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太郎
2021年12月16日 14:36
僕は大学生。口を開けば一言目には「眠い」と言い、二言目には「金がない」と言う、あの大学生。なんのために、大学に通っているのかも分からず、モラトリアムだなんだとか言って、開き直ってやがる。勉強しなきゃと焦りつつも、ちょろっとTOEICの勉強だけやって結局飲みに行って潰れて、単語帳をなくす大学生。「究極的には就職する意味ってなくね?」とか言いながら、気付けば就活のシステムに飲み
2021年3月28日 01:04
夜の街を歩いてみれば、過ぎゆく人たちの輪郭はぼやけている。孤独を紛らわすかのように身体を寄せ合う。そう。いつだって曖昧な輪郭を補い合うように。溶け合うように。孤独や不安、焦燥感のなかで、僕らは自己存在の不確かさを感じずにはいられない。複雑な因子が雑然と絡み合うこの世界で、もはや僕らは内と外の区別すらつかない。芸術家イケムラレイコの言葉を借りるとするならば、「少女性」とでも言えよ
2021年3月22日 23:35
君の思いつきでホットケーキの素を買いにスーパーへ行ったのは、夕方の3時ごろだった。2人は下北沢に借りたアパート戻ってくるとすぐに、レジ袋を開けて調理に取り掛かった。普段から料理をあまりしない僕たちは、あまり上手に焼けなかったが、2枚目に作った方は意外と綺麗に膨らんだ。1枚目は割とぺたんこで少し焦げてしまったのに比べて、2枚目は綺麗な狐色に焼き上がっていたんだ。君は何も言わずにそちら
2021年3月20日 07:59
秋の終わり頃。夕暮れ時の下北沢で写真撮ってたら、狭い路地で男女が肩を擦り合わせながらタバコを吸っていた。「俺たちの人生も文字に起こせば美しくなるのかな」みたいなことを言ってるのが聞こえた。多分、文字は現実を美化するかもしれないけど、文字にすることで失われる「崇高さ」みたいなものもあると思った。全てのものは、きっと美し過ぎてはいけなくて、少し汚れていた方が長持ちし
2020年11月12日 18:52
この世界には無数の苦しみ、地獄、絶望がある。それらの苦痛の程度は、当事者にしか分からなかったりする。つまり、人には人の地獄があるってこと。だからこそ、「豊かさ」を考えるときに、・お金があること・家族がいること・友達に恵まれていること・賢いことなんてふうに、端的には言えない。これは自明。それならば、何が「真の豊かさ」なのか?ここからが一番大事なところなんだけど、「