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2021年8月の記事一覧

【詩】目を見て

【詩】目を見て

僕の目を見て

そう言うよ

君の瞳の奥に

今も僕が映っているのか

知ってしまうのが

ひどく怖いけれど

それでも言うよ

僕の目を見て



ちょびっとの悲劇(25日目)

【詩】好きなのかな

【詩】好きなのかな

君のこと

好きなのかな

思い出すんだ 君の言葉

思い出すんだ 君の笑顔

思い出して 優しくなるんだ

思い出して 苦しくなるんだ

君のこと

ずっとずっと

好きなのかな

ちょびっとの悲劇

【詩】ほら

【詩】ほら

ほら

信号は青だよ

自分に言い聞かせて

動いてくれない足を見つめる

ほら

急がないと

点滅してから赤が点いて

心のなにかが胸をなでる

どうして

進める道から目をそらして

進めない方を見て嘆いてばかりいるの

ちょびっとの悲劇

【詩】足踏み

【詩】足踏み

足踏みをしている

進みたくて

進めなくて

会いたくて

会えなくて

その足音が遠ざかってゆくのに

この場所でいつまでも

足踏みをしている

ちょびっとの悲劇(28日目)

【詩】雲と風

【詩】雲と風

一見自由な雲だって

その流れる先も

その形作った丸みも

時に優しく

時に厳しい風があるから

そんな風になりたいんだ

君を包むことのできるそんな存在に

ちょびっとの悲劇(29日目)

【詩】たとえば僕がもぐらなら

【詩】たとえば僕がもぐらなら

たとえば僕がもぐらなら

君は空を駆け回る鳥で

もしも声が聞こえても

一目見たいと願っても

見上げる事も叶わない

あなたは今も空の中を

くるりくるり回っているのかな

またそのさえずりが聞こえた気がした

ちょびっとの悲劇(30日目)

【詩】振り返ったって

【詩】振り返ったって

何度振り返ったって

君がついてきてくれないのはわかっている

それでも振り返って

君の姿をずっと探してる

そんなことしていても

後ろ向きな自分のままなのに

いろんなことに気付きながら

今も君を探してる

ちょびっとの悲劇(31日目)

【詩】好きでしょうか

【詩】好きでしょうか

誰かを好きになるって

どういうことだろう

その人を想って

嬉しくなること?

その人を考えて

苦しくなること?

その人に愛していると

伝えるのが怖くなること?

僕は君を好きでしょうか

ちょびっとの悲劇

【詩】八角形の影

【詩】八角形の影

八角形の影の下

あの頃の僕らは寄り添っていられた

影を失って

雨に髪を濡らした今も

君の優しさとぬくもりが微かに残って

僕の心も雨に濡らす

ちょびっとの悲劇(33日目)

【詩】口づけ

【詩】口づけ

お互いの心がそっと触れ合うような口づけを

そんな優しさを求めてる

お互いの心が明日を見れるような口づけを

二人を引き離す一瞬の

消え入りそうな口づけを

ちょびっとの悲劇(34日目)

【詩】想い描く

【詩】想い描く

おっきなおっきな星空に

想いをひとつ静かに描く

まあるいまあるいキレイな

白く朗らかで小さな円

優しく優しく僕らへ

いつも降り注いでいるような

そういうひとつでありたいな

君を見つめるあの月みたいに

ちょびっとの悲劇

【詩】飛んでゆこう

【詩】飛んでゆこう

ふわり

髪をなびかせるやわらかい風

そんな心地良い朝に僕らは生まれた

この風の中 この空の下を飛ぶために

命という重い枷をつけて

小さな体ではばたいて

僕はどこまでゆけるかな

この詩が僕の向かう先に届いているなら

広い青空 笑って飛んでゆこう

ちょびっとの悲劇

【詩】夜空いっぱいに咲く

【詩】夜空いっぱいに咲く

僕の想いが夜空いっぱいに咲く

まるでそんな大輪

自分じゃ表すことができないから

これを君に見せたいんだ

僕の気持ちが星より光って咲く

例えほんの少しでも

そして輝き失いながらちりぢりに

舞い落ちるだけだとしても

君のその胸に

僕と見た夜空の花が

いつまでも残りますようにと

ちょびっとの悲劇(37日目)

【詩】君に触れた手が

【詩】君に触れた手が

君に触れた手が

あつくなった

指が強張って

もう二度と

触れなくなりそうで

君に接した心が

苦しくなった

おだやかさが

混じりながらでも

やっぱり胸が詰まるよ

ちょびっとの悲劇(38日目)