ヤンゴンのぽっぽや。
緑の手旗信号をみている。もうすぐ、電車がやって来る。
巻きスカートのようなロンジ―を身にまとった係員が線路の真ん中で大きく合図を送っている。どこにあったのか、いつの間にか赤と白に塗られた竹竿の踏切がかかっている。ヤンゴンの鉄道員(ぽっぽや)が自ら運んできたのだ。車が徐々に列を作り始めた。踏切といえばカンカンという音と共に上から降りてくるもの、赤いランプが点滅して黄色と黒という常識がことごとく覆される。やがて、パオーンという汽笛を鳴らし、白地にオレンジと緑のラインの入った電車が