読んでよかった!全読者が泣く感動の直木賞受賞作おすすめ10選
小説を読んでいると「なんかいい本ない?」と聞かれることありませんか?
そんなとき無難で手堅く頼りになるのが直近の直木賞受賞作。
ふだん読書をしない人でも「直木賞(直木三十五賞)」の名前はみんな知っていて親しみがあります。直木賞受賞作はエンターテインメント色のある大衆小説から選ばれるので、ミステリー・冒険・青春・恋愛など感動の名作が並んでいます。
今回は、読書慣れしていない方でも気軽に読める直木賞を受賞した過去10年くらいの直木賞受賞作の一覧です。
読書量が多い人はついマニアックな本をお勧めしてしまいがち。読書慣れしていない一般の人とは好みが違うことを自覚して「この中から興味のわく本を選ぶといいよ」とオススメしましょう。
ランキング形式ではないです。最高峰の文学賞を受賞した作家さんの作品に順番をつけるような恐れ多いことはできませんでした。10作品いずれもイチオシの素晴らしい小説です。
「海の見える理髪店」荻原浩|第155回 直木賞
主の腕に惚れて、有名俳優や政財界の大物が通いつめたという伝説の理髪店。僕はある想いを胸に、予約をいれて海辺の店を訪れるが…「海の見える理髪店」。独自の美意識を押し付ける画家の母から逃れて十六年。弟に促され実家に戻った私が見た母は…「いつか来た道」。人生に訪れる喪失と向き合い、希望を見出す人々を描く全6編。父と息子、母と娘など、儚く愛おしい家族の小説集。第155回直木賞受賞作。
「蜜蜂と遠雷」恩田陸|第156回 直木賞
近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。
「ファーストラヴ」島本理生|第159回 直木賞
第159回直木賞受賞作。夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。
「銀河鉄道の父」門井慶喜|第158回 直木賞」
【第158回直木賞受賞】『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など数多くの傑作を残してきた宮沢賢治。清貧なイメージで知られる彼だが、その父・政次郎の目を通して語られる彼はひと味違う。家業の質屋は継ぎたがらず、「本を買いたい」「製飴工場をつくってみたい」など理由をつけては、政次郎に金を無心する始末。普通の父親なら、愛想を尽かしてしまうところ。しかし、そんなドラ息子の賢治でも、政次郎は愛想を尽かさずに、ただ見守り続ける。その裏には、厳しくも優しい“父の愛”があった。やがて、賢治は作家としての活動を始めていくことになるが――。天才・宮沢賢治を、父の目線から描いた究極の一冊。
「熱源」川越宗一|第162回 直木賞
【第162回 直木賞受賞作】降りかかる理不尽は「文明」を名乗っていた。樺太アイヌの闘いと冒険を描く前代未聞の傑作!樺太(サハリン)で生まれたアイヌ、ヤヨマネクフ。開拓使たちに故郷を奪われ、集団移住を強いられたのち、天然痘やコレラの流行で妻や多くの友人たちを亡くした彼は、やがて山辺安之助と名前を変え、ふたたび樺太に戻ることを志す。一方、ブロニスワフ・ピウスツキは、リトアニアに生まれた。ロシアの強烈な同化政策により母語であるポーランド語を話すことも許されなかった彼は、皇帝の暗殺計画に巻き込まれ、苦役囚として樺太に送られる。日本人にされそうになったアイヌと、ロシア人にされそうになったポーランド人。文明を押し付けられ、それによってアイデンティティを揺るがされた経験を持つ二人が、樺太で出会い、自らが守り継ぎたいものの正体に辿り着く。金田一京助がその半生を「あいぬ物語」としてまとめた山辺安之助の生涯を軸に描かれた、読者の心に「熱」を残さずにはおかない書き下ろし歴史大作。
「少年と犬」馳星周|第163回 直木賞
【第163回直木賞受賞作】 傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは一匹の犬だった――。犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……。
「つまをめとらば」青山文平|第154回 直木賞
第154回(2016年)直木三十五賞 女という圧倒的リアル! 直木賞受賞作 去った女、逝った妻……瞼に浮かぶ、獰猛なまでに美しい女たちの面影はいまなお男を惑わせる。 江戸の町に乱れ咲く、男と女の性と業。 女が映し出す男の無様、そして、真価――。 太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。 身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか――。 時代小説の新旗手が贈る傑作武家小説集。 男の心に巣食う弱さを包み込む、滋味あふれる物語、六篇を収録。 選考会時に圧倒的支持で直木賞受賞。遂に文庫化!
「月の満ち欠け」佐藤正午|第157回 直木賞
あたしは,月のように死んで,生まれ変わる──目の前にいる,この七歳の娘が,いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の,三十余年におよぶ人生,その過ぎし日々が交錯し,幾重にも織り込まれてゆく.この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は,戦慄と落涙,衝撃のラストへ.
「宝島」真藤順丈|第160回 直木賞
第160回直木賞受賞! 希望を祈るな。立ち上がり、走り出せ。愛は囁くな。大声で叫び、歌い上げろ。信じよう。仲間との絆を、恋人との愛を。美しい海を、熱を、人間の力を。あらすじ/英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み――グスク、レイ、ヤマコ。生きるとは走ること、抗うこと、そして想い続けることだった。少年少女は刑事になり、教師になり、テロリストになり――同じ夢に向かった。
渦 妹背山婦女庭訓 魂結び 大島真寿美|第161回 直木賞
【第161回 直木賞受賞作】筆の先から墨がしたたる。やがて、わしが文字になって溶けていく──虚実の渦を作り出した、もう一人の近松がいた。江戸時代、芝居小屋が立ち並ぶ大坂・道頓堀。大阪の儒学者・穂積以貫の次男として生まれた成章。末楽しみな賢い子供だったが、浄瑠璃好きの父に手をひかれて、芝居小屋に通い出してから、浄瑠璃の魅力に取り付かれる。近松門左衛門の硯を父からもらって、物書きの道へ進むことに。弟弟子に先を越され、人形遣いからは何度も書き直しをさせられ、それでも書かずにはおられなかった半二。著者の長年のテーマ「物語はどこから生まれてくるのか」が、義太夫の如き「語り」にのって、見事に結晶した長編小説。「妹背山婦女庭訓」や「本朝廿四孝」などを生んだ人形浄瑠璃作者、近松半二の生涯を描いた比類なき名作!
いやぁ直木賞って本当に素晴らしいですね。普段ビジネス書や実用書しか読まない人を奥深い小説の世界にひきこむ夏の小技のひとつです(ニヤリ)
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今回も ia19200102 さんのイラストをお借りしました
いつも素敵な読書イラストをありがとうございます
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