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しあわせのマルイチベーグル

「アップルシナモンクリームチーズを入れるなら、シナモンレーズンベーグルにはさんで、『追いシナモン』にしてもおいしいですよ」と店員さん。

「それがいいです!!お願いします!!!」

ついに、ついにやってきた!マルイチベーグル。

マルイチベーグルとは、都営三田線の白金高輪駅で降り、路地を進んでいった先にひっそりと佇むベーグル屋さんのこと。本でその存在を知ってから、ずっと行きたかったお店。

ほわあああん。

お店の扉を開けると、焼きたてベーグルの美味しい匂いに包まれる。いっきに心も体も満たされる。できることなら、この匂いの中で暮らしたい。

公式サイトより引用

ベーグルは全部で13種類。その時点で迷ってしまうのに、具の種類も盛りだくさん。

サーモン、生ハム、小豆、ドライトマト……

さらに、バターやはちみつなど塗るものやトッピングまで選べてしまう。いったい、ここでは何通りのベーグルが作れるのだろう。

ご飯を決めるときだけ、食への愛が強すぎて優柔不断になる。
注文するときにモタモタしたくないので、並んでいる間に心を決めておきたい。

そこへ、他のお客さんの注文が聞こえてくる。
いかにもランニング途中のお兄さんが「お腹が空いているから、まだこれにもうちょっと食べたいんだよね」と話している。

「今日はコーンブレッドがありますよ」と、店員さん。
「美味しそう。他に、味が濃いガツンとしたやつはあるかな」お兄さんはまだ迷っているようだ。
「それなら、小さめのピザベーグルがあります。チーズがのっていておいしいですよ」
接客というより、おしゃべりをしているようなやりとり。

食べたい具を決めておいて、あとは店員さんに相談に乗ってもらおう。
いつもは、インスタや食べログで、人気のメニューを調べて注文するけど、今日はこの場で、一緒に最高のベーグルを考えたい!

いよいよ私の番。
ベーグルの原料や食感、味わいを一つ一つ丁寧に説明してくれる。
「かぼちゃとさつまいもが甘いから、塩気のあるベーグルはどうですか」
「サバサラダを入れるなら、玄米ベーグルでおにぎりみたいにするのもよいと思います」

やっぱりこれ。うーん……と迷いに迷いまくる私を、店員さんはにっこり待ってくれている。思う存分悩んでいいのだ、という安心感に包まれ、じっくり決めることができた。食べる前から、このお店が愛される理由がもう分かってしまった。おいしい、だけじゃない。安心もしあわせも提供してくれる。

今すぐほおばるベーグルを3つと、おみやげベーグルを5つお買い上げ。

ベーグルは、一緒に行った妹と半分こずつ

私が選んだベーグル。私のために作ってもらったベーグル。
愛おしくなって、ぎゅっと抱きしめる。

大満足の図

紙の包みを開いた瞬間、むちむちのベーグルに、溢れんばかりの具が顔を出している。

いただきます!
噛みしめるたびに旨みがじゅわりと広がる。

ベーグルのボリュームに負けない具も、最高においしい。

今まで食べてきたベーグルの中で、いちばん。

特に、アップルシナモンクリームチーズ入りのシナモンレーズンベーグル。
濃厚なクリームチーズなのに重すぎず、甘酸っぱいりんごや、たまに出てくるレーズンがいいアクセント。「追いシナモン」の効果もばつぐん。

しあわせってこのこと「アップルシナモンクリームチーズ」


かぼちゃとさつまいもと豆×岩塩ベーグル
鯖サラダ×米ベーグル


お店の名前は、①(マルイチ)がベーグルのように見えることから付いたそう。
なんて愛おしい名前なんだろう、と思っていた。いざ対面してみると納得。

◎ではなく、ぜったいに①なのだ。

むぎゅっと、もちっと詰まっているから、ベーグルの穴の向こうが全然見えない。

大好きなエッセイストの松浦弥太郎さんが、マルイチベーグルのことを「近所に引っ越すのが目下の夢」と紹介していた。おいしいものをたくさん知っている弥太郎さんが、そこまで惚れ込んでいると知ってから、ずっと行きたかったお店。

相談に乗ってもらって、みんなが思い思いの最高のベーグルを持って帰る。

お店から出てくる人は、みんな笑顔だ。
おいしいベーグル屋さんに、心もお腹も満たされにきている。
私も、マルイチベーグルの隣に引っ越したい! 

現在の場所での営業は、2月25日で終了だそうです。
お近くの方は、いや、みなさん。ぜひしあわせのベーグルを食べてみてください。

熱がこもりすぎて長めの記事になりました。
最後まで読んでくださってありがとうございます🥯☺️

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