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bush valley lab

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富山県西部の山間部でのリノベ改修までの記録です。
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27|あるもので遊ぶ 蓬染めと藤蔓編み

味噌を仕込もうとか、スイカ割りしようとか、里に集まって一緒に遊ぶ子たちがいる。かわちゃんという一回り下の女の子と私で企画して、集まれる人が集まって遊ぶ。先生はいない、とりあえずやってみようの会。

5月には蓬の会をした。春といえば蓬。蓬はそこらじゅうに生えている。ほんとうは、蓬を摘んで、草餅をつくって、お昼には蓬のジェノベーゼやたんぽぽのサラダ、野草の炒め物をつくって食べて、蓬で草木染をする蓬フェ

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26|全ての建材はどこかからやってきた

排水システムが傾斜土槽法に決まったところで、水周りの設計図面提出日まであと10日のタイミングになっていた。わあ。

図面は夫にお任せだが、それまでに床や壁の素材やら照明やら水栓やらも決めないといけない。全然決まってない。そもそも、お風呂ならお風呂、脱衣所なら脱衣所が、どれだけの要素で成り立っていて、何をどこから選べばいいのかも、わかってない。

わかろう。ということで、洗い出していく。

たとえば

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25|穴掘り、傾斜土槽法、壁壊し

GWには庭に深さ60cmの穴も掘った。60cmも掘れるかしら、と思ったが、途中何度も石にぶつかりながらも掘れた。清々しい気分になった。

掘っていくと色の違う層がみえてきて、いつも立っている場所の、地下のことは何も知らなかったと思った。毎日、知らなかったことさえ知らなかった新しい何かと出会っている気がする。

なぜ土を掘ったかというと、土壌浸透調査のためだ。業者の人が緊急事態宣言下で都内から出られ

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24|コンポストトイレに決めた

大野からの帰り道、道の駅で山葵とコシアブラを買った。四方を山に囲まれた、山オブ山。しんとした清廉な、みずみずしい空気。

自然の景観も人がつくる景観も山のもので、こんなにはっきり違うんだっておもしろいくらいに、富山と家が違う。

勾配の低い屋根は、雪を落とさない発想かな。玄関が部屋のラインよりも奥まっていて、玄関前にぽっかり風除室のような空間がある。しっかり梁が渡してあって、ぐうんと曲がった木その

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23|排水と水を巡る白山水系の旅 大野

エコロンシステムの見学で、GWに福井の大野へ行った。

エコロンシステムも、仕組みは毛管浸潤トレンチと似ている。どちらも土中に、まず汚水をためる沈殿槽があり、その先に微生物繁殖資材があり、上に土をかぶせて、表面には植物。全ての層にいる生き物が汚物を浄化(分解)してくれて、さらに分解された養分を含む土が植物を育てるという、その場に循環をつくりだしてくれる装置。

毛管浸潤トレンチは、沈殿槽と繁殖層を

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22|コンポストトイレと毛管浸潤トレンチ

うかうかしているうちに、家の取得日から一年が経とうとしている。市と県の移住者向けリフォーム補助金に取得から1年の縛りがあるため、ここにきて急に、5月半ばまでに水回りの工事を発注、6月末までに完了というスケジュールが明確になった。

目に見えるデザインや素材と同時に、排水の配管も決めないといけない。つまりそれまでに、屎尿と雑排水の処理システムを決めないといけない。

トイレは、コンポストトイレが優勢

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21|在るものからはじまる

家の設計が進んできた。図面を書いてくれているのは夫の研究室のK君。

私は施主、夫は施主であり建築事務所、K君はその事務所の担当所員、というイメージの立ち位置で、3人での打ち合わせと、夫からの指導とを踏まえながら、K君からの提案もあって、強く誰が主導、というのではなく、話し合いながら、良い具合にまとまっていっている。

3月20日の初回提案から、打ち合わせ6回くらいで4月15日に基本設計が終了。間

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20|卵かけご飯は料理である

たまに学生を呼んで食事会をする。人を呼ぶときはたくさん料理をつくるので(これまた学生がびっくりするほど食べる)、「毎日こんな料理が食べられていいですね」と言ってもらえたりするが、普段はそんなふうにはつくらない。

最近は、平日は味噌汁と納豆とか、味噌汁と卵かけご飯とか、朝ごはんみたいな夕飯が多い。

それは、まったくもって手抜きではないと、確信している。

きっかけは、子供にご飯を食べさせるのに苦

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19|うんちの行方

「これもうくさくない?」畳んである洗濯物のパンツをさして娘が言う。

「手であらってくれたやつ」

ああ、よく覚えているね。前におもらしして、うんちまみれになったやつだね。

子供が生まれて以来、うんちフレンドリーな生活を送っている。娘の体から出てきた便りは毎回確認するし、どうしようもなく手についてしまったものを洗ったり、ただただ水に流していた時代よりも、多少のうんち耐性はついている。家庭内でのう

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18|モダニズムとか民藝とか、富山の家は揃っている

住宅街を車で走っていたら、前川國男の自邸のような家があった。とても格好良かった。中から知り合いが出てきて、庭の端につくられた鶏小屋のニワトリに餌をあげはじめた。前川國男の家みたいで格好いいですね、と話しかけると、パクりました、と笑っていた。こんな住宅街でもニワトリって飼えるんだなあと思った。

「民藝ってモダニズムじゃないの。機能的なものは美しい」

その後、昼ご飯を食べながら夫が言う。コルビジェ

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17|ポキポキの杉

家の近くの山の杉が、ポキポキ折れている。折れたところからクリーム色の木肌がのぞいていて、遠くからも折れていることがわかる。一箇所ではなくて、道すがらずうっと、ものすごいスケールで、折れている。

年始に降った大雪で、雪の重みに耐えられずに折れたらしい。海に近い里山だから、これまであまり雪が降ることがなくて、雪に慣れていないのが直接の理由。根本には、間伐すべきものがされていないから、ちょっとした負荷

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٩( ᐛ )و٩

16|繋がり直し

家の改修の方向性として、なんとなく考えていること。 

つくりたい形ではなく、エネルギー効率や使いやすさなど用いるところから生まれてくる形を重視する。

土地の素材を使う。

特別ではない、他の人でも真似しやすいやり方、ものを使う。

できるところは自分たちも手を動かす。

リノベーションは元の家やそれをつくった人とつながる方法論でもある。

黒瓦や外壁の漆喰など、使えるものはそのまま使う。

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15|じゃんけんの家

人の、自然を利用対象としかみない態度は、現代社会の諸問題、ジェンダーや差別や貧困の問題にも繋がっていると思う。

テレビから「女性の社会進出により」という言葉がきこえてくる。女性の社会進出…

「進出」してくる前の女性はどこにいたんだろう。家かな。ということは、家で行われてきたこと、家事や育児、生活は社会の外側にあるのだ。生まれてくることが、社会の外側にある。これは由々しき事態ではないか。

人の

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14|漆器は神様、お味噌汁は仏様

先日、漆掻きをしている漆芸家の話をきいた。

漆というのは、ウルシノキが傷口を保護するために発出する、かさぶたになる液体だという。人は人為的に木を傷つけて、その傷口から漆を掻きとる。全部とりきってしまうと枯れるので、枯れないように、かつ6月から11月のシーズン中、ずうっと漆が出続けるように、それぞれの木の個性に合わせた掻きかたをするのが、漆掻きの技なのだという。

漆掻きを終えた冬、ウルシノキは倒

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