ぐり

元SAPIX国語科講師。

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元SAPIX国語科講師。

最近の記事

WS-162️⃣

三浦綾子「この重きバトンを」から。攻玉社で出題。 <分析> ① 場面分け(心情に着目 ※時間や場所などに着目しても分けられる) 1 L1~40(マイナス) 母と別れ、年季奉公に出された→寂しい 仕事もできず、味方もいない→悲しい 2 L41~86(プラス) お嬢さんが味方だと分かった→うれしい ② 設定 時代背景:明治三十一年 境遇:「私」は年季奉公に出されている←家が貧しい 特徴:「私」は幼い(小学四年生)→成長(

    • WS-161️⃣

      伊藤亜紗「目の見えない人は世界をどう見ているのか」から。巣鴨の過去問。香蘭、法政第二、栄光、洗足、甲陽、ラ・サール、愛光などで出題。 問一 ⑥説明記述。指示語の展開。線部延長すると「でも難波さんは、これを単なるネガティブな状況とは受け取りません」となる。指示語「これ」はL7「こうした状況」を指す。L7「はたから考えれば、こうした状況は100パーセントネガティブなものです」と説明されているので、一般的にはマイナス。しかし、難波さんはそうは受け取らない。「こうした状況」は連体詞

      • WS-152️⃣

        帚木蓬生「ネガティブ・ケイパビリティ」から。高輪、海城で出題。 問一 漢字 問二 具体例選択。「浅い理解」をキーワードに読み進めると直後に「浅い理解でとどまりやすいのは、重ね合わせ的理解です。いわゆる小さな細々とした理解を積み重ねて、大きな理解を目指します。」とあるので、この具体例となっている選択肢を選ぶ。 ア × 「通説を知る」という「重ね合わせ的理解=浅い理解」と、「自分でも観測」という「発見的理解」が混在している。 イ ○ 「逸話を集める」のは「重ね合わせ的

        • WS-151️⃣

          河合隼雄「泣き虫ハァちゃん」からの出題。桐朋ベース。桜美林、横浜共立、西大和、かえつ有明、成城学園でも別場面の出題あり。 <分析> ① 場面分け(心情に着目) 1 L1~94(マイナス) 嘘を書いた作文でほめられた→いたたまれない/後悔/罪悪感 2 L95~119(プラス) 兄弟が自分の気持ちを分かってくれて、笑い飛ばしてくれた→感動/うれしい ② 設定 時代背景:昭和初期 境遇:ハァちゃんは広田先生と気が合わない 特徴:

        WS-162️⃣

          WS-142️⃣

          椰月美智子「しずかな日々」からの出題。 品女、暁星、慶應湘南藤沢、国学院久我山、芝(2009)、湘南白百合、筑波大附属、東京都市大付、土佐塾、獨協埼玉、函館ラ・サール、 早稲田(2011)などで出題。 問一 漢字 問二 脱語挿入。副詞。選択肢になっている語の意味が分かるように。 ア × 「つらつらと」=念を入れて物事を考えたり見たりするさま。よくよく。つくづく。 イ ○2 「とつとつと」=口ごもりながら話すさま。 ウ ○1 「はたと」=動作や状況が急に変わるさま。 エ ×

          WS-142️⃣

          WS-141️⃣

          高槻成紀・南正人「野生動物への二つの視点」からの出題。62A-07読解演習と同じ文章の別箇所。光塩、栄光、東京学芸大世田谷、横浜共立、品川女子、東京農大一、立教女学院などで出題。 問一 適語補充選択。線部延長すると「当然それは『 X 』なる」となる。指示語「それ」の内容はL11「横」。その説明は定義文L11「『横』とはただ名前を確認し、そのことを延々と水平に展開してゆくことをいう」にある。 X の中にはL13「見た種類を増やし」ていく、「横」の持つ性質であるエ「広く浅く」

          WS-141️⃣

          WS-132️⃣

          石原千秋「未来形の読書術」からの出題。頌栄ベース。同箇所が清風でも出題。同文章の別の箇所が早稲田、渋渋、海城、品女、獨協埼玉他でも出題されている。 問一 漢字 問二 語彙 a 「趣味が高じる」…「高ずる」は「程度がひどくなる。つのる」という意味。よって「趣味が高じる」は「趣味の程度がひどくなっている」ということ。 b 「ともすると」=どうかすると。場合によっては。 問三 接続語。 1 直前は「見栄を張るのにもいろいろ屁理屈がいる」ことを認めている。直

          WS-132️⃣

          WS-131️⃣

          石田衣良「火を熾す」からの出題。浦和明の星、品女で出題。 問一 漢字 問二 説明抜き出し。設問条件よりL123以降。「筋の良さそうな」はプラスの表現なので探す説明もプラス。設問文より「光弘」が「壮太」を「見ている」場面を探す。L128に「光弘は不登校の少年の顔をよく見た」とあり、「不登校の少年」とは「壮太」のことなので、これに続くL129「煤ですこし黒くなっているが、実に利発そうな顔をした子どもだ。」が光弘による壮太の評価。問われ方が「表現」と曖昧なので、「実に」の有無、

          WS-131️⃣

          WS-122️⃣

          いしいしんじ「調律師のるみ子さん」からの出題。 問一 ⑧理由記述。設問文に「できるだけ文中の言葉を用いて」とあるので写せる。「ピアノのチューニング」がキーワード。L13「『いつの間にかまた調整が必要となる』ピアノのチューニングのおかげ」とあるのでここを説明する。 <理由> L12「仕事の注文が途絶えることはありませんでした」 →仕事が途絶えないようにするため/仕事が来るようにしたいから④ <方法> L13「『いつの間にかまた調整が必要となる』ピアノのチューニングのおかげ」

          WS-122️⃣

          WS-121️⃣

          清水良典「あらゆる小説は模倣である。」からの出題。世田谷学園(2015②)の過去問。世田谷学園は入試講評を公開しており、各問の正答率が分かる。 問一 語彙。合格者の二問完答は32.9%。一問正解は48.2%。不正解は18.9%。両方不正解は致命的。 A 一世を風靡する…その時代の人々がことごとく受け入れ従うようにする。ある時代に圧倒的に流行する。 B 股にかける…諸方を歩き回る。各地を飛び歩く。 問二 説明選択。完答60.1%。一問正解は34.6%。不正解は5

          WS-121️⃣

          WS-112⃣

          松村圭一郎「うしろめたさの人類学」 サレジオの過去問。豊島岡でも同じ箇所が使われている(問題は当然異なる)。同文章は別の箇所が開成、早実、海城②、香蘭でも出題されている。 問一 適語補充抜き出し。問題提起→答えの形。L14「商品交換と贈与を区別しているものはなにか?」という問に対する答えが、L15「フランスの社会学者ピエール・ブルデュは、その区別をつくりだしているものは、モノのやりとりの間に差し挟まれた『 A 』だと指摘した」。指示語「その区別」の内容はL14「商品交換と贈

          WS-111⃣

          吉橋通夫「どろん」 芝中の過去問。 問一 語彙。 A 「船/舟をこぐ」=居眠りをする。 B 「清水の舞台から飛び降りる」=思い切る。大きな決断をする。 C 「嘘八百」=多くの嘘。全くのでたらめ。 問二 説明選択。易問。比喩の意味を読み取る。線①の主語は親方で、「仁王さま<みたいに>」と喩えられている。親方が喩えられているのだから、親方のセリフや行動が根拠となる。「仁王」は金剛力士。寺門の左右にあって、その忿怒の形相で仏敵を払う守護神。ゆえに正義と(悪人

          GSのテキストの使い方

          SAPIXとしては当然に必須の講習であるとの位置づけ、経験した保護者からは最も意味がなかったと評されることの多い講習かと思われます。 国語に関して言えば、文章が古すぎるという点を除けば、良質なテキスト群です。少なくとも無意味ではない。 ただ演習授業の場合、6~7割程度得点できた問題について復習をするのが効率の良い勉強です。この観点でいうとGSの問題は難しく、時間が足らないということが多いです。 具体例を挙げれば偏差値60以上を狙うコースでも大問1,2を45分で解いて最高点

          GSのテキストの使い方

          GS-022⃣

          茂木健一郎「どうすれば頭がよくなりますか?」 城北で出題された文章。 問一 接続語 問二 理由選択。「英語が苦手」という話題を探すとL19「なぜ、こうまで日本人は英語が苦手なのか?」という問題提起の文があるので、その答えを読む。するとL24「<つまり>、ながらく日本は文化の輸入に頼る『翻訳文化』に馴染んできたわけだ」とあり、その結果L65「外国のものを、次々に翻訳アレンジしてしまうので、英語そのものでコミュニケーションする機会が格段に減ってしまった」とつながる。 ア

          GS-022⃣

          GS-021⃣

          三浦綾子「泥流地帯」 大妻多摩、鎌倉学園、香蘭、成蹊、田園調布学園などで出題。近年では普連土(2021①)で出題されている文章。 問一 適語補充選択。線部延長すると「床を掃きながら、耕作は内心 1 していた」となる。その理由は直後L7「いつ先生が現れるかわからない。手伝っているのを見つけられたら、何と言って叱られるだろう」と考えており、L15「叱られるのは嫌だ」と思っているから。よって心情は緊張/恐怖。ゆえに「びくびく」を入れる。プラス属性のエ「うきうき」は論外。 ア

          GS-021⃣

          GS-012⃣

          森本哲郎「日本語 表と裏」からの出題。 問一 接続語。 ア 直前がL40「九〇%以上の人がみな同じ『中流』階級に属しているなどと思っている国は、他にない」となっており、これに「( ア )、私はこれに異存があるわけではない」が続く。さらにL42「貧富の差がなく、国民の所得が平等に近いということは大いに結構なことである」と続くのだから、「当然に」といったニュアンスの「むろん」を入れる。 イ L45「各人の意見までが同じでなければならぬという道理はない」のに、L46「同質