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AKBのバラエティがユルく面白い

最近TVerでAKBのバラエティ番組を見ている。

ざっと経緯を書くと、昨2021年に前身番組として放送された『乃木坂に、越されました』の続編として、新番組『AKB48、最近聞いた?』が始まったのが今年の1月。

ひろゆきのMCにより独特の温度感を持った前番組は不思議な魅力があったものの、ご時世の逆風で思うように収録ができなかったことなどもあり短期で終了。

そこから少しして続編番組の制作が発表され、いかにもテレ東っぽい自虐タイトルの健在ぶりに安堵した。

過去と現状を比較しつつグループを紹介する内容が主だった前番組から大幅なマイナーチェンジを図った新番組では、毎回メンバーがオファーをくれた企業や自治体とコラボし、現地に赴いて商品や各土地の魅力を伝えるオリジナルPVを作成するという外に開いた内容となった。

こう文字に起こすと企画コンセプトのありがち感は拭えないが、「では何がいいのか?」と聞かれたらそれは「温度感がちょうどいい」の一言に尽きると思う。

基本的にBGMもなく終始のっそり進む番組のテンポ。

コラボ内容の会議で、生のメンバーを前にしたオファー元のオジサン達が分かりやすくデレっとするあの緊張感の無さ。

そして「アイドルグループ+お兄ちゃん芸人」という鉄板フォーマットの王道アイドルバラエティも多い中、基本的に「アイドル」という枠組みにあまり興味のないひろゆきが、あの独特の斜め目線で応援するでも邪魔をするでもなく、ただじっとりとメンバーの動向を見守りつつ終始ふざけるように軽口を挟むあの温度感がちょうどいい。

思えば僕はアイドルバラエティ特有の「面白いことをやらねば」という演者スタッフ全体から滲み出る空気感に少しゲンナリしていたのかもしれない。

もちろんそれは「視聴者を楽しませたい!」という真っ当な熱意だと思う。

ただ、その合間でカットされ放送に乗らなかった部分に人知れずメンバーの悪戦苦闘があったり、それに伴うプレッシャーや反省などシビアな局面もあったのだろうなと無意識に想像してしまうと変に共感疲れしてしまう。

だからこそ、テレビやネット局をはじめYouTubeや各配信サービスなど膨大な数の番組がある今、この番組の独特の脱力感が見ていて心地よいのだろう。

ちなみに今のAKBは約80人ほど在籍しているらしいが、個人的に顔と名前が一致するメンバーは正直4~5人しかいない。

そんな僕でもなんとなく見ながら楽しめている辺りがこの番組の不思議な魅力なのだろう。

更新されたら真っ先に見るような熱量ではないが、ただなんとなくTVerの画面の隅に更新分を見つけるとダラっと見てしまう。このユルさが丁度いいのだ。

そうして地域の人々や各企業の方と素朴に接するメンバーの姿を見ていると、今後新曲が出た際に本気の顔を見てギャップで一気に惹かれそうな気もする。

同時に、いまや有名人か一般人かを問わず自己顕示欲の殴り合い状態な現状では、こうした一歩引ける目線こそが鍵になるんじゃないかと思う。知らんけど。


マッチポンプの身内ドッキリとかにゲンナリする反面、こういう人と人との触れ合いみたいなオーガニックな内容に惹かれるのはシンプルに見てるこっちの感性が老化したからかもしれないね(そうだね)

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