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嫉妬という言葉を「希望」に変えて。

tweetのタイムラインは時に、どどめ色に染まる。

あ、ミュートにしておくんだった、そのワード。

そんなこともたくさんあるし。

じぶんが見たくない世界をみせようとしてくる

ものもあるから、タイムラインの波は、ときに

こわい。

ネガティブな言葉が、というより。

この間気づいたのは、人のさびしさが怖いんだと

思ったことがあった。

ひとのさびしさって、泳いでいたら急に足の下を

冷たすぎる海流を感じて深みにはまってゆく

あの足のつかなさの怖さにもにている。

ふいにやってくるから。

そして、じぶんのさびしさだって怪しいのに

人のさみしさに触れた時に、恐れを感じると

知ったのだ。

否定しているんじゃなくて、ひとのこころが

怖いに似ている。

そんな思いでいたとき、海の波が穏やかに

なったような気がした。

好きな歌人で作家の方のリツイートが流れてきた。

彼の作品世界に憧れていた。

作品世界の「世界」もそうだけど、よのなかの

世界ってどこにあるんだろうっていう一抹の

疑問を、ここにあると教えてくれるような、

そんな小説。

だれもみたことのない景色を、だれもみたことが

ないがために、少しふあんになるけど。

このふあんは、共に登場人物と乗り越えるための

ふあんなんだと思えるような。

今、無防備だったので「やさしさ」って言葉が

浮かんだけど、ちょっと拒みたい。

わからないのだ、彼の良さをどんなふうに形容

すればいいのか。

すごく平たく、水平的に言えばもっとこの扉の奥を

みてみたいような、そんな作品群。

そしてそんな彼が新しい歌集をこの夏に出版される

ことを知った。

そしてわたしは、ひっそりリツイート

していた。

彼の作品の第一歌集の時もそうだったように。

言葉と冒険しているその短歌たちに

また嫉妬しちゃうんだろうなぁ…!楽しみに待っています!!

と送っていた。

それが、ポジティブな想いとしての「嫉妬」という

言葉。

わたしごときが嫉妬なんて百万年早いわな、言って

いいのかなって思いつつも、ありがたいことに

うれしい返事を頂いた。

少し思ったんだけど友人知人を嫉妬させるためにいい作品を作ろうと思うのってモチベーションのあり方としてなんだかいいような気がしました。

頂いたツイートの返信。

「嫉妬」という言葉を使って心地よく、そして

すがすがしく響いたはじめてのことだったかも

しれない。

世界が嫉妬した。

とか、

その嫉妬は○○が独り占めしている

とか、

ちょっとちゃらっとしたコピーでは

みたことがあったけど。

この言葉、本来ならはざらついているはずだった。

でも、リスペクトの意味だけで「嫉妬」を

つかうとき、その言葉はこんなふうにバトンを

渡し合うことになるんだなと。

個人的には、理不尽な思いにもまみれていた

1週間だったので、Twitterでのこのコミュニケー

ションがうれしかった。

そして、短歌から遠く離れてずいぶん経つのに、

いつかまた1冊にまとめたいという想いもあった

ので、そのことをお返事差し上げた。

そして律儀な彼はまたラリーにつきあって

くださったみたいで、

めちゃくちゃ、嫉妬させてください!

と、返してくださった。

言葉の先輩である彼に、後輩であるわたしは

エールをもらった。

「嫉妬」というエネルギーを、まっすぐじぶんの

力に変える作品との対峙の仕方を学んだ気がする。

「創作」とずっと付き合ってきた気がするけれど、

あたりまえに感じていた言葉の定義も、アングルを

変えてみるだけで、光を感じることがある。

最後にはお互いに頑張りましょうという言葉まで

贈って頂いた。

先輩や後輩など関係なく、同じ一直線上にいる

もの同士というようなほんとうにフェアな眼差しに

包まれていることが、わたしの呼吸を楽にして

くれた。

創るということに恐れながらも前に進めなかった

日々もあったけど、「嫉妬」という言葉のなかに

「希望」を感じさせてくれた1日だった。





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