という。)の見通し(ベースライン排出量等)と実際の排出量等 (プロジェクト排出量等)の差分について、MRV(測定・報告・検証)を経て、国や企業等の間で 取引でき

          環境価値(クレジット・証書)の概要

          SBT(Science Based Targets)の概況および新ガイダンス

          1. SBT(Science Based Targets)とはSBT(Science Based Targets)とは「科学的根拠にもとづく目標設定」と呼ばれており、パリ協定が求める水準と整合した、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のことです。 SBT認定を取得・コミットする企業・団体は、世界全体で年々増加し、国別では82カ国から6,380社が参加、3,730社が認定されています。日本では参加企業677社、認定企業601社、うち中小企業435社となっています(20

          SBT(Science Based Targets)の概況および新ガイダンス

          中小ものづくり経営支援の道標「日本経営管理標準」JMS

          はじめに中部産業連盟の創立75周年を迎える今年は、JMS推進機構にとってもその萌芽から25年ということになります。 創立50周年、産業界の有識者により期待する事業についてご意見を頂いた未来事業審議会において、「“グローバルスタンダード”に対して、中部独自の“ものづくり”をベースに蓄積された“経営管理技術”を確立すべし」、との提案を受け、その後関係各位のご尽力に支えられ、今日に至りました。 「四半世紀」という歳月の重みを実感します。 この間、ものづくりを巡る国内外の状況は様

          中小ものづくり経営支援の道標「日本経営管理標準」JMS

          2040年、企業は将来の人材不足にどう対応するか? 11月21日に提言発表

          9月の敬老の日には恒例の祝賀行事に合わせ、高齢者が社会で活躍するニュースが今年も多数発表されました。健康寿命が70歳を大きく超え、シニアの働く環境も整備されたのでそうした活躍はもはや不思議ではありません。 筆者はコンサルタントとして企業の定年制度延長の支援も手がけており、少なからず感慨もあります。一方で多様な子育て支援策も虚しく、一度下がった日本の出生率はなかなか上向かず、出生数は昨年、過去最低の80万人を割りました。 「少子高齢化」がこれ以上進むとどんな社会になるか、不

          2040年、企業は将来の人材不足にどう対応するか? 11月21日に提言発表

          工場の二酸化炭素排出量の見える化

          1.二酸化炭素排出量の見える化のニーズとライフサイクルアセスメント地球温暖化に対する関心の高まりや、親事業者からの要望を受けて、自社工場の二酸化炭素排出量を見える化したいという問い合わせが増えています。 ライフサイクルアセスメント(LCA)とは、製品やサービスのCO2排出量等を算定し、環境負荷を評価する手法です。LCAを実施する上で、工場の各生産工程における消費エネルギーの算定が必要となってきます。 始めは何をどうしたらいいか分からないですが、自社で消費しているエネルギー

          工場の二酸化炭素排出量の見える化