ある始まりの世界の物語
夏が終わり、色付いた山にひとつの
岩穴がありました。
そこは、優しいモノが住みついていると
村人が話す岩穴でした。
ある日のこと、誰も寄せ付けぬような空気の中、好奇心旺盛な少女が遊びに来たようでした。
岩穴をひと目見て、興味の湧いた少女は、
誰も寄せ付けぬような空気も気にせず
目をキラキラさせ、駆け足で中に入りました。
中へ入ると、少女は足を止め言いました。
「こんにちは。あなたはだぁれ?」
そこには黒い羽のついた簡素な出で立ちの
男性がいました。
座って目を閉じていた黒い羽