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青大将の恋-スペクタクルショー

シロマダラ蛇と遭遇した北谷ダム

 青大将の恋
 先日、太宰府市の北谷ダム湖周囲を散歩したら、シロマダラ蛇に遭遇しました。福岡に住んで50年程度で目撃したのは全部で4回程度です。珍しいものを見て、生まれ育った天草での「青大将の恋」のスペクタクルショーを思い出しました。
 
 私が就学前の5才(昭和33年)の頃、梅雨の晴れ間の話です。
当時はまだ上水道も整備されていなくて、飲料水は私の家が属する「畑田小組合」では、自宅から400m程度の、小川の源流“いちょ川”にバケツを天秤で担いで水汲みに行くのが日課でした。
 
 その日の朝、水汲みから帰ってきた人の話でしょうか、自宅にいた私の周辺がざわついていました。「いちょ川の ”あこうの木” に、どもこも太か ”えぐちなわ”(青大将)が2匹巻き付いとっちゅうばえ!」(いちょ川の ”あこうの木” に、とても大きな ”青大将”が2匹巻き付いとるらしか!)と言うことです。
 当時の田舎では楽しみが少なく、こんな事まで話題に上りました。

 本日、ネットで青大将の交尾について調べたところ、青大将は蛇の中でも大きく、長時間かけ絶頂期には、殺し合いではないかと思われるような、巻き付き転げ回り、激しい絡み合いを繰り広げ、交尾に熱中します。
 これは自然の中で行われるスペクタクルショーと言えるでしょう。

 
 母も水汲みに行って、既に帰って来ていましたから当然知っていたことでしょう。5才の私に教えなかったのは、交尾ですから教育の観点からと思います。
 
 私は ”えぐちなわ” と聞いて、怖いもの見たさもあって、急いで“いちょ川”に向かいました。
川向こうから大きな ”あこうの木” がいくつも枝を伸ばしています。その前に人だかりがしていました。
 その木の中程の枝を見ると、大きな ”えぐちなわ” が先行した一匹を追いかけるようにもう一匹、後に続いています。
 
 私が到着した後からも、続々と見物人が集まってきます。近所の遊び友達も、いい大人(おばさん、おじさん)も、そして私の畑田小組合を越え、西から東まで浅海集落全体から見物人が集まってきました。
 ここで役者と観客がそろいました。スペクタクルショーの始まりです。

 
 2匹は寄り添い、木から落ちそうにぶら下がりながらも懸命に愛の交歓?をしている風でしたが、次第に木あるいは相手に巻き付き、絡み合い激しさを増して行きました。ネットでみたらペニスを突き刺しているところがありましたが、そこは大人は気づいたかも知れませんが、5才の私には解りませんでした。最後に絞め殺すのではないかと強く締めてやがて脱力していきました。
 終わった後の2匹はクールなものです。するすると枝を這って2匹の役者は退場していきました。
美川憲一の「女の朝」――♫ あさがきたのね さよならね――ちょっとふるいかな?--のイメージです。
 これでおよそ1時間半 程度のスペクタクルショーは終わりました。
観客も三々五々と帰っていきました。                       終わり

当時、私(虚士)の生活圏

  以下に青大将の交尾、最近見たシロマダラ蛇の写真がありま。苦手な人は見ないで下さい。(でも青大将の交尾は圧巻ですよ!)




青大将の交尾
最近見たシロマダラ蛇


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