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選手が街にやって来た。

ミャンマーの蹴球といえばチンロンである。竹で編んだボールでバトミントンくらいの高さのネットを挟み得点を競う、サッカーとバレーを合わせたような伝統的な競技だ。オーバーヘッドのアクロバティックなシュートとともに歓声があがる風景を街でみかける。 元英国領であるミャンマーはサッカーも人気が高く、かつてアーセナルを買おうとしたことがあるとまことしやかにウワサされるほどだ。(さすがに英国がことわったという。) そのような街へ、W杯の日本代表選手がやって来た。街の声はさまざまだ。揺れる気

    • ミャンマーの新年を迎えて

      水祭り正月が明け、ミャンマーにも新年度がやって来た。 エルニーニョだか、ラニーニャだか、サンバカーニバルだかがやって来て、アタマの中は「暑」の文字でいっぱいだ。 「外へ出ないでくださいね。」 お寿司屋さんの大将が流ちょうな日本語でいう。その通り。日本への一時帰国前に体調を崩しては大変。食べるものもたべられない。それに加えて今回はいろいろな更新が控えている。その一つは運転免許証。海外駐在中の更新をネットで調べてみたが、いまいちよくわからない。そこで、電話をしてみた。 「そ

      • イチゴはすっぱいか?

        新春から、苺ばかり食べていた。 それにしても高い。1パック980円とは、ケーキ以上ではないか。私の記憶では398円で止まっている。ブランドではなく、普通のものでよいのだが、燦然と輝くイチゴは一段で680円、もはやお得なのかもわからない。 けれども、一時帰国のご褒美として買う。 冷蔵庫を開けたらつやつやしたイチゴが並んでいる喜び。あー幸せ!今年一年よくがんばった。 手土産にもイチゴをもっていく。 「食べたかったんだー。」とほころぶ顔たち。日本に住んでいたら、こんなに高い

        • 椰子の木、そよぐ。

          とうとう、この日がやって来た。 ミャンマー初の社員旅行である。早朝4時台にタクシーがつかまるかわからず、バス停近くに前泊するという念の入れようである。 レセプションの方に入口を開けてもらうと、ぐっすり眠っている野良犬をふまないように、そうっと外へ出た。11月の空はまだ暗くて、星が瞬いている。 痛烈に、後悔がおそってきた。 もし皆に何かあったとき、責任がとれるだろうか。延期すべきだったのではないか・・ しかし、ホワイトボードには真っ赤な文字で、グエンサウンビーチ!!と記

        選手が街にやって来た。

          仏像アドベンチャー

          なんとなく、アニミズムである。 天然痘や災害が相次ぐ時代に、動物や植物、生きとし生けるもの全てが幸せに暮らせる社会を実現したいと大仏さまを造ろうと呼びかけた東大寺の立て看板をみて、聖武天皇と気が合いそうと思ったくらいだ。 ひょんなことから、仏像を購入することになった。 一周年を迎え、スタッフ一人ひとりに改善点をきいてみた。部署間の連携など色々出て来ると思ったのだが、あげられたのは次の二つであった。 仏像を安置してほしい。 お坊さんをお招きして、一周年のご祈祷をしたほうが

          仏像アドベンチャー

          僕らが旅にでる理由。

          今日も一日、無事終わった。 夕焼けの中、歩いているとはな歌がついて来る。いつからミャンマー風になってしまったのだろう。 ミャンマーの人は箒ではいていても、ちょっとした隙間によくはな歌を歌っている。それも高らかにだ。楽しそうだなぁーと思っていたが、いつの間にか自分もその文化に染まっていた。熱唱しないよう気をつけよう。 サービス向上として、朝礼で日緬のあいさつを向かい合って唱和することにした。 昭和っぽいが、今のミャンマーに求められているのは 『三丁目の夕日』 のようなものな

          僕らが旅にでる理由。

          YGNにおいでよ。

          BKKへいってきた。 陣中見舞として友人がやって来てくれたのだ。川風に吹かれて三島由紀夫の暁の寺のサンセットを眺める。何もいわなくても通じる相手はありがたい。本来ならヤンゴンに来るはずであったが周りに心配されてタイで会うこととなった。世界中の観光客で賑わうバンコクは大都会。コップンカーと笑顔もまたたく間に消えてしまう。トゥクトゥクが煙をはいて縦横無尽に走る。 深夜便でヤンゴンに戻ると緑深く静かな街にホッとした。 ヤンゴンは京都に似ている。中央に大きな湖があり、その東西南北で

          YGNにおいでよ。

          パダウが咲いたよ。

          ひと雨来たらといったら、瞬く間に雨季がやって来た。しとしと降る紫陽花の季節とちがい、ミャンマーの雨は激しい。川のような道をどう渡ろうか、と考える季節がやってきたのだ。 輪番停電が一日1回になりました。 わーい!と手を叩いてよろこぶ姿にスタッフはほほえんでいる。乾季には一日4-5回あった停電が1回に減ったのだ。(まだあるが)それで喜ぶようになるとはずい分ミャンマーに慣らされたものだ。 来週で立ち上げから一周年になる。 ミャンマーの新年をつげる花にパダウがある。4月の水祭り正

          パダウが咲いたよ。

          マンゴーの季節がやって来た。

          もみじに桜、新緑と、日本には四季折々の風景がある。ここ常夏のミャンマーでは、フルーツで季節の移り変わりを知る。アボガド、苺、ドリアンときて、とうとう、マンゴーの季節がやって来た。乾季もピークを迎える5月、満を持しての登場である。市場には、香り高い黄色い山が広がっている。マンゴーの品種はおよそ80種ほどあるらしく、それぞれ味や大きさも微妙に異なっている。その中でもクイーン of クイーンは、一粒のダイヤモンドと呼ばれるセインタロンだ。 3年ぶりに日本へ一時帰国された方が顔をほ

          マンゴーの季節がやって来た。

          ヤンゴンのぽっぽや。

          緑の手旗信号をみている。もうすぐ、電車がやって来る。 巻きスカートのようなロンジ―を身にまとった係員が線路の真ん中で大きく合図を送っている。どこにあったのか、いつの間にか赤と白に塗られた竹竿の踏切がかかっている。ヤンゴンの鉄道員(ぽっぽや)が自ら運んできたのだ。車が徐々に列を作り始めた。踏切といえばカンカンという音と共に上から降りてくるもの、赤いランプが点滅して黄色と黒という常識がことごとく覆される。やがて、パオーンという汽笛を鳴らし、白地にオレンジと緑のラインの入った電車が

          ヤンゴンのぽっぽや。

          パンケーキから見えるもの。

           パンケーキに目がない。泡のようにとけるスフレパンケーキ、カラフルなハワイアンと色々あるが、日曜の朝、甘い香りと共にひっくり返すまであと10つと浮かんでは消える気泡を数えていたホットケーキに勝るものはない。  ベイモンとよばれるミャンマーの米粉パンケーキは、黒ゴマとココナッツが入っていて食感もよく、もちもちとして食べ応えがある。焙煎の薫りにひかれて入ったカフェで炭火焼のフライパンをみかけ、メイプル、ナッツ、タマゴ入りをそれぞれ人数分にカットしてもらった。 「報告があります。」

          パンケーキから見えるもの。

          新春ヤンゴン街歩き

          2023年がやって来た。 ミャンマーは水祭り正月が4月にあるため、1月2日から平常運転のところも多い。年末年始の修繕がおわり街へ。前から気になっていたショップがあるのだ。ミャンマー語で Beautiful Day という名のそのお店は全国各地の民族の織物を洋服や素敵なインテリアにアレンジしている。日本に結城紬や八重山上布があるように、ミャンマーにも土地ごとにその風土にあった織物がある。木製の階段を上がると、別世界が広がっていた。 https://peopleinneed.d

          新春ヤンゴン街歩き

          ヤンゴン37th通り

          子どもの時分、メアリーポピンズをくりかえし読んだ。映画と違い、小説の中のメアリーはすぐ鼻をならして不機嫌になる。けれどもジェーンとマイケルと共に繰り広げられる世界はふしぎに満ちていて、一緒に春をつくったり、桜町通り17番地はいつも魅力に溢れていた。本日はヤンゴン37番通りのお話し。 12月は外国人登録証(FRC)の更新シーズンだ。11月30日が一年の区切りとなるため12月に一斉更新となる。1月以降も可能だが申請費用が倍になるので要注意。以前、申請いただいた方に時期と方法を教

          ヤンゴン37th通り

          アボガドは果物です。

          暑い。ヤンゴンにも素敵なクリスマスソングが流れているが、ストールに首をすくめるような寒さがないといまいちピンとこない。 南半球のサーフィンをしているサンタはかわいらしいが、マライア・キャリーが流れていても All I want はうちわだ。プールが恋しい。 スタッフが袋いっぱいのボールのようなものをかかえてやって来た。 朝市でも寄って来たのだろうか。昼下がりに、マグカップが届いた。 「アボガド・ジュースです。どうぞお召し上がりください。」 ジュース??スムージーのことか。マ

          アボガドは果物です。

          ひまわりの種とペンタクー

          西欧では昨日も今日も月は月だが、日本では今日の月と明日の月は別もの。十五夜、十三夜と名付け、今宵の月を愛でるのだとかつて紹介した雑誌があった。ここミャンマーでは、満月ごとにお祭りがあり祝日となる。 11月はダザウンモン祭り。黄金に輝くシュエタゴンパゴダでは、夜通しお坊さんの袈裟を機織りして競うコンペティションが催されるという。 「ペンタクー、しましょうよ!」 スタッフがやって来た。ペンタクーとは何ぞやと訊ねると、あのですね、ホワレ、〇※△〇※△ 〇※△??楽しそうに説明する

          ひまわりの種とペンタクー

          珈琲にライム

          アパートを契約した。デポジットを払うとオーナーは、「お茶はいかがですか。コーヒーと紅茶、どちらにしますか?」といった。コーヒーをお願いすると、小さなデミタスカップに半分のライムが添えられてきた。 ん?? 私が頼んだのは紅茶ではなく、珈琲ですけど。こちらでは、コーヒーにライムを絞って飲むのです。おいしいですよ、お試しあれとウインクされるも、瑞々しいライムは大さじ1杯分はありそうだ。せっかくの味が台無しになるのではないか・・と思いながら絞ってみると、これがおいしい。キリマンジ

          珈琲にライム