オーベルジュの扉は ただただ夢の国の入り口だった
ーさっきまでの日常が入り込めない世界ー
瀬戸内海旅行シリーズ第10話。
第9話はこちら。
この日は香川を1日観光して、ちょっと早めに本日の宿泊先「オーベルジュドゥオオイシ」へ向かった。
間違いなく一方通行のような(しかし一方通行でない)細い道を、緊張気味に車で進んでいくと、そのオーベルジュは突然現れた。
今までこんなところに泊まったことない私はそわそわ。
目の前にはただただ穏やかな瀬戸内海が広がる。
お部屋に入り、そわそわしながらリラックスタイムとすることに。
夕暮れどきのテラスでカモミールティーを飲んだり、海辺を散歩したり、長いソファーに意味もなく寝そべったり、スピーカーで部屋にあったCDのクラシック音楽をかけたり。
(このスピーカーにはBluetoothがないから、自分の好きな音楽はかけられない。)
お風呂に入り、ロクシタンのシャンプーを使う。
日が沈んだら、デスクライトをやさしく灯らせる。
テレビがなければ時計もない。
この部屋は日常をとことん感じさせない。
・・・
のんびりしていたら、あっという間にディナータイムになった。
部屋を出て、レストランへ続くライトアップされた秘密の小道を歩く。
扉を開く。
と、そこには輝くレストランが広がっていた。
非日常はここから始まっていた。(もっと前から?)
今日1日の「すっとこどっこいさぬきうどん!」みたいな雰囲気はいつの間にかどこかに行ってしまった。
食前酒とメインを選び、フレンチのコースが始まった。
・・・
前菜の「鹿肉のパテ」
ジビエ特有の獣っぽい味って、ありすぎても食べづらいけど、全くないのもさみしい。この鹿はその間って感じのちょうど良さだった。ピクルスたっぷりなのも嬉しい。
食前酒のリモンチェッロは、レモンとオレンジのジュースみたいでぜんぜんお酒っぽくなかった。
オリーブのハーブ漬けをつまむ。種が入っていた。フレッシュなのかな?おいしい。
続いて「フォアグラのブリュレ」
これ、言葉遣いがお下品ですが、マジでおいしかった。
ブリュレだからほんとに甘くて、でもフォアグラの濃厚さもあって、ところどころにかかっているはっさくピールのジャムのほろ苦さともマッチした。
パンはあつあつかりかりふわっふわだった。
オリーブオイルとバターを選べたから2人で1種類ずつをシェア。
バターはアンビリーバボーな大きさのかたまりで出てきた。夢があるなあ。カヌレの形なのがかわいい。これだけあると、ついついたっぷりつけてしまう。
続いては「赤足海老のサラダ」
フレンチ初心者なので、このあたりで「まだ前菜!?」となった。ジェノベーゼソースとピクルスとマスタードのタルタル?とアボカドのポテサラみたいなの。冷たい海老のサラダっておいしいよね。
続いては最後の前菜、「オニオングラタンスープ」
オニオングラタンスープ!ここにきてスープなんだ!しかも大好物!!
あっつあつのとろっとろのまっ茶色玉ねぎ。その上のバゲットとチーズを割りながら食べる幸せ。
選べるメインは、「黒アワビのステーキ」、「ヒラメのソテー」、「鹿肉のソテー」、「イノシシのなんとか、カシスソース」、「オリーブ牛のなんとか」から1つ選ぶ。
せっかくだから食べたことないイノシシをチョイスした。
イノシシって、ジビエの中でも獣感あって獣の中の獣ってイメージだったけど、肉は豚肉よりも柔らかくて、バルサミコ酢的な味のカシスソースとマッシュポテトをたっぷりつけて、ぺろりといただいた。
「この料理はカシスソースがおいしいですよ」って言われてたけど、夢中で食べてたら考えるの忘れてた。付け合わせの野菜のグリルは、中でも紫色の大根の焼いたやつがめっちゃおいしかった。
このあたりで、飲み物にノンアルコールのサングリアをチョイス。
レモンが浮かんでて、シナモンがざらざら感じられるくらいたっぷり香って、アップルパイを飲んでいる気分だった。
最後のデザートの前に、一旦フロマージュを。
(後で調べたら、「チーズ」って意味だった。)
6種類の見たこともないようなチーズを紹介していただき、その中から1人3つ好きなものを選べる仕組み。それか2人で6種類をシェアしてもいいですよって言われて迷わずシェアに。
右上のスカモルツァは燻製モッツァレラの完全おかず系。すき〜。その左隣のヤギのチーズはクセがすごい。その左隣のノルウェーのヤギチーズは、見た目通り、ほんのりキャラメル味がするやや甘い系。その左隣のゴーダチーズみたいなやつはめちゃ濃くてしょっぱい系。ゴルゴンゾーラはまあはちみつとパンに乗せて食べますよね。青カビ好きにはたまらないおいしさ。はちみつはとっても美しい花の香りがした。その左隣のブリアサバランは、クリームチーズっぽくて、はっさくのジャムと一緒にくるみとドライフルーツのパンにつけて食べた。
あ〜いろんなものを少しずつ食べれるって素敵!
そして最後のデザートはワゴンで運ばれてくる。
デザートワゴン!5年前くらいから一回やってみたかったんだよな〜〜夢叶った!
「全種類でもいいですよ」って、まあそんなこと言われたらねえ、私も連れも、迷わず全6種類お願いした。
選べるドリンクは、お腹も膨れてきたので、エスプレッソにした。
連れに「眠れなくなるんじゃない?」って小声で言われた。ハッ。たしかに。
カップまで目が覚めそうなひまわり。
デザートは、鳴門金時のスイートポテト、りんごのさっぱりゼリー、さっきのよりブリュレが分厚めなクレームブリュレ、甘くないさっぱりキャラメルアイスクリーム、ふわふわティラミス、甘酸っぱくてみずみずしいみかんのタルト。
この上なく幸せな満腹になってゴール。
・・・
フレンチのことなんて全くわからかった。けど、だからこそ、このレストランの食事はただただ新鮮で、新しいものとの出会いに溢れていた。
中でも印象的だったのは、地元の食材をいろんな食材や調理法と組み合わせて楽しんでいるところ。
「おいしいものを作れる人って強い。私も作れるようになりたいな。」と思った夜だった。
食後、ソファーに寝そべってしばし余韻に浸り、まもなく眠りについた。
「Have a nice dream〜」と言って寝たような気もする。
・・・
次回はついに最終回、オーベルジュのモーニング編!
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