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hazi-sarashi【エッセイ】

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このエッセイ集は、僕がこの世界に確かに存在していたことを証明する。
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#詩

[自虐詩]僕は大学生。

[自虐詩]僕は大学生。

僕は大学生。

口を開けば一言目には「眠い」と言い、
二言目には「金がない」と言う、あの大学生。

なんのために、大学に通っているのかも分からず、
モラトリアムだなんだとか言って、開き直ってやがる。

勉強しなきゃと焦りつつも、ちょろっとTOEICの勉強だけやって
結局飲みに行って潰れて、単語帳をなくす大学生。

「究極的には就職する意味ってなくね?」とか言いながら、
気付けば就活のシステムに飲み

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「少女」のように不確かな輪郭で

「少女」のように不確かな輪郭で

夜の街を歩いてみれば、過ぎゆく人たちの輪郭はぼやけている。

孤独を紛らわすかのように身体を寄せ合う。

そう。いつだって曖昧な輪郭を補い合うように。溶け合うように。

孤独や不安、焦燥感のなかで、僕らは自己存在の不確かさを感じずにはいられない。

複雑な因子が雑然と絡み合うこの世界で、もはや僕らは内と外の区別すらつかない。

芸術家イケムラレイコの言葉を借りるとするならば、「少女性」とでも言えよ

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優しさは地球を循環するエネルギーのように

優しさは地球を循環するエネルギーのように

君の思いつきでホットケーキの素を買いにスーパーへ行ったのは、夕方の3時ごろだった。

2人は下北沢に借りたアパート戻ってくるとすぐに、レジ袋を開けて調理に取り掛かった。

普段から料理をあまりしない僕たちは、あまり上手に焼けなかったが、2枚目に作った方は意外と綺麗に膨らんだ。

1枚目は割とぺたんこで少し焦げてしまったのに比べて、2枚目は綺麗な狐色に焼き上がっていたんだ。

君は何も言わずにそちら

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文字にすると失われる「崇高さ」

文字にすると失われる「崇高さ」

秋の終わり頃。夕暮れ時の下北沢で写真撮ってたら、

狭い路地で男女が肩を擦り合わせながらタバコを吸っていた。

「俺たちの人生も文字に起こせば美しくなるのかな」

みたいなことを言ってるのが聞こえた。

多分、文字は現実を美化するかもしれないけど、

文字にすることで失われる「崇高さ」みたいなものもあると思った。

全てのものは、きっと美し過ぎてはいけなくて、少し汚れていた方が長持ちし

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男子大学生の考える「真の豊かさ」とは。

男子大学生の考える「真の豊かさ」とは。

この世界には無数の苦しみ、地獄、絶望がある。

それらの苦痛の程度は、当事者にしか分からなかったりする。

つまり、人には人の地獄があるってこと。

だからこそ、「豊かさ」を考えるときに、

・お金があること
・家族がいること
・友達に恵まれていること
・賢いこと

なんてふうに、端的には言えない。これは自明。

それならば、何が「真の豊かさ」なのか?

ここからが一番大事なところなんだけど、

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