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#映画

こんな悲しい年明けには。【言葉を使う人へ】

こんな悲しい年明けには。【言葉を使う人へ】

(約900字)

ジブリ映画『千と千尋の神隠し』では、
データ放送に宮崎駿監督のメッセージがありました。

全文ではありませんが、以下は言葉に対する大切さを語っていると思い、掲載します。

言葉は力である。千尋の迷い込んだ世界では、言葉を発することはとり返しのつかない重さを持っている。湯婆婆が支配する湯屋では、「いやだ」「帰りたい」と一言でも口にしたら、魔女はたちまち千尋を放り出し、彼女は何処にも

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プリズムで人生を照らす -傑作映画『天が許し給うすべて』の魅力

プリズムで人生を照らす -傑作映画『天が許し給うすべて』の魅力

【木曜日は映画の日】



以前、映画のカメラマンを紹介したことがあります。その中でも、自然な光を捉えるタイプと、人口の光を捉えるタイプのカメラマンがいました。

人工的な場面を作るカメラマンや映画監督は、光に意味を持たせます。自然ではない光によって、登場人物の心情に意味を持たせて、鑑賞者にそれを味合わせるのです。

そうした人工的な光によって彩られた傑作メロドラマの一つに、ダグラス・サーク

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ノスタルジア 雨音と水音

ノスタルジア 雨音と水音

このジャニュアリー、アンドレイ・タルコフスキーの『ノスタルジア』の4K修復版が公開される。

『ノスタルジア』はタルコフスキーの中でも破格の美しさを放つ作品であり、イタリアに行き、亡命を果たす直前の映画である。1983年の作品だ。

タルコフスキーの映画ではいつも、水と火がビューティフルに撮られているが、今作もその例に漏れない。

雨音の藝術というものがある。いや、雨も音も藝術なのだ。水音、雨音、

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