見出し画像

📚13腐らない【死に方がわからない】(蔵出し8/20)

📚どんな本?

死に方がわからない
門賀美央子(もんがみおこ)
双葉社
2022/9/18初版 
著者は50才(当時)女性
主に文学•宗教•美術•民俗関係の分野を手がける文筆家


📚プロフィール

独身•子どもなし•フリーランス•独居•女性•貯金ほぼなし
きょうだいはなく、お母様がご存命
親しく付き合っている親族やご近所さんはいない

孤独死は避けられないにしても、死後何日も経ってから腐乱した状態で見つかるのだけは絶対に避けたい‼︎


「腐る前」に見つけてもらうには?
死後になるべく他者を煩わせない為には?
一人で死んで行く為に準備することは?
とにかく彼女は「腐りたくない」一心で考えた


📚アプローチ

私は「死ぬときに苦しいのは嫌だなぁ」「死んだ後のことは、私には判らないから、どうにでも好きにしてね」というスタンス
これって、きょうだいや子どもが居る安心感なのかな?


著者は具体的に考える
理想の死因➡️①心室細動で一気死 ②余命がある程度わかる癌で準備しながら低苦痛死
理想の死況(=著者造語。死ぬ時の状況)
➡️腐ってから見つかるのは嫌‼︎
死に方プラン
➡️①生命維持装置に繋がれるのは嫌 ②時期的には母の死後 ③腐る前に見つけてもらえるサービスをみつけておく


こんな感じで、エンディングノートやら公私のサービスを調べて行く
重い内容を、随所に出てくる「腐りたくない‼︎」が軽やかに読ませてくれる


📚著者の準備

①リヴィング•ウイル
②緊急時医療情報(無料で配布している自治体もある)を冷蔵庫で保管(保管していることが判るよう、玄関や冷蔵庫ドアにシール貼付)
③尊厳死協会会員証をスマホケースに挟む
④臓器提供意思表示カードの携行
⑤終活登録(横須賀市の行政サービス。終活関連情報を生前に登録。死亡時に本人が指定した人に開示し、本人意思の実現を支援)


でも家の中で事切れていたらどうするの?
一体誰が見つけてくれるの?


📚誰に見つけてもらうか

生前に準備をしたところで、結局のところ孤立無縁では「腐る」ことは避けられないのか?
誰かに見つけてもらって、誰かに連絡してもらわなければならないからね


勤めていれば無断欠勤が続いておかしいな?と思われるだろうし、介護保険サービスを受けていればヘルパーなりナースなりデイサービスなりが見つけるだろうけれど、彼女は50才のフリーランス


そこで著者が目をつけたのは紙の新聞
新聞が溢れていたら、少なくとも新聞配達員には気づいてもらえる
仕事の役にも立つだろうからと、購読料の安い地域紙を取ることにした
なるほどね、結局アナログが強い


📚父の場合

2019年10月に父を亡くしたときは、冷血な弟が非協力的だったのと、上司がアホで私が仕事を休めなかったのと、ゆっくりお別れをしたかったという3つが重なり、通夜•告別式はなし
葬儀屋さんと提携している会館に安置してもらい、父が好きそうな明るい色のお花をた〜くさん買って持って行って、自分で棺桶に入れた
お寺さんは呼ばず読経•戒名はなし
だって知らない名前で呼ばれても、父にはそれが自分のことだか判らないじゃない?
その分、火葬の時間まで父を囲んでゆ〜っくりとお別れができた
火葬前後の読経も勿論なし


名残を惜しんだ後は、弟に骨壺と母の面倒を押し付けて、妹と喪服のまま市役所に手続きに行った
父の親族は遠方だし高齢だから、連絡は事後
父が生前「連絡しなくて構わない」と言ってたから
田舎の人達なので「水臭い」と随分と怒られたけれどね
田舎のお墓には入らないと言ってたので、合祀後に骨仏にしてくれるお寺に納骨
賑やかだから寂しくないよね、お父さん‼︎


📚著者の段取り

①死後手続きを「終活登録」と「エンディングノート」に書き出しておく
②直葬希望(宗教儀礼•通夜•告別式•飲食なし。死亡届•火葬許可申請書は代行してくれる)
③遺骨は合祀墓へ
④遺言書を作成したら、保管場所•遺言執行者を選定し、記録しておく
⑤死後事務委任契約を社会福祉協議会などと結んでおく(公共料金など未払い料金の支払いと利用停止•公的サービスの諸手続き•銀行やカード類の手続き•遺産処分や生命保険などなど…)
⑥部屋の物を整理し減らして行く


📚腐らないで死ぬ準備

結局のところ「腐っても構わない」「野垂れ死んでも構わない」と腹を括らない限り、全く一人きりで死んで行くことはできないらしい
連絡を受けたり、事務を請け負う人は最低限必要だし、お金がかかるということ


著者は「きれいなフィニッシュ」を成功させる為、ファイナンシャルプランナーのオンライン無料相談を延べ9時間受け、医療保険•就労不能保険•年金型保険を見繕ってもらった
思いがけなくドル建て保険に加入することになったけれど、それとて「受け取り人は二親等以内」と言われれば、お母様しかいない‼︎
当たり前だけどお母様の方が年長
いとこなら何とかなるかも知れない
らしいけれど…


📚社会的に死ぬということ

「生物学的にはいつでも一人で死ねる。だが社会的生物としてしんでいくには、誰かの手を借りなければならない」と著者は書く
そして、「日本社会は『誰か』の条件を徹底的に『血縁』や『婚姻関係』に限ろうとしている」とも書いている
日本という国の基本には、未だに家制度の残骸が存在しているということ


結婚しない人が増え、少子化が進み、おひとり様が増えている今こそ「一人で死ねる社会」を構築して行くのは急務
一人で死ねるってことは、一人で生きられるってことではないのかな?
生きるのも大変だけど、死ぬのもなかなか大変だ、知らんけど…


#書籍化希望 #うつ病 #休職中 #死に方がわからない #門賀美央子 #双葉社 #要約 #感想 #おひとり様 #腐乱死体 #孤立無縁 #リビングウィル #尊厳死協会 #エンディングノート #臓器提供意思表示カード #新聞 #ファイナンシャルプランナー #終活登録 #遺言書 #直葬 #合祀墓 #社会福祉協議会 #死後事務委任契約 #血縁 #婚姻制度 #家制度 #ドル建て保険 #エッセイ #ブログ #コラム #蔵出し

この記事が参加している募集

読書感想文

この経験に学べ

サポートしていただき有難うございます💝