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地域移住の【コレいい、コレあかん】VOL.3 地域おこし協力隊 その②実態編

移住して1週間でパクられた原付はその半年後に発見されましたが、直結かつマフラーが改造されてたため、とんでもない爆音とともに走る改造車となっていました。そして当然ナンバープレートはむしり取られていましたが、ミラーは新調されていました

さてさて。

引き続きこのテーマとなります。

【隊員数5,000名を突ッ破―!地域おこし協力隊ってなにーーー??】

今回は実態編と言うことで、私が経験したこと、周りから聞いたことをベースに、また協力隊の実態を表すデータを踏まえながら記述していきたいと思います。

予めご承知頂きたいが、実体験などの事実がメインとなりますが、当然推察等も含まれます。データベース等の具体的な論拠をもとに推察しますが、読んでいただく方によっては少し飛躍的かと思われることもあるかと思います。
考え方や受け入れ先の制度等によって様々なご意見はあるのは当然ですので、あくまで一私見とのことで、お受け取り頂ければと思います。

今回は『勤務内容』『勤務時間&賃金』『その他条件面』『副業』に分けて説明していきますね。

それでは、行っきまーす!!

【勤務内容について】

前回にも記述してますが、基本的に募集する各自治体に委任されてます。農業振興・観光推進・情報発信・移住支援・環境保全・高齢者福祉etc…あります。もちろん各自治体が提示する募集要項に勤務内容の記載はありますので、やりたい業務内容が決まっていれば業務内容から検索することが可能です。

↓ちなみに割合はこんな感じです↓

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ただ、大別すると以下の3点に集約できるかなと考えております。

営利事業…営利を求める事業(観光推進、農業振興、特産品開発等)
事業支援…事業を推進、及び発展させるための支援業務(情報発信、移住支援等)
非営利事業…営利を求めない事業(高齢者の生活支援、教育支援等)

当然営利事業ほど事業化はしやすいので、難易度云々はおいといて3年後(任期後)に向けての活動と重ねやすい部分が多いかと思いますし、非営利事業は基本的に支援がないと独立が極めてしにくいという特徴がある。事業支援はその業務内容だけで事業化はしにくく、あくまで多角的な視野が必要となると思います(例えば不動産業を開業しその一環で移住支援をする等)。
協力隊として居られるのは最大3年間で、何も考えていなければその後は完全無職となります。社会性やボランティア精神が高く、収入をあまり必要ないと考えている方以外は業務内容を選択段階(応募段階)で見極めが必要なのは言うまでもない。

ここからちょっと私の体験を含めた具体的な話ね。

ちなみに私は観光ツーリズムプランナーという役割で配属となった。
私の場合は親族がその地域におり、観光業の現場で7年、農業関連の現場で1年半バキバキにしごかれていて、云わば「地域を求めての移住」と「仕事を求めての移住」が重なった形であった。
自治体として地域おこし協力隊の一期生でもあったことから何もかもが手探り、「この街の交流人口分布は」「どんなイベントをしているか」「イベントデータの分析」「どんな事業をしてきたか」「どんな観光素材があるか」「立地条件や観光分布は」といった業務的なものから「勤務報告のあり方は」「活動費の申請方法は」「組織役割は」「勤務時間の管理は」といった事務的なことまで、自分自身で作っていった。
これは一期生である特殊性もあるのだが、自治体が能動的に物事をとらえていないという裏返しでもある。人を雇うことに関して準備をしていない。ビックリしたのは、私の後輩で協力隊として大学新卒で入ってきた人がいるのだが、入って一カ月で「あなたは何がしたいかわからない」と役場職員が言ってのけたこと。こんな能天気が受け入れの担当をしていたことに驚きを隠せなかった。

そして私が最後まで納得できなかったのが、評価体制の欠如です。協力隊は所詮3年間の限定任務ですので、協力隊員個別にはそこまで具体的な評価は必要ないかもしれません。但し、やっている業務、そしてそれを監督している職員は、出来る限り具体的な数値にて評価されるべきです。
観光に携わっている人ならば、交流人口の推移、メディアや都市部へのPR、イベントの質や効果の検証等を費用対効果を含めて分析する。民間では当たり前のことができてないことが多く、そもそも役場はKPIに対する意識が入院中に出てくる食事くらい薄い(KPIって何?ってところからスタートだったりする)。
そしてそれらが監督職員(部署)の評価にもつながらないので、隊員に丸投げになる。そもそも役場の人事異動で担当が変わることも多いので(3年間任務していたら1回は変わる人の方が多い??)そこからの軋轢も生まれやすい、と役場の性質と協力隊の性質が不合理な点も感じるよねー。
『3年後に無職になる地域おこし協力隊』と『何もしなくてもとりあえず終身雇用の役場職員』の見事な美しすぎるコントラストね。これは一朝一夕でどうにでもなることでなく、協力隊の制度が続いていく中で必ず起こる現象だと思う。

【勤務時間&賃金について】

せっかくなんで、勤務時間と賃金にを同じ章で取り上げてみる。当然、勤務したことに対する対価としての賃金であるのは言うまでもないが、上記もしている通り協力隊期間中は最低限の賃金は確保されているが、どれだけ頑張っても基本的には給料は上がらない(一部給料上げてくよーって自治体もあることはある)。窓際族のように仕事をしているフリをしているが成果の全くない(むしろ多少マイナスがあっても)ボンクラであろうが、誰もが感動する素晴らしい業務をしようが変わらないのである。
最大が原則250万円/年となるが、あくまでこれは国から自治体に入る特別交付金の最大値であり、自治体が各協力隊員に支払う賃金の最大額とは厳密には異なる。事実、年間250万円以上を支払っている自治体も若干ではあるが増えてきている印象(250万円以上の分は各自治体の単費として)。
ちなみに平均月給は177,000円だそうです。年収にすると2,124,000円。※INDEED調べ

また賃金や勤務時間についてはほとんどの場合で募集要項に記載があるので、目をかっぽじってぜっっっったい確認して下さい。時給換算すると比較しやすいです。

(例)
A自治体
活動時間週30時間 給料200,000円/月 = 時給1,550円

B自治体
活動時間月20日(7時間/日) 給料186,000円/月 = 時給1,328円

↑実際現在進行中で募集をかけている自治体を参考にしてみたけどこれだけ違うからね。もちろん最終的には待遇面も含めての比較でいいかと思います。A自治体は家賃補助ないがB自治体は家賃補助があるならば、時給が安くても可処分所得はB自治体のほうが上がるから。
トータルで計算できるようにしましょう。

【その他条件面について】

作成した手取り比較をご覧ください。雇用契約がある場合とない場合の比較となります。

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これも実際に募集をしている自治体の比較です。
ここから以前記述した田舎での生活費などもご覧頂いたら色々とギリギリなんはわかるでしょう。

あとよく質問される“活動費”!これについても少し書いておきますね。

国からの特効ベースで最大400万円/年/人が助成される話はしましたが、内訳を大別すると賃金(最大250万円)と活動費(最大200万円)となります。月20万円が賃金ならば年収は240万円、助成金の最大が400万円なので活動費に使用できるのは160万円となります。

『よっしゃー、活動費に160万円使えるぞぉぉ!!』

と思うかもしれませんが、『あまぁぁーーーーーーーーい!!!』

甘い

160万円の中には家賃や社会保険の事業者負担、自治体によってはパソコン貸与や営業車の貸与等を謳っているところも多いかと思うが、これらも全てここから捻出されてます。
ちなみに私の実績では、「家賃60万円」「社保22万円」「パソコン18万円(初年度のみ)」がかかっており、実質60万円ほど。その他「引っ越し賃を20万円補填しますよ」とか「営業車は実費支払いますよ」とか自治体によってあるけど、実際はこの活動費からマイナスになってるってことは知っておいたほうがいいかな。

但し60万円前後活動費に充てれる可能性があるのも事実、民間だったらこれ先行投資ですからね。ただこれは“税金”、協力隊員の中でも好きに使っていいと思うおバカさんもいるが、税金を使用する重みは感じてほしい

ちなみに私の知っている超絶バカ自治体は、この活動費を事務所の修繕費用に充ててた。協力隊員が入ったので勤務環境をよくしようと事務所を修繕したという建前だが、当然協力隊員の要望でもない、ただの悪知恵です。何度も言うが、こんなことをする自治体は即刻辞めたほうがいい

活動費の承認方法は各自治体によって異なりますが、おおまかには2パターン『包括承認型』『個別承認型』があります。
包括承認型…拠出可能な要件を予め協力隊員に伝え、都度承認が必要でない方法。
個別承認型…都度使用願いを申請し、許可を得る方法。

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そんなとこかなー

【副業について】

上記の給与面もそうだが、3年後には無職になるわけなのでその助走期間として&シンプルに生活費を稼ぐために副業をするのが一般的となっている。

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一部副業禁止の地域もあるが、どのような理由があるにせよその地域は選んではいけない。

大事なことなのでもう一度言う。

副業禁止の自治体は絶対に選んではいけないのだ。

様々理由はあるのだが、一言でいうとその自治体は地域おこし協力隊員を見下している。そして見下しているということさえ気づいていない。どれだけ魅力のある地域、魅力のある活動内容であってもそれを相殺する以上のデメリットである。
そんな地域で活動すると全てが不幸になる。悪いことは言わない。今すぐ退職届を出すべきである。

ちなみに私は最終年度は地域おこし協力隊の他に3か所から収益源があった。
いやらしいのでなんぼあったかは言わないが、協力隊で得た賃金なんかよりは当然高い。最終年度の人で副業をできる人は、協力隊の賃金と同じくらい稼げるかが一つ目安になるかと思います。
ちなみに副業している人の収入はこれくらいね。

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これは1年目や2年目の人も含まれているのでご注意ください。あと「中央値」と「平均値」の乖離がかなりあることから、稼げる人は稼いでる(正確には稼いでる人が上に引っ張ってる)、ってのがアンケートから見て取れるかと思います。

そんなこんなで協力隊の実働、いかがでしたでしょうか?また言い足りないこともありますが、地域移住する際の一つの手段としては検討してみてはいかがでしょうか?

長文になりましたがお読みいただいてありがとうございます。

次回は地域移住のコレいいコレあかん“VOL.4 地域で出会った素晴らしい人・しんどい人”をお送りします。お楽しみにー!


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