チェる・ゲバラ

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最近の記事

『最近のヲタ活ハイライト(2022/1/1~3/6)』

「今年ももう1/nが終わっちゃいましたね」と置きに行った共感を作る時だけ急に分数を使う風潮を再確認する最近である。 「2カ月」を「今年の1/6」にすり替えるだけで一気に印象が変わるのは日本語のマジック性だなぁとか思いつつ、過ぎ去った月日を数えて互いにわざとらしくアタフタしてみせるのも実は真っ当なコミュニケーションの一つなのだと不肖オッサンの身で遅ればせながらようやく気が付いた。 そんな僕の「今年の1/6」こと約2カ月ちょいのヲタ活事情をつらつら書いていこうと思うので、暇で

    • 誰かと誰もの物語~実写版『私、アイドル辞めます』感想

      「冷評と絶賛を同時に贈りたい」というのが率直な感想で、ただそれでは日本語として破綻してるので性懲りもなく理屈を捏ねようと思う。 まず本作の紹介をすると『私、アイドル辞めます』は作者のはなさく氏がTwitterにアップした漫画が原作で、量としては計36ページの短編作品だ。 その実写化となるこの企画も元々はYouTube上で公開する予定で制作が始まったらしいが、原作の反響に加えキャストオーディション企画の盛り上がりもあり、2/18~2/24の1週間だけ都内2館で劇場公開される

      • なぜヲタクの話は高速化するのか?

        遡ること約一か月。 年明けの余韻も残る1月上旬、ハロヲタ友達のKから『久々に会えないか?』と連絡があった。 その一言で(さては話したいネタ溜まりすぎて爆発寸前だな?)と全てを察した僕は即レスで了承の旨をドッキドキ!LOVEメール。 かくして「趣味関連にだけフッ軽」という分かりやすいヲタク特性を発揮し、翌日には再会の機が設けられた。 そして再会を果たしたKと「ハロショ(※ハロプロ公式ショップ。ほぼ生写真屋)からの居酒屋」という死ぬ前に見る夢のような回しに成功し、2人で座

        • 後輩力とメシ哲学~『黄金の定食』

          あなたは後輩力があるだろうか?僕にはない。 自分でいうのもアレだが変なとこシャイで天邪鬼な僕は「嬉しい/楽しい/大好き」というドリカム感情を人前で爆発させるのがあまり得意じゃない。 内心しっぽブンブン振って嬉ションのスプリンクラー状態でも、それを他人に伝わる形で態度に出すのが苦手なのだ。 結果、表情が乏しく口数も少なく中途半端にガタイがいいという要素の悪魔合体で半熟のゴーレムみたいな有り様になる僕は、人生の各場面で諸先輩方に可愛がられるようなムーブがあまりできなかった。

        『最近のヲタ活ハイライト(2022/1/1~3/6)』

          謎を通して人を知る~『ミステリと言う勿れ』

          月9にハマるのは久しぶりだ、という謎の負け惜しみから書かせてほしい。 菅田将暉主演のドラマ『ミステリと言う勿れ』の話だ。 初回放送後、何かの機会に偶然2話を見たら刺さったので「なぜだろう」と思いスタッフ欄を眺めていたらストンと腑に落ちた。 「演出:松山博昭×音楽:Ken Arai」というタッグが僕がかつて熱中した月9ドラマ『鍵のかかった部屋』を手掛けたお二人だったのだ。(※放送時期調べたら2012年でした!10年前!うへぇ!) ところで僕は(主語デカ比較で申し訳ないが

          謎を通して人を知る~『ミステリと言う勿れ』

          AKBのバラエティがユルく面白い

          最近TVerでAKBのバラエティ番組を見ている。 ざっと経緯を書くと、昨2021年に前身番組として放送された『乃木坂に、越されました』の続編として、新番組『AKB48、最近聞いた?』が始まったのが今年の1月。 ひろゆきのMCにより独特の温度感を持った前番組は不思議な魅力があったものの、ご時世の逆風で思うように収録ができなかったことなどもあり短期で終了。 そこから少しして続編番組の制作が発表され、いかにもテレ東っぽい自虐タイトルの健在ぶりに安堵した。 過去と現状を比較し

          AKBのバラエティがユルく面白い

          【ライブレポ】クロスノエシス4thワンマンライブ『blank』【21/12/21】

          「憧れ」と「諦め」は紙一重だ。 身も蓋もない持論だがそう思う。 僕が表現者の口から『〇〇さんに憧れていて~/尊敬していて~』というフレーズをあまり聞きたくないのはこれが理由で、要は好きな相手であるほど「一方的に周囲の憧れであってほしい」と思ってしまう。 たとえ「憧れ」「尊敬」といった綺麗にコーティングされた単語であろうと、好きな演者の言葉から他者に対する「敵わない」「及ばない」という“諦め”のエッセンスを嗅ぎ取りたくない。 そんな僕がこの日のライブを終始爽快感をもって

          【ライブレポ】クロスノエシス4thワンマンライブ『blank』【21/12/21】

          【往復ヲ書簡】#7)ゲバラからだらくいんさんへ

          だらくいんさんへ 本音を言えば文頭のジョークとして『推しメンの笑顔(Smileではなくlaugh) 』辺りを晒し上げ、「身の上が変わったからか文にも余裕が出てきましたね」と姑ライクな小言センテンスを差し込みたかったのですが、今回は他に書きたいことが多く、既に4,400字コースのオイニーが漂っているのでスッと始めます。 というわけで前回のご回答ありがとうございました。 個人的にずっと考えていたテーマでもあり大変気づかされることが多く、改めてだらくいんさんにこの話題を振って

          【往復ヲ書簡】#7)ゲバラからだらくいんさんへ

          【往復ヲ書簡】#5)ゲバラからだらくいんさんへ

          だらくいんさんへ だらくいんさん…いえ、ここは先生と呼ばせてください。 まず先日のクロスノエシスのリリイベ週では、現場でやたらイチャついたりと大変お世話になりました。 またイジりシロを掴むと一気に攻撃的になる僕のダル絡みにも笑顔で応じてくださり、先生のお心の広さに感謝です。 そして何よりヲタクの人生が変わったあの接触を現地で、というか目の前でガン見できて光栄でした。 あの日AMEBAさんに「これからあなたを推しメンと呼びます」と想いを言葉にした瞬間、にわかに顔つきが

          【往復ヲ書簡】#5)ゲバラからだらくいんさんへ

          【往復ヲ書簡】#3)ゲバラからだらくいんさんへ

          だらくいんさんへ 思えば姑息な手を使いました。 あれは去る9月19日、クロスノエシスの単独公演『幻日』に参加すべく慣れない外苑前に愛の不時着した我々は、開場までの空き時間にマクドナルド青山店で遭遇し、年甲斐もなく「ライブ楽しみだね~www」と草を生やし倒しましたね。 その際の裏話ですが、あの日すでに往復書簡ブログを提案する事、そしてそれが叶った際に初回で投げるあの右ストレートな質問を心に決めていた僕は、ライブ前の期待感から初雪にハシャぐ柴犬よりアゲだっただらくいんさんを

          【往復ヲ書簡】#3)ゲバラからだらくいんさんへ

          【往復ヲ書簡】#1)ゲバラからだらくいんさんへ

          全てのブロガーは精神的に露出狂である。 だって考えてもみてほしい。 人並みに弁が立って気楽に喋れるコミュニティを持つ人なら、わざわざ時間と手間をかけて金にならない文章を長々と書いたりしない。 更にはそれをネットに投じて、時たま付いたイイネや些細な反応に一喜一憂する狂乱じみた趣味にいい歳こいて熱を上げないはずである(あぁ書いていて耳が痛い) ただ現に僕はこうして、どこで読まれるとも知れない奇文を誰に頼まれるでもなくセッセと書いている。 聞くと「誰にも強制されず3年以上

          【往復ヲ書簡】#1)ゲバラからだらくいんさんへ

          「好きの傾向」の話。

          17年間読み続けている漫画がある。 タイトルを『あひるの空』というその作品はいわゆるバスケ漫画で、本作の魅力は超人的なスキルを持つ主人公たちの爽快なサクセスストーリー…などではなく、むしろその真逆の超現実的なストーリー展開にある。 そう簡単に試合に勝てないのは序の口、暴力事件や喫煙による部室火災、ケガによる離脱や部員の退部など、試合以前のトラブルで思うようにいかない現実に苦しむ場面が何度も訪れる。 しかしそうして壁にぶつかる度、それを何とか乗り超えようと悪戦苦闘する主人公たち

          「好きの傾向」の話。

          不意にメガサイズ

          最近うっすら鬱っぽかった。 「かった」と過去形なだけまだ良いが、大事な書き出しをこんな近況報告で始めるのはそこそこ不本意ではある。 とはいえ、ただでさえギスついてる世の中だ。 やれガースーがどうの百合子がどうのとストレスの出所を探ったり、犯人捜しをするような事はここではしない。 考えてみれば世間の嬉しい楽しい大好きコンテンツが片っ端から制限を受けるドリーム非カムトゥルーな昨今で、やれ「病んだ/鬱った/もうムリぽ…」と声高にメンタル白旗宣言をする僕のような人もいるだろう。 ただ

          不意にメガサイズ

          現時点で思うこと。

          「心に余裕がなくなると発言の主語が大きくなる」という話を最近聞いた。 すなわち個人の趣味趣向として些細な事柄を見る視点がすり減り、何かにつけて組織・集団・社会など、大きなカテゴリを主語にしてしまうとのこと。 この発想がスムーズに理解できるのは今まさに僕がそういう状態だからで、より具体的に言えば五輪にまつわる世の論調を良くも悪くも無視するだけの心の余裕が失われつつあるからだと思う。 対抗勢力の勢いを削ぐ上で「内部分裂を起こさせる」というのは古典的ながらとても効果的な方法で

          現時点で思うこと。

          唯一無二という幻想~『彼女来来』感想

          「怖い」という感情には2種類あると思う。 一つは「“知っている”から怖い」で、もう一つは「“知らない”から怖い」だ。 前者の代表例を挙げるなら「子供からみた親の叱責」や「苦手な人にとっての高所」など、割と想像のつきやすいものが思い浮かぶ一方で、後者は逆に想像のつかないものが該当する。 例を挙げるならいわゆるホラー系のコンテンツ類が代表的だが、それら「想像のつかない恐怖」の原点にして頂点といえば間違いなく「死」だろう。 そしてこの「死」に類するもの、自分を「死」に引き寄

          唯一無二という幻想~『彼女来来』感想

          消えた風船と消せない自分~『男の優しさは全部下心なんですって』感想

          「良い映画の基準とは?」なんて哲学的な問いにサッと切り返せるような知識も受け売りもないけど、僕なりの回答をなんとか捻り出すなら『見終わった後にどれだけその映画のことを考えるか』になる。 たとえ理由が感動や爽快感といったポジティブなものでなく、逆に悲しみや不快感、ものよっては恐怖感などネガティブなものであっても、どんな形であれ鑑賞後につい反芻してしまう作品こそ「受け手の心に深く刺さった」という点で優れたものであることは間違いない。 その点、観終わった後に「心に深く刺さる」ど

          消えた風船と消せない自分~『男の優しさは全部下心なんですって』感想