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ひとりがたり

昔の話。
なんだか思い出されて仕方なく、
話す相手への返しにも口を閉ざして
しまうほどだった。
だから、話す。
今日は放したいんだ。
聞いてくれなくてもいい。
ただ、流してくれたらそれでいい。

☆ここからは、不快な表現、描写が出てきます。苦手な方は、読む事を控えて下さい。

誰かにとっては些細なこと。
そのくらいで…と言われることかもしれない。
自分にとっては、自分は只の道具になったと感じたことだった。
そんな些細な話。

私は、夢を売る。
もちろん本当にではないが。
誰かの叶えたい欲をこの身で叶えていた。
ある男は、初めて会う私に挨拶すらせず、
ただ無言で、ベッドに倒す。
スカートを捲り、ストッキングと下着を
乱暴に膝まで下げた。
何が起こったのかわからず、
身体を起こそうとした私の腰を強く掴み
ズボンを下ろした男は強引に入ってきた。
無論、抵抗したが敵わず、
「やめて下さい」と
頼んだが男が果てるまで叶わなかった。
ベッドで呆然とする私にひと言男は言った。
「風呂」と。
風呂へ行くと、浴槽に2人で入る事に。
男は私の頭を掴み、咥えさせた。
頭を掴まれたまま、上下される度
お湯が口に入りむせた。
私が嫌がっても、
男は果てるまでやめなかった。

風呂からでると男はベッドに寝転がり
テレビを見始めた。
自分が情けなくなった。
これまでよりも更に情けなく思えた。
下らない自分の身体。
つまらない自分だからこうなるんだ。
自分が抵抗しきれなかったから悪い。
…そう思った。

男は、ひとしきりテレビをみると
乱暴に出ていった。
私は只の道具になった。
自分が悪いから些細な話。

今は…そんな人には出会わない。
それは、良い事なんだと思う。
とても些細な話。
ありふれた話。
読んでくれてありがとう。
嬉しかった。

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