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「人生の縮図」と「本音」

人間の可能性ってすごいですね。

2017年4月、試合後に倒れて急性硬膜下血腫と診断され、長期欠場。以後は新日本プロレスのLA道場でコーチを務めつつトレーニングに励んでいた柴田勝頼選手。そして今年の1月4日、東京ドーム大会で復帰を果たしました。

ただ対戦相手の成田蓮選手は、明らかに首から上への攻撃を避けていました。やむなし。いくら「通常のプロレスルールにしたから(元々は打撃禁止だったが、当日柴田選手の意向で変更)顔を張ろうが蹴ろうがOK」と言われても躊躇ってしまうのは理解できます。

でも今回の試合では、柴田選手はエルボーやパンチを顔面に何発ももらっています。さらにバックドロップでも投げられました。

あくまでも私の印象ですが、まだ対戦相手の遠慮はゼロではありません。ヒヤヒヤしなかったわけでもない(アメリカの観客はどうだったのか興味あります)。しかし東京ドームの時より一歩も二歩も踏み込んだプロレスを見せてくれたのも事実。確実に前へ進んでいると感じました。

よくぞここまで。

時をかけて少しずつ努力と忍耐、そして経験を積み重ねることで「なりたい自分」へ近づいていく。まさに「人生の縮図」です。

彼がかつて師事した船木誠勝選手は、以前どこかのインタビューで「プロレスラーは本音をしゃべれよ」と話していました。ならば「人生に本当の意味での『ショートカット』は存在しない」「やりたいことは戦って勝ち取るしかない」という汗まみれの本音を柴田選手の歩む「道」から読み取るのは、決して強引な解釈ではないはず。

来年1月4日の東京ドームでも、ぜひリングに上がってほしい。希望するカードは↓です。

武藤敬司&棚橋弘至 vs 船木誠勝&柴田勝頼

ささやかで激烈な「イズムのぶつかり合い」に期待しています。

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