邪道勇者 犬千代能力余談
犬千代
間違いなく主人公勢だ。
ナイフの才能、魔術に関してはよく知らないが、ある程度の才覚はあるらしい───「お前に比べれば大概、才能があるだろうよ」などという無礼千万、失礼な台詞は聞こえない。
都合の悪いことは聞こえない。それも私の「能力」と言える。
さて、奴の能力だが••••••私が叩き込んだ体捌きに加えて、魔術などという胡散臭いものは私も知らないので、とりあえず「実用性に富む単純なもの」だけを覚えろと教え込んだ。
なので、単純な殴り合いなら無敵だ。エルフだか何だか知らんが、魔力などという胡散臭いものだけは多いらしい。博士は「ナノマシン」とか読んでいたが、まあ、それはともかくだ。
後は、元がお嬢様だったので縁はなかったものの、手癖の悪さを教え込んだ結果、私の財布を知らない内にスレるぐらいには上達した。ちなみに───そちら方面の才覚とやらは、やはり私には無いのだった。
才能か••••••犯罪業まで、才能なのだろうか?••••••
スタイルに関しては、前に教えただろう。二度は言わん。とにかく、基礎体力など基本を鍛え上げた結果、熟練の戦士も真っ青な犯罪戦士へと変貌させた。
戦闘能力面ではまだ私が高いはず、そのはずだ。いや!! 絶対にそうだ!!
とにかく、そういうことだ••••••高い基礎戦闘力に加え、ナイフ・相手を吹き飛ばすなどの単純な魔術とやら、何より「高い学習能力」が挙げられる。
教えて驚いたぞ。私が半年かけて覚えるものを、たった一週間で覚えるのだ!!
忌々しい限りだ。私の労力は何だったのだ?••••••
••••••とにかく、続きだ。後は知っての通り「猫を被る」事にかけて、並ぶ者など存在しない───元がお嬢様だったので貴族同士の礼儀(私は無論、肉に齧り付き酒は飲み干す派だ)から、庶民同士の礼儀(私は勿論、殺人誘拐何でもありだ)を修めている為、相手が何者だろうとすぐに仲良くなり、私に敵意を向けている年寄り相手に蕩かすような笑顔とやらですぐ取り込む。
ああいうのが良いのか? わからない話だ••••••
情報収集は出来るし、高い所も平気だ。そのくせ、猫被りのおかげで味方は多く、今以てなお協力者は多い──────私なら顔を出すだけで銃撃されるか、罵詈雑言の新しい語彙が増えるのだが。
一体、私が何をした?
ちょいとばかり、生きる為に悪意の限りを尽くし物語を売ろうとしただけではないか••••••これだから自称善良者は!! 神仏とやらはロリコンに違いない!!!
このロリコンが!! 恥を知れ!!!
忌々しいのでこれまでとする。続きなんぞ、タダで書く義理はないのでな。
ちなみに、奴の失態で言うなら料理は出来ず家事も出来ないで散々だったが、お嬢様のくせに無駄に努力家なのか、最低限は出来るようになっていた。
私の卵焼きの腕を見て、唖然とするお嬢様の顔面は傑作だったぞ!!!
いい意味だ、ざまあみろ!!!
栞機能付
テーマ 非人間讃歌
ジャンル 近未来社会風刺ミステリー(心などという、鬱陶しい謎を解くという意味で)
例の記事通り「悪運」だけは天下一だ!! サポートした分、非人間の強さが手に入ると思っておけ!! 差別も迫害も孤立も生死も、全て瑣末な「些事」と知れ!!!