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ずっと伝えることがこわかったけれど、裸のこころで書いてみた。(#読書の秋2020ポプラ社こどもの本編集部賞 受賞しました)


今年の5月頃って、ほんとうになんかわけがわからないほど、
くさくさしていて。

身近な人にやさしくできないでいて。
語調だって、無意識に乱暴だったと思う。

非常事態宣言が解けて、止まっていたものが
動き始めますっていう時期だったから。

じぶんでも、戸惑っていたし。

またなにかを1から築き上げたりするのは勘弁して
ほしいって気持ちもあった。

来し方行く末っていうけれど。

ほんとうにわたしの来し方、つまり過去ってほんとうに
なんだったんだっていう感情にまみれていた。
そういう感情に、むだにいっぱい付箋がついている感じで。

感情の器みたいなものがあふれてるのか、乾いてひかひか
しているのかわからないっていう。

そんな時、いつもずっと愛読していたサイトが相当な年月を
経ておめでとう周年だったので。
久しぶりにそのサイトの編集長の方にメールをさしあげた。

誰かに手紙を書いている時って、すとんと落ち着くので。

ほんとうに、まるくなれるので。

やさしさの欠片もなかった頃だったから

そんな気持ちを呼び覚ましたかった。

深夜。
映画「きみの鳥はうたえる」を夢中で見入っていた時、

気になっていた彼女がいた「僕」が

バイト明けでさよならって言った後、主人公は賭けにでる。

数を数えてみる。

何秒かで彼女が来るかなって。

来ないかもしれないのに、来たらいいなみたいな感じで数を

彼はカウントしていた。

見ているわたしも、つられて彼女来るといいねって思いながら

113秒、114秒。って数えていたその時、

メールが入ったお知らせ音が鳴った。

一瞬その音は映画の中のものかと錯覚するほどだったので、

よく把握できなくて。

それは現実のわたしの部屋の携帯からなっているものだった。

だいすきだった人から15年ぶりぐらいのメールだった。

ここではだいすきなって、書けるけど。

彼にだいすきだったって言ったことは一度もない。

あまりにも雲の上のひとだからだ。

かといってほんとうに雲の上のひとになっては

ほしくないけれど。

そのタイミングにも驚きつつ、うれしくて。

体温が若干ヒートした。

とてもシンプルだけど、今後の仕事の決意のようなものが
そこに綴られていて。
そこには確かな緊張感が伝わってきて。

うまくいえないけれど、その方の仕事や人に対する姿勢
みたいなものがふいに深夜、しんしんとしみてきて。

そのかけがえのない1通のメールの力たるやすごいもので。

その後、やるならやるで胸張って行こうみたいな気持ちが、
急遽わたしにも湧いてきて。

こんなに、人とふれあうことにためらいがあるこの頃なのに、
ちゃんとこころ届きましたって気持ちになっていることが、
どこか今後のエンジンになっているといいなって。

本気でそう思った。

そんな想いでnoteの街に来て。

わたしは一冊の本と出会った。

この本はコンテストに応募するために

読みだしたのだけれど。

1ページめくるたびに、こころかどこか

身体の名前のない場所に響いてきて

この想いをどんなふうに言葉にすればいいのか

わからなくて。

ピンッ きみが なげる。

ポンッ あのこが かえす。

その言葉に触れていた時、きみの顔が浮かんだ。

でも彼の事は顔も知らなかったのに。

顔が浮かんだような気がした。

そしてわたしは、彼に伝えたいんだこの想いを

そんな思いに駆られて、夢中で書いた。

あの日わたしはひとりで書いていないような

気がしていた。

書いたことはすこし遠い過去のような気が

していたら。

まるでクリスマスプレゼントのようなご褒美を頂いた。

☝この記事が受賞いたしました☝

わたしは、いい子ちゃんになっていうのではなくて。

この感想文をわたしひとりで書いたとは思っていない。

いや、そう思えないのだ。

noteの街にひとりで来てみたら、みんなひとりだったんだって

言ってくれて、いろいろな人達と仲良くなった。

誰かと仲良くなることをしばらく忘れていた頃だったので

懐かしい記憶を辿るような甘美な時間。

あの甘美な時間が信じられないぐらいに今も続いている。

わたしはそのことにお礼を申し上げたい。

そしてこの記事に花を添えてくれた、みなさんが贈ってくださった

コメント欄がほんとうに素晴らしい。

涙がでるほどすてきなことばが綴られている。

そして読んだ後、パソコンの前で実際に泣いたけど。

これって、この絵本のコンセプトそのままではなかろうか。

だから、なによりもわたしはこの本のこの記事とこの

コメント欄でポプラ社から賞を頂けたことがなによりうれしい。

みんなで獲った賞ですこれは。

ほんとうに心の底からそう思える日々をみなさん

ありがとうございました。

そしてわたしの大好きな人たちも一緒に受賞されました。

心よりお祝い申し上げます!

ポプラ社こどもの本編集部の皆様ほんとうにありがとうございました。

今日はみなさんへの想いを短歌に託してみました。

かなこさんです!

かなこさんへ。

🎅いろどりが 移ろってゆく 彼方の景色
🎅霞んでる せつなのなかに 身をひそめて

ミーミーさんです!

ミーミーさんへ

🎅はじまりの はじまりはどこ? せかいをみてる
🎅G線上の とちゅうのばしょで ふたり生まれて

北野赤いトマトさんです!


北野赤いトマトさんへ

🎅いまここに いないだれかを 想う春の日
🎅秒の束 砂のましたに あてはめながら

追記:おすすめして頂いた末吉宏臣さん、ももりゅうさん、かなこさん
ほんとうにありがとうございます。心よりお礼申し上げます。

ひかひかの 器のなかに なにかをいれて
ひたひたの 器のなかを すきでみたして


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