「自分たちの手で変えられる」と教えてくれた1冊
支持率が上がっているそうです。
何がどうなってそうなったのかはわかりません。もし、その原因が↑で触れている「『可もなく不可もない岸田政権にまかせておくか』という、冷めた、あきらめみたいなもの」だとしたら深刻な事態です。なぜなら中身の伴わない数字だけの支持率とは、つまり「どうでもいいから現状維持で」みたいなニヒリズムの蔓延を意味しているから。
本来であれば、与党はこの状況に危機感を持たないといけない。でもそういう感じでもないですよね。選挙さえ勝てればOKと考えている政治家が政権を担っているとしたら、それこそ大問題です。
不可もない? ではいまの状況での増税は可なのでしょうか?
私にとっては不可です。特に消費税は廃止するか下げるべきと考えています。増税分の大半が社会保障ではなく法人税減税の穴埋めに使われていることが判明した時点で約束が違うわけで、正当化の根拠は崩れています。
復興特別所得税を防衛費の増額分に充てるのも反対です。趣旨が違い過ぎる。そもそも防衛増税に関しては、あまりにも中身があやふやです。「外国の攻撃から国を守るためにはこの武器の購入が必要。そのためにはこれぐらいの予算がほしい。しかしこれだけの額が足りない」という具体的な見積もりが示されていない。
これではわざと詳細を曖昧にし、余った分を他の目的へ流用しようと企んでいると疑われても仕方ないでしょう。アベノマスクや東京五輪の件を見れば、むしろ信じる方が難しい。
公のためになる不可欠な政策だと胸を張って断言できるのなら、その根拠を堂々と明示してほしいです。是非を問うのはそれから。丁寧な議論を避け、ロシアや中国の脅威をむやみに煽り、脅すように軍備増強を押し通すのはいわゆる「ショック・ドクトリン」。フェアなやり方とはいえません。
先日noteにこんな記事を書きました。
もう1冊追加させてください。
40年ほど前にスペインで生まれた絵本です。時期的にはフランコの独裁体制が終わり、久し振りに自由選挙が復活した頃でしょう。
書かれているのは当たり前のことばかり。たとえば「投票は権利だ」「かんじんなのは、どの政党がいちばんいいか、いちばん賛成できるか、ひとりひとりがよく考えて、えらぶことだ」「代表がたくさんいる政党もあれば、少ない政党もある。けれども、みんなが政府に声をとどける」とか。
誰もが当然のようにわかっています。しかし陽明学の「知行合一」という観点に立つと、頭ではわかっていても行動が伴っていなければわかっていないのと同じなのです。
己の詰めの甘さを痛感せずにはいられませんでした。特に少数議席の野党に対する考え方。国民主権というのなら、未来を託せると信じた党を長い目でしっかり育てないといけない。その主体性が欠けていたなと。
国のあり方は自分たちの手で変えられる。そのための民主主義です。ぜひご一読ください。