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優しいおしごと。

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初めての小説を書いてみます。 少し私の経験も混ぜますが、基本はフィクションです。 外出自粛の世の中だからこそ癒やしが必要。 家族の優しい繋がりを表現できたらと思い作成しまし…
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#お手伝い

優しいおしごと。(11)

優しいおしごと。(11)

4月になり、私は小学校に入学した。

ピカピカの赤のランドセルを背負い、黄色い帽子をかぶって学校に行く。

入学式は母に連れて行ってもらったが、次の日からは私1人で登校した。

1人で外出するのは、そんなになかったので、ワクワクとドキドキが同じくらいあった。

この赤いランドセル。
おばあちゃんが買ってくれた。

日曜日にデパートに連れて行ってもらい、ランドセルが販売されているコーナーに向かった。

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優しいおしごと。(7)

優しいおしごと。(7)

祖母は夏に、町内会で旅行に行くのを楽しみにしていた。

私は、祖母が旅行で買ってくるお土産を楽しみにしていた。

祖母が不在になることに向けて、お手伝い出来ることを増やそうと様々教えてもらっていた私。

リビングで掃除機がかけれるようになったのと、テーブルの拭き掃除が出来る様になっていた。

小さくて軽い掃除機を祖母が見つけてくれて、私は更にやる気を出せた。

(リビングだけは、毎日綺麗にする)

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優しいおしごと。(5)

優しいおしごと。(5)

祖母は不思議なクセがあった。

それは病院で貰った、うがい薬を麦茶を入れるビン(ピッチャー)に入れて冷蔵庫で作り置きをすることだった。

よりによって、夏場にそのクセが炸裂した。

うがい薬の色合いが麦茶にそっくりだったのだ。

幼かった私は、喉の渇きを潤したくて冷蔵庫に手をかけた。

実は今冷蔵庫に入っている麦茶は、私がお手伝いして作ったものだった。

昨晩、夕食後祖母と2人で麦茶を作った。

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