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アボガドは果物です。

暑い。ヤンゴンにも素敵なクリスマスソングが流れているが、ストールに首をすくめるような寒さがないといまいちピンとこない。
南半球のサーフィンをしているサンタはかわいらしいが、マライア・キャリーが流れていても All I want はうちわだ。プールが恋しい。

スタッフが袋いっぱいのボールのようなものをかかえてやって来た。
朝市でも寄って来たのだろうか。昼下がりに、マグカップが届いた。
「アボガド・ジュースです。どうぞお召し上がりください。」
ジュース??スムージーのことか。マグカップには緑色の液体が入っている。うすうすとは気づいていたが、ミャンマーの人はドリアンと同じくらい、アボガド好きだ。ドリアン食べます?にどう応えるかは、友好の踏み絵のような気すらする。そんなことを思い出しながらそうっとすすってみるとクリーミーでほんのり甘い。美味しい・・かもしれない。ジュースというカテゴリーとは一致しないが。お礼にダイニングをのぞくと、大きなボールにミルクシェーキのように皆で作り上げた跡がみられる。あちこちにアボガドが飛んでいるが満足そうだ。

○○さんはマンダレー、△△さんはシャン州、◎◎さんはヤカイン州、
新しく入る仲間は、エイヤワディー出身。
「もう少しで、ミャンマー全てが揃いますね!」スタッフが笑顔でいう。
ミャンマーは、わずか5千万人ほどの人口に、中国、インドに次ぐ世界第三位 135以上の民族がタペストリーのように暮らしている。それぞれ織りなす文化や風習、言語も異なっている。偶然にも、事務所は7州7管区がほぼ揃うラインナップとなった。

帰りに、アボガドの仕掛け人にお礼を伝える。新しい仲間の歓迎として、遠くからたくさんのアボガドを運んで来てくれたのだ。
どうやって作ったの?エヴァミルクとコンデンスミルクを使います。ふーん。日本では、アボガドはわさび醤油でおかずとして食べるのよ。
「アボガドは、くだものです。」彼女はいった。

私たちは、ひとり一人ちがう。育った環境も、話す言葉も信条も、そして物ごとの受け止め方も。それでも、一つのベクトルに向かえば、チームになれるのだ。

追い風が吹いて来たようです。
日本へ週の報告を送ると次のような返信が届いた。
追い風はだれかが吹かせているものですよ。
スタッフ達も知らないだれかに見守られながら、今日も喧々諤々がはじまる。


蝶々がとまった アボガド・ドーナッツ。



Driving home for Christmas ~


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