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ファイトクラブだッ!

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逆噴射小説大賞に投げたやつの格納庫 年は関係なし
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#パルプ小説

恋の猿島

恋の猿島

拝啓、カムラさんへ。
久しぶりの連絡が手紙なのは、どうしてでしょうね——

当たり障りのない文面。星川睦美は笑った。知り合って3日の男が、それより昔、自分が知らない女からもらった手紙。カムラはフられたようだった。

睦美は、それをぐしゃぐしゃに丸めて、黒い海へと投げ返す。

ぜんぜん飛ばなかった。

「あははは」

どんな感情を見せても、カムラは立ち上がらなかった。
だが、睦美もそうだった。どんな

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越海教師芝居学舎

越海教師芝居学舎

「わたしにーかぶきを、おしえてくださいッ」

ダラス・ウエスト・パブリック・スクールの日本語クラス史上、クララほど僕を眩暈させた子はいなかった。
不慣れな日本語から一転、南部訛りで僕を問い詰める。

「歌舞伎って言ったっしょ。ちゃんと聞いてたん? 水谷先生?」
「ええと、はい」

僕が思うに、歌舞伎はあまりにも崇高だ。
一緒にお手製の字幕付きアニメを見るのとは違う。

「カッコいいんでしょ?」

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そしてハナズオウへ至る季節

そしてハナズオウへ至る季節

その塊は、伊東にとって、最初の娘だった。
たしか、五歳と覚えてる。

大根田は塊を一瞥した。
花と蔓、蝋と蜜で飾られた、豪華な本か、人革の飾箱のようなそれを。
表に嵌めこまれた、まだ、ぴくぴくと動く心臓を。
嫌な顔をした。

伊東は気にも留めてない。
彼は恋人に語る口で、狭い部屋に澄んだ声を響かせる。

俺の出番はまだない。

「死んだら、灰になるだけだ。僕は彼女に意味をもたせた」
大根田は太く大

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死神とアリスの迷宮

死神とアリスの迷宮

紫煙、硝子の雲海、女、70mの万華鏡。君はそいつを見上げてる。声がする。
『二度とこの場所に来るのでない。二度とじゃ』

「奇妙な夢を見たんだ」
「前は臓器を50万で売る夢だったよな? 医学部で」
スケッチブック柄の眞人とアメフト体系の博。熱心に勉強しない彼らは近代建築賞を取った昼下がりの大学内カフェに来ても、賢そうな話題で茶を濁す。
「——起きろ、そして来るなって言われた」
「その続きは?」

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何も知らないあなたの旅路と、歯車の壊れた私の家路

何も知らないあなたの旅路と、歯車の壊れた私の家路

立ち止まるのは悪い癖。私はどうせ、限界がある。

「…ねえ! お願い!お願いッ!」

もうだめです。
綾西絃帆は死にました。旅の終点沖縄で。

剃刀みたいな岩で作られた、夕日が最後に落ちる岬を登り、底なしの青い海へと落ちました。
盗んだバイクは待ち人なし。

でも、どうしてこんなノートを残したの? 本当に彼女はいじわる。

読んじゃダメ 遺書=9/9 改メ日記=8/28〜

一緒に帰ろう。

私は

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されどお前には継がせない

されどお前には継がせない

少しくらいは俺の話をしてくれてもいいのに、三人ともバカだから鞄の中身しか気にしてない。
困った。鞄のカネ、ここの路地裏のドブから湧いて出たんじゃないんだよ。俺が銀行襲ってバッチリ揃えた十七億だ。ダッフルバッグに詰めるまで、結構大変だったのに。

「絶対私のモンだから! ビタ1円切るもんか!」
女は銃を向けている。俺ではない男へ向かって。

「るせえ! 俺は約束したんだよ。中まで通して対価に貰うと」

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『ロングソードの返済者』

『ロングソードの返済者』

「私、魔具にもならねえよね」「黙れ」
「あとどれだけ話せる?」「俺を泣かせるのはやめろ」
もうギュミとは喋れない。今や俺だけがお尋ね者だ。
この街だけじゃなく、トゥードラ大陸全体で。首、回る訳ねえ。

少し遡る。
取り立て人の俺たちは、政界のドン、かつての勇者の大豪邸を訪れた。

「借りたもんは返してもらうぞ」
プールサイドで侍女に囲まれ、肥えたそいつが怪神殺しの伝説の男。
「明日の地租で払うよ、

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10セントの命を追って

10セントの命を追って

或る夜。月は寄せては返す波めいて、不穏な光を放っていた。
それは自然の警告にも思えたが、罰当たりな彼らは黒澤明由来の農村の真ん中に73式中型トラックを停めた。
メガネの男が呟く。
「前は蛮人、次にUMAと来た。死人は増えるばかりです。穏便に済みますか?」
人類学者、河添教授は頷いた。
「赤井君、解決方法は一つじゃないだろ」
赤井は頭を掻いた。
「その為の我々ですけども」
教授は黙って外に出た。

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