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「餃子は一口で食べろ」と教わった虎ノ門横丁ランチ

ー 肉汁の飛び出す音が聞こえた ー


平日のまっぴるま。


友達に「虎ノ門ヒルズ駅に11時半集合ね!」と言われてやってきた。

(ランチタイムのピークを避ける狙いがあったらしい。粋な計らい。)


出来たばかりのピカピカステーション「虎ノ門ヒルズ駅」と直結しているここは虎ノ門ヒルズにある虎ノ門横丁

(ただ虎ノ門って言いたいだけの人)



今年の6月にオープンしたばかりの横丁。

きれいなビルをちょっと上がったところにいきなり現れる屋内型横丁。

お店はどこも開放的な造りになっていて、座席が通路に面しているのに不思議とムードがある。

いろんなお店のカウンター席がずらっと続いているのは壮観だった。

レストラン街とも違うし、フードコートとも違う。

もっと気分を高揚させるアミューズメントパーク感がそこにはあった。

(レストラン街とフードコートに失礼だな?)


この日は餃子を食べると決めていたが、思いのほか魅力的なお店がひしめいていて目移りしてしまう。

(公式サイトによると、「名だたる人気店26店舗が集結」しているらしい。)


目移りしたが、当初の予定通り「餃子屋・パイロン」に吸い込まれることにした。



他のお店は席もだいぶ埋まってきていたというのに、ここのお店はまだまだ余裕があった。


こういうとき嬉しいけどちょっと不安になるよね。


(後から気づいたけどランチどきに餃子食べれるサラリーマンってなかなかいないんだろうな。)


メニューを見ると、そこには目を疑うほどの餃子ラインナップが。


白龍餃子に、青龍餃子に、黒龍餃子に、赤龍餃子に。

(中身はそれぞれ豚、ニラ、ニンニク、唐辛子らしい。)


それだけじゃない。

セロリ餃子に、揚げ餃子に、水餃子に、あんこ餃子に、クワトロきのこ餃子に、シソ餃子に、ニラ玉餃子にエトセトラ。


(ニラ玉餃子に至っては、餡なしと書いてあった。もう餃子ってなんですか。)


餃子は今までの私の人生で人並みに3000個くらい食べてるんじゃないかなって感じだけど、お恥ずかしながら普通の具が入ったものしか食べたことがなかった。


ここにきて初めて知った「餃子で遊ぶ」という文化。

世界が広がった感じがした。


とりあえず5種類頼んだ。


じゃん


手前の白いやつから時計回りに白龍餃子(豚)、クワトロきのこ餃子、シソ餃子、青龍餃子(ニラ)、黒龍餃子(ニンニク)。


見てるだけでもう楽しい、、


ひとつずつ順番に食べていった。


まずは

シソ餃子


ありそうでなかった。

(いや、どこかにはありそうだな。)

シソって本当に何にでも合う。

ハンバーグにもパスタにも海鮮丼にも。

そこに今度は餃子ときましたか!

とてもじゃないけど一介の葉っぱとは思えない。

学校にいたらきっといろんな人と分け隔てなく仲がいいタイプだろうな。

ああシソになりたいよね。


次は

クワトロきのこ餃子


一口食べて、「あれ?チーズないのか。」ってなった時、ちょっとしょんぼりした。

クワトロって4って意味でしかないはずなんだけど、耳にする機会が大抵チーズとセットの時だからついついミスリーディングしてしまった。

(全責任はこちらにあります。)

(クワトロフォルマッジオという名の4種のチーズのピザ大好き。)


でもきっと4種いるんだろうきのこたちが、つるっとのどを通り過ぎていった感じは気持ちよかった。


コショウがめちゃくちゃ効いていて、洋風って感じで、もうここだけ別世界。


次の餃子は、

とさらっと紹介したいところだが、そう簡単にはいかない。


事件が起こった。


まあとりあえずさらっと始めよう。


気を取り直して、次の餃子は

黒龍餃子(ニンニク)


さっきまでの棒タイプの餃子とは打って変わって、つるつるまんまるタイプの餃子はこれが初めて。


皮が真っ黒で、もうその時点でときめきマックスハート。


今までと同様に一口かじった瞬間だった。


・・・


ぶっしゃーー〜〜


肉汁が餃子から溢れ出してテーブルを襲った。


まじでぶっしゃーーという音が聞こえた。


どこかの県の梨汁よりも断然凄まじいぶっしゃーーだった自信がある。


(勝ったのか?)


たちまちテーブルの上に置いていたスマホの画面が肉汁の海に沈没した。


悲惨。


でも、「なんだこれ!?」と思うくらいおいしい。


皮はもっちもちなのに重くなくてちゅるんとしている。


中にはニンニクが丸ごとひとかけ入っていて、もう、みなぎりましたよね。


・・・


次の餃子は、

青龍餃子(ニラ)


こちらも皮がつるつるまんまるタイプ。


餃子は一口で食べるものだと学んだ私。


チョチョイのチョイッと醤油をつけてばくっと一口で飲み込む。


肉汁ぶっしゃーーーー(口内)


(めっちゃ平和でおいしい)


最初からこうすればよかったんだ。


・・・


そして最後の餃子は


白龍餃子(豚)


こちらもつるつるまんまるタイプの餃子。

でも色が白いし、至って普通のやつかと思っていた。


例によって、ばくっと一口。


じゅわ〜〜〜


、、ん?


シナモン!?


肉汁が溢れるのはもちろんのこと、なんとこの餃子、シンプルに見せかけてとんだおしゃれ餃子だったではないか!


シナモンロールに負けないくらい強く香るシナモン。


こじゃれている。

見た目で油断させておいて、とんでもない武器を隠し持っていた。

学校にいたらたぶんさらっとピアスとか開けてる真面目な子って感じだろう。

友達になりたい。

(突然の学園シリーズ再開。そして完。)


・・・


餃子の中身なんてなんでもありなんだよ!と教えられた気がした。


外食の醍醐味ってこれだよね。


家ではなかなか真似できないものを食べること。


・・・


それはそうとして、私はまださっきの肉汁のことが頭から離れなかった。


私は何度も味わいたいタイプの人間だから、ついちまちまと食べてしまう。

お寿司もいつも二口とかに分けて食べていて、「何かわいこぶってんの」と兄弟に言われたことがある。

(断じて口のちっちゃいかわいい子を演じているわけではない。)

幸せを何度も感じたいだけなのだ。


一緒に餃子を食べていた友達は、一口で食べるタイプの子だったから被害に合わずに済んでいた。

その子曰く、「一口で食べて口の中いっぱいに幸せがある方が良くない?」とのこと。


言えてる。


言えまくっている。


私もこれからはなんでも一口で食べてみよう、と決めた。


・・・



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