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【往復ヲ書簡】#5)ゲバラからだらくいんさんへ

だらくいんさんへ

だらくいんさん…いえ、ここは先生と呼ばせてください。

まず先日のクロスノエシスのリリイベ週では、現場でやたらイチャついたりと大変お世話になりました。

またイジりシロを掴むと一気に攻撃的になる僕のダル絡みにも笑顔で応じてくださり、先生のお心の広さに感謝です。

そして何よりヲタクの人生が変わったあの接触を現地で、というか目の前でガン見できて光栄でした。

あの日AMEBAさんに「これからあなたを推しメンと呼びます」と想いを言葉にした瞬間、にわかに顔つきが変わった先生を見た僕の心境はまさに『人が恋におちる瞬間をはじめて見てしまった』でした。

こうして友達の告白に同席する付き添い女子のマインドをオッサンの身で味わえたことは僕の人生のギフトです。

改めて、この度は幸せな光景を見せてくださりありがとうございました。

と、その気になれば永遠に冷やかし倒せるのですが、3,000字以内という暗黙の縛りもあるのでぼちぼち次にいきます。

ただ一つ真面目に言うと、推しメン宣言翌日に『着地したネタを延々と擦るのは良くないし、自分が主役の話を振り続けるのは失礼なので、推しメン云々の話を対面で出すのは今日で最後にします。今後は新たな“楽しい”を作ります』という旨の発言を聞き、本企画に誘った相手がだらくいんさんで本当に良かったなと思いました。

僕も思い出は大切にしつつ常に新たなワクワクを探したい気質なので、今年一杯という期間設定で始めた本企画の残り半分の折り返しも楽しくお付き合い頂ければ幸いです。

さて、前回の質問へのご回答もありがとうございました。

「ミュシャ調で素材の美を加速させたい」も「デコラ・まに調でポップな新境地が見たい」も良く分かる視点で読んでいて楽しかったです。

またキャラや職業でなく、概念チックな角度から攻める辺りがだらくいんさんらしくて好きでした。

まぁ結局「推しメンが何着ても好きだし、何着ても好きだから推しメンなんだけどね」というヲタクの進次郎みたいな結論に至るわけですが、もう正式に推しメンだしいいですよね。

何を隠そう推しメンですもん。

明日はもっと推しメンになるよね、だら太郎?

はい、遊びすぎました。反省してます。回答いきます。

ということで頂いた質問は「推しメンの条件は何か?」ですね。

直球かつ本質的なテーマで手に負えるか不安ですが、いっちょやってみます。

まず何より推しメンの条件は個々人で違うので、ヲタクの数だけ答えがあります。

これを前提として二点ほど書いていきます。

まず一点目は「好意の善悪」について。

これは推しに対する「好き」という感情を「良い/悪い」で区別するならどう線を引くかという話です。

この点、僕が思うのは「その人を好きでいる時の自分を好きかどうか」です。

これは映画『脳内ポイズンベリー』の受け売りですが「相手を好きかどうかより、自分が無理なく付き合えることが重要」という解釈で引用しました。

その目安が「その人を応援している時の自分が好きかどうか」で、ここをクリアしていれば健康的な「良い好意」と言えるでしょう。

では逆に「悪い好意」は何かというと、「その人を好きでいる時の自分が嫌い」もしくは、好きでいる過程で無視できないストレスを感じるケースです。

やはり自分の心身を削ってまで他人に尽くすのは人として不健康です。

これについては芥川賞を受賞した小説『推し、燃ゆ』の中で、全てを投げうって推しに尽くす過程でボロボロになる主人公の姿を連想します。

他者愛の地盤は自己愛なので、自分を蔑ろにしないと保てないような「悪い好意」からは速やかに距離を取るべきです。

なので仮に推しメンが好きでも、運営に耐えがたい不信感があったり、無視できないほど現場の雰囲気が合わなければ、自分の中の「楽しい」と「苦しい」を秤にかけ、状況に応じて離れるのが正解です。

推しメン外の要因で気持ちが冷めるのは悲しいですが、人と同じくらい自分も大事にすべきなので、そこは割り切るべきでしょう。


そしてこの「自分を蔑ろにしない好意」に関して、かつて松浦亜弥がファンに言った『あんまり私ばかり追っ掛けてちゃダメよ。私、皆さんの人生にまで責任持てませんからね。』という言葉を思い出します。

推しメンはヲタクの人生を明るくする存在ですが、それに依存して自分の人生を損なうのはせっかくの推しメンの頑張りを無にする行為だと思います。

以上の理由から「良い好意」を抱ける相手が推しメンの前提条件だと考えます。

次に二点目、僕の推しメン条件を書きます。

人柄や容姿に感覚レベルの好みはありますが、経験則から僕が推す条件は3つ「①成長を見せてくれる人②行動で嘘をつかない人③周り想いな人」です。

① は過去記事でも書いたのですが、点じゃなく線の興味で追い続けられる人という部分を重視してます。

② はそんな成長をスキルの向上など、目に見える成果として届けてくれる人という意味合いです。

そして③は人から大事にされる以上に人を大事にできる人、という点です。

特にこの③があると尊敬しながら好きになれます。

やはり敬意のない好意は薄っぺらいので、コレは大きなポイントです。

なお番外編として、僕には「これをやった人は絶対推さない」というレッドカード的な行為があり、それは「公の場で活動終了を仄めかす」という事です。

要するにMC等で『いつ終わるか分からないから会えるうちに会いに来て』的なことを言う人です。

というのも、もちろん全てに永遠はありませんが、当座のファン心理としてエンタメに求めるのは「楽しいこと」と「続いていくこと」の二点です。

この感覚が分かる人なら、ファンが冗談でも演者の口から「終わり」に類する言葉を聞きたくないことなど当然気付くはずです。

対して演者自ら終わりを臭わせる言葉を口にするのは、自身のこめかみに銃口を当てて「私に自殺されたくなければもっと応援しろ」と脅しているように見えます。

そんな中身のない構ってちゃん気質な演者に割く興味はないので、その類の人は視界から外しています。

少し酷ですが、こうして好きなものを追う上で余計なストレス因子を避けておくことは何気に重要な気もします。

以上、参考になったか分かりませんが、僕なりの「推しメンの条件」論でした。

最後に質問ですが「声優ヲタク界隈とアイドルヲタク界隈の違い」について書いて欲しいです。

抽象的ですみませんが、声ヲタ出身のだらくいんさんが初めてドルヲタ界隈に触れた際に感じた文化の違いについて聞きたいです。

というのも、マス向けメディアの弱体化などにより他界隈からの新規ヲタの大量流入が望み薄な現下のライブアイドルシーンにおいて、声ヲタ界隈との接続の可能性を探れないかという思いが数年前からあります。

更に昨今のドルヲタ界隈はマスの熱量が下がっている一方で「特定の推しグループにしか興味がない」という専ヲタが増加し、全体的にタコツボ化しています。

そのため、演者の絶対数に対してファンの分母が大きいイメージの声ヲタ界隈との共生で、変化を得る道はないかと考えました。

もちろん以前お話した「声ヲタは声優を役者としてリスペクトしているので、異業種のアイドルに対して心理的距離がある」等のハードルもあるでしょうが、あくまで感覚論で構いませんのでご意見を伺えたら幸いです。

ほな、よろしくお願いします。

ばいちゃお♪

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