くちなし

上手く気持ちの整理がつかないときに、どこかの誰かが、この気持ちなのかもと思いアップして…

くちなし

上手く気持ちの整理がつかないときに、どこかの誰かが、この気持ちなのかもと思いアップしていきます。 短編にもならないベリーショートな文章たちです。 エッセイのような小説のような。 物書きにあこがれる、そんな日々。

記事一覧

どこに立っているのか

「ねぇ、何を見ているの?」 誰かが問いかけている。 「見えないものを見たいんだ」 どこかで聞いたかのようなセリフを言ってしまった。 信じてきたものが瓦解して、足元が…

くちなし
3か月前
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普通のブログ。こんな日があってもいいよね

コロナから回復し、本日久しぶりの出社。 まず最初の異変は、体力が明らかに低下している。 最寄り駅まで5分・・・賃貸情報では3分の距離で心臓が破裂しそうなくらいだっ…

くちなし
3か月前
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わからないふり

例えば、たまたま早く目覚めてカーテンを開けたとき。 雲一つないような晴天。まだ少し冷たい風が吹いている。 夏が始まる前の、つかの間の爽やかな朝日を見て胸が苦しく…

くちなし
3か月前
3

ノリの良さ

「おねぇさん、一人?だよね。おなかすかない?」 初めてそう声をかけられた時は訳が分からず、馬鹿正直に、さっき食べたばかりなので、おなかすいてませんし、すぐ帰りた…

くちなし
3か月前
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熱に浮かされて

じりじりと肌を焼こうと日差しが降り注ぐ、夏が始まる真昼間に。 なぜ私はクーラーのきいた部屋でおなかをすかせて、網入りの窓ガラス越しに青空を眺めているのだろうか。 …

くちなし
3か月前
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自己紹介

はじめまして。くちなし、です。 くちなしとは、漢字で梔子と書きます。 真っ白の花弁の日本の三大花木の一つでもあるとても良い香りの花です。 花言葉は「幸せを運ぶ」…

くちなし
3か月前
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どこに立っているのか

どこに立っているのか

「ねぇ、何を見ているの?」
誰かが問いかけている。
「見えないものを見たいんだ」
どこかで聞いたかのようなセリフを言ってしまった。
信じてきたものが瓦解して、足元が常に揺れている感覚。
あの頃からずっと、自分にだけ地震がきているかのような、そんな気持ちの悪さがいつまでたっても消えない。
「いつまで信じているの?」
「もうなくなったことはわかっているよ」
「でも、まだ信じてしまっているんでしょう?」

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普通のブログ。こんな日があってもいいよね

普通のブログ。こんな日があってもいいよね

コロナから回復し、本日久しぶりの出社。
まず最初の異変は、体力が明らかに低下している。
最寄り駅まで5分・・・賃貸情報では3分の距離で心臓が破裂しそうなくらいだった。
次は三半規管。
この時期は満員電車に乗る勇気がないため各駅電車で1時間揺られるのだが、3駅目で酔った。
元気だったあの頃は最後まで立ってられたが、今日はダメだった。
すぐに空いた席に座った。あとはひたすら到着まで眠るだけである。

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わからないふり

わからないふり

例えば、たまたま早く目覚めてカーテンを開けたとき。
雲一つないような晴天。まだ少し冷たい風が吹いている。

夏が始まる前の、つかの間の爽やかな朝日を見て胸が苦しくなることがある。

まだ何も知らなかった無垢なあの頃を思い出す。
切なさと同時にどうしようもない愛おしさが私を襲う。

私は恋を知らない。
でも、きっとこの胸の痛みがそれだというのなら、とても大切で、とても愛しくて、同時にとても悲しく感じ

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ノリの良さ

ノリの良さ

「おねぇさん、一人?だよね。おなかすかない?」
初めてそう声をかけられた時は訳が分からず、馬鹿正直に、さっき食べたばかりなので、おなかすいてませんし、すぐ帰りたいので。と断ったことをはっきりと覚えている。
私は血の気が多い方であると自覚があるので、その時も、知らない人に声をかけられて怖い、などとかわいいことは思わず
“人が急いで歩いている前をふさいで何しょうもないこと言ってるんだ。邪魔すんな”

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熱に浮かされて

じりじりと肌を焼こうと日差しが降り注ぐ、夏が始まる真昼間に。
なぜ私はクーラーのきいた部屋でおなかをすかせて、網入りの窓ガラス越しに青空を眺めているのだろうか。

答えは簡単だ。数年前から猛威を振るい世界を襲っている「コロナウイルス」に感染した。これで、二度目だ。

今となっては仕事は休みにならないし、特別手当が出るわけでもない。

それでも羅漢者の辛さは変わらないのだからやってられない。

片手

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自己紹介

自己紹介

はじめまして。くちなし、です。

くちなしとは、漢字で梔子と書きます。

真っ白の花弁の日本の三大花木の一つでもあるとても良い香りの花です。

花言葉は「幸せを運ぶ」「優雅」など。

香りも好きですし、花言葉も素敵ですよね。

ここは私がうまく感情の整理ができず困ってしまい、紆余曲折した結果、
「どこかの誰かがきっとこう思っていた」という雰囲気で言葉を連ねることによって消化できることに気づき、それ

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