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人生で一番感謝した日

私たち夫婦は買いたいマンションを見つけたことをきっかけに、
バタバタと両家挨拶をすませ、急いで結婚をした


次に考えたのが結婚式をするかどうか ということ


コロナもあり、結婚式をしない という選択肢が出てきた
個人的には準備が大変そうだし、やらなくてもいいかなあ
多くの人を呼んで、自分が主役になるのって緊張してしまいそう
あまり楽しめる自信がない。でも、ドレスは着てみたい
かなり迷っていた


夫は二人の思い出として、親族だけでいいのでやりたい
わたしのドレス姿も見たい と言ってくれた


確かに、コロナで結婚式を少人数で行うパターンも増えてきた
親族だけであれば緊張しないで済みそうだ
急に結婚を決めたので、この機会に親族にお披露目をし、親へ今までのありがとうを伝える場として、式を行おうと思った


そうと決まればすぐ行動
1カ月で7か所もの式場見学を行った
(一生に一度だと思ったら納得できる場所でやりたいと思って・・・)


私たちが申し込んだ式場見学は1つにつき3,4時間と長丁場
試食で喜び最後の方はボケーっと説明を聞いているわたし
夫は毎回スマホにしっかりメモし、
慣れてくるとうまいところをついた質問までしていた


そして決めたのが明治神宮で挙式、明治記念館で披露宴という流れ。
実はずっと気になっていて、友人の式でも行ったことがなく、
見学をしてみるとやはりここで思い出を作りたい と感じた場所であった


契約をして日取り決め、親族だけ、20人弱のささやかな会なので
準備もほとんど必要ない
白無垢もドレスもすんなり決まり、プランナーさんとの打ち合わせも数回で終了。こちらも毎回夫がメモを取り、次回までにやることなどをまとめてくれていた


そして当日。2022年2月。快晴。
早起きして明治神宮で白無垢の着付けをしてもらう
準備ができると、紋付袴の着付けを済ませた夫が待っていた
うん!似合ってる!!
なんだか楽しくてにやにやしてしまう


わたしは特別なイベントごとではいつも緊張してしまうのだけど
この日は全く緊張しなかった
なんだか幸せでしょうがなかった


外に出て、2人で写真を撮ってもらう
家族・親族が続々と集まる
私たち夫婦以外の参加者は皆他県からかけつけてきてくれた
しかも平日。親世代なので比較的高齢。
当時コロナも気になる中、自分たちのために集まってくれたと思うと
本当にありがたかった
1度しか会ったことがない夫の親族も
「かわいいね」「綺麗だね」たくさん声をかけてくれた

明治神宮の挙式は本殿まで参進を行う
神職・巫女を先頭に2列に並び、神殿前の広い本殿まで進む
(所謂花嫁行列)
夫婦で並び、希望をして母に手を添えてもらい、3人横並びで進んだ
教会式では通常お母さんがベールダウンを行うが、
神前式の場合それがないのでこの役をやってもらった
快晴のまぶしい太陽を感じながら、ゆっくりゆっくり進んだ

無事挙式を終え、集合写真を撮り、
わたしたち夫婦は専用のクラシックな車で明治記念館へ向かった


会場は憲法記念館として東京都指定有形文化財に指定されている本館にある「エミールの間」
明るいけれど品があり落ち着いた雰囲気、
参加人数に対してちょうど良い広さ
たくさん見学をした中で「ここだ!」と思った場所だった


入場すると、呼んだ家族親族のほかに
リモートで私の祖父母が参加してくれていた。
コロナは関係なく、もう90を過ぎているため、
東京まで移動することが物理的に難しかったのだ
もう散歩にもあまり行かないくらい。
祖母に至っては認知症の症状も出てきている
それでも、その日の祖父はYシャツにジャケットを着て、
祖母は胸元にコサージュをつけていた。
夫と結婚の報告をしに行ったとき
「(わたしのこと)をよろしく頼むね」
と言ってくれたことを思い出した


披露宴が始まり、皆が自分たちの方を向いているとやはり少し緊張した
そのとき、司会者さんが読み上げる電報をどれにするか相談にきてくれた
電報というと、会社の社長や上司から、自分の働いている会社なら皆が送られている定型文のものだ。
しかも対応してくれたのは後輩だ。知っている
正直なんでもいいやと思った
しかし、司会者さんが持ってきた電報はそれだけではなかった
大学の仲良しグループ、会社の入社からの仲良しメンバー、大学のサークルメンバーからだった。
会場の端の方をみると、急遽スタッフの方が用意してくれた台があり、
大きな風船やお花が置かれていた


式の日取りはほんの一部の友人へ聞かれた時だけ伝えていた
その友人が私とかかわるグループに連絡をしてくれて
個人でなく皆で手配をしてくれたのだ
開始間もないのに、嬉しくて泣いてしまった


夫のあいさつなども無事に終わり、お色直しの時間
白無垢からドレスに着替える
クラシカルなデザインで会場と合っているところが気に入ったドレス。
着替えると父が待っていた


これも教会式と違い、チャペルのように父と歩むような場面がないため、
お色直しの入場は父と行うことにしたのだった


明治記念館は中庭があり、1階のいくつかの会場は中庭から入場ができるようになっている
先に燕尾服に着替えた夫が会場に入り、カーテンが閉められる
再びカーテンが開くと、中庭の真ん中に私と父がいて、進んでくるという流れ
父とゆっくりゆっくり進む
なんだかちょっと照れくさくて、まぶしいねーとか、ドレスで歩くの大変!とかおしゃべりしながら向かう
入り口に到着しお辞儀をする。
顔を上げると、みんな泣いていた。

中へ入り父とともに、夫の待つ高砂の近くへ向かう
父が私の手を持ち、夫に渡す。
「よろしくお願いします」
父の一言で、涙が一気に出た
すでに入籍していたが、今日、わたしたちは二人で巣立つんだ。
そう思った


親族だけでもケーキカットはせっかくだからしてみようとなり
ケーキカット、ファーストバイトを行った。思ったより楽しかった
その後各テーブルを回って写真を撮る
来てくれた感謝を伝える
夫の祖母は高齢ながら長い時間車に乗ってきてくれた
歩くときは杖を使うし、当日の移動は車いすをつかっていた
私は孫の嫁にあたるので、遠い存在なのだけど
来てくれたことがすごくすごく嬉しかった


披露宴も終盤、両親へ手紙を読む時間
冒頭からヒックヒック泣いてしまった
呼んだ時の記憶がほとんどない
ただ、考えに考えぬいて書いた手紙
感謝の気持ちをちゃんと伝えられたと思う

うるうるしながら手紙と花束を両親へ渡し、挨拶を終え式はお開き
最後は明治記念館入り口の青い絨毯の階段で集合写真を撮る
向かっていると廊下から私の名前を呼ぶ声が聞こえた


そこには大学時代の友人3人の姿があった
そしてリモートで4人ほどつないでくれていた
その日は平日。しかも夕方の中途半端な時間
場所も皆の職場からあまり近くない
え?どういうこと?
「時間休とったの!」「半休とったんだよー!」
招待しているわけではないので、おもてなしできるものがない
最後の少しの時間だけ、この姿を見るためにかけつけてくれたのだ
仕事や子育てで来れなかった子たちはビデオ通話に参加してくれていた
電車の中で声を出さないように手を振ってくれている子もいた
「きれいだね!」「見れてよかった~!!」
最後の最後に涙が止まらなかった


なんとか泣き止んで集合写真を撮る
親族へ挨拶し見送る
そのあと会場がすいているのでいろいろな場所で二人の写真を撮ってもらう。
友人たちも一緒に回ってくれて、一緒に写ったり
最後まですごく楽しい時間を過ごすことが出来た

20人弱のささやかな結婚式であったが
振り返るとそこにかかわる人は大勢いた。
最初にこの会場を案内してくれたプランナーさん
式を作り上げてくれたプランナーさん
司会者さん、介添さん
明治記念館の方々、明治神宮の方々
もう書ききれない。


そして平日、コロナも不安な中遠方からきてくれた親族。
この日を心待ちにしてくれた祖父母。
着物選びなどで遠方から何度も会場に足を運んでくれたり、
私たちから以外にも親族へ連絡してくれていた両親。
今までいろいろな場面で私を支えてくれた友人たち。
この日のために仕事も休ませてもらい、代わりをしてくれた人もいる。


自分たちのために色々な人がかかわってくれた
この日を迎えることが出来たこと
綺麗ごとなんかではなく、
自分の人生で関わったすべての人に感謝したいと思った


結婚式をやるかどうか迷っていたが
私たちにとっては間違いなく一生の思い出に残る一日になった


幸せだな、楽しいな、嬉しいな、感動したな
色々な感情があるが
一番「感謝」の気持ちが大きかった


自分たちの思い出のためかつ、
育ててくれた両親へお礼をするため
親族へお披露目するため開いた結婚式。

皆へ今までありがとうを伝えるおもてなしの日のつもりが
新たなありがとうを言いたい日になった


最後に、夫について
冒頭から書いている通り、この結婚式は夫なくては成り立たないものだった。
ドレス選びも何もかも一緒に参加してくれて、たくさん写真を撮ってくれて、一緒に色々なことを考えてくれて、イヤリングなんかは夫が選んでくれたものだった。


この感謝の気持ちをなんと伝えようか。
美味しいご飯をごちそうするとか、何かプレゼントをするとか
そういうものではない気がした


考えた結果、わたしは両親への手紙の中に下記の言葉を入れ、自分に誓いを立てた。


「(夫)はわたしのことを大切に思ってくれて、私には勿体ないくらい優しい人なので、安心してね。


わたしはその愛情を当たり前と思わず、日々感謝して過ごしていくね



ここまでお読みいただき、ありがとうございました。



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