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【 Care’s World case 05 想いを引き継ぎ、自分たちの視点で、フラットな居場所を作る 〜モノモノコウカンプロジェクト 原田桃子さん 〜 / -前編- 】

“ケアすることは、生きること”

そんなテーマでお送りしているCare’s World。

今回の主人公は、モノモノコウカンプロジェクト原田桃子さんです。

桃子さんは
Case03でご紹介した田中慶悟さんの後を継がれて
鹿児島市でプロジェクトを展開されています。

Care’s Worldについてはこちらから。


♢聞き手:玉井妙(Care’s World / コミュニティナース )
♢話し手:原田桃子(モノモノコウカンプロジェクト)
♢撮影・執筆:上泰寿(Care’s World / 編集者 )
♢インタビュー場所: つむぐば~YAHATAコミュニティスペース~

面白いと感じたものを、誰かに伝えたい

桃子:私は社会人になってから“発信する”ことを仕事にしています。小さい頃から「世の中には面白いことがたくさんあるなぁ」と思っていて。

私の持っていない視点や能力を「みんな、これ、知ってる?」「すごいよね!」って伝えたい欲求が強く、それが今の仕事に繋がる根幹的なところだと感じています。

それは得意なことの一つとも捉えています。例えば、デザインを誰かにお願いしたい時に「デザインなら、〜〜の●●さんがすごいから相談しよう」と言うと、関わる人たちが喜んでくれるんです。

そんなことが多くて「私、人のすごいところを見つけるのが得意なのかもしれない…」と思うようになりました。もし、私が何でもできる人だったら、それは気づかなかったことかもしれません。

その感覚を言語化できるようになったのはつい最近です。純粋に楽しい気持ちで「ちゃんと人に伝わるようにする」ことを一生懸命やってきたからこそ、気づけたんだと思います。

ふわっとしていますが “発信する”ことに興味を持ったのは高校時代からでした。卒業後の進路を決める時に、メディア関係について学べる大学が何と地元の鹿児島にあったんです。それで、必死に勉強して、そこに進学することにしました。

モノモノコウカンプロジェクト 原田桃子さん

桃子:メディアに関するコースに2年生から入り、元新聞記者の教授のもとで学ぶ日々でした。その中で、ふと疑問に感じたことがあったんです。「伝えるためには、喋り方もしっかりしないといけないのでは?」って。

それで、3年生になってからは福岡のアナウンススクールに1年半程通うことにしました。とはいえ、最初はアナウンサーになろうとは考えていませんでした。

でも、スクールに通っていた影響か、次第に「アナウンサーにならなきゃ!」という気持ちが強くなってきて…。就活でアナウンサー受験をして落ちるたびに、気持ちも沈んでいきました。

そこで一旦、冷静になり、自分の大切にしていることを再確認したんです。伝えることはしたい。でも、アナウンサーになりたいわけではない。ならなくても、今まで勉強したことが無駄になることはないし、人に伝えることについて、技術以上のことを学べたから、それでいいじゃないかって。

そう思ったら、気持ちが軽くなって、本来の自分を面接で出すことができました。そして、最後に背水の陣で臨んだのがケーブルテレビ局でした。そこが、私にとって“伝えること”を軸にしたお仕事の最初の舞台となるのです。

写真提供:原田桃子 メディア関連のコースにて研究した卒論を手に
写真提供:原田桃子 大学時代 あるイベントでMCを務めた時の様子

現場で感じたことを、自分の言葉で

桃子:ケーブルテレビ局ではアナウンサー業務もあれば、記者業務、カメラ業務など、何でもこなさないといけない環境でした。結果的に学生時代に学んだことを活かせたので「ここに入って良かった」と思っています。逆に、アナウンサーとして就職していたら、今に繋がることはできなかったかもしれません。

ローカルのテレビ局って、とても小さいんです。例えば「●●さん宅の庭に珍しいお花が咲きました」とか「〜〜ばあちゃんが100歳の誕生日を迎えました」だったり、ホッコリするニュースをお伝えしていて、それが私に合っていたんです。

地域により近く、じっくりお話を伺うので、現場で感じたことを編集し、自分の口で伝えられたので、そこが非常に魅力的に感じました。特に意識していたのは“事実だけを単に伝えるだけではなく、取材した中で、私なりに気づいた視点をちゃんと入れること”でした。

私が「どうして、その人に魅かれたのか?」「その人の原動力って何なんだろう?」といったことを深堀って「こういうことがすごいですよね?」とお伝えできると、私が取材した意味が出てくると思うんです。そこは、私の力とマッチしている感触を受けました。

写真提供:原田桃子 ケーブルテレビ局時代 取材先でお世話になった現地の皆さんとのショット

桃子:就職して3年経ち「モノモノコウカンプロジェクト(以下:モノモノコウカン)というのが始まるんだけど、その人がイベント出店するらしいよ」という情報を耳にし、取材に行くことにしました。そこで、代表の田中慶悟さんと出会うことになります。

実際に取材を進めると、たった一人で場の運営や大量の在庫の管理をされていることを知ったのですが、田中さんはそれを苦と感じさせない楽しそうな表情で臨まれていました。その姿に「何て、素敵な人なんだ…」と心を打たれてしまって。

その後「モノモノコウカンに密着した特集コーナーを作りたい」と手を挙げ、田中さんの取材を半年程行うことにしました。田中さんの原動力は何なのか?お人好しの田中さんを皆に知ってもらいたい。たった1分ちょっとのニュースで伝えるのはもったいない。そんな気持ちが強かったです。

準備の段階から本番まで何回か現場に立ち会わせてもらい、活動の素晴らしさを身を以て感じることができました。

その後、一応援者として活動を追っていたのですが、驚く投稿を目にします。それは、モノモノコウカンが田中さんの手から離れるかもしれない・活動を停止するかもしれない、という内容でした。

後編へ

●基本情報
屋号:モノモノコウカンプロジェクト
URL:https://www.instagram.com/monomonokoukan/
           https://www.facebook.com/monomonokoukan/
その他:イベント開催時にお手伝いいただける仲間を募集しています。興味がある方は、随時インスタDMより、お問い合わせください。

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【お問合せ先】
ご質問・ご要望は下記へお問い合わせください
Care's World事務局
E-mail: cares.world1518@gmail.com [玉井・上]

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