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[プロレス] 私的プロレススーパースター烈伝#91 船木誠勝

来歴


今回は、新日本プロレスから新生UWFとプロフェッショナルレスリング藤原組を経て、完全実力主義を標榜するプロレス団体であるパンクラスを設立した船木誠勝選手のお話です。

パンクラスでは、自らエースとして第一線で活躍しました。

2000年のヒクソン・グレイシー戦をもって格闘技を引退後、芸能活動などを経て2007年に総合格闘家として復帰し、2009年からはプロレスラーとしても活動しています。

近年はレスラー活動以外にもパーソナルトレーニングジムのトレーナー、2017年からはYouTubeで自身の体験やレスラー時代の思い出を語る動画を定期的に配信しています。

ブルースリーに憧れて


船木選手は子供時代にブルース・リーにあこがれ、やがて初代タイガーマスクの活躍を見てプロレスラーになることを自分で決めています。

地元、青森県弘前市の中学を卒業後、高校入学の前日に一度は不合格だった新日本プロレスに入団しました。

高校進学を勧めるお母さんに「人生が2回あるなら1回は高校に行きます。でも人生は1回しかないんです。プロレスをやらしてください。その代わり、今度お母さんの子供として生まれ変わったら、高校に行きます」と船木選手は説得したそうです。

新日本入門


1985年3月3日、新日本プロレスのヤングライオン杯に出場しデビュー戦を行います。

ザ・グレート・カブキさんの16歳1ヵ月の記録を塗り替える、当時史上最年少の15歳11か月でのデビューでした。

1986年1月、第1次UWF崩壊後、新日本プロレスにUターン参戦してきた藤原喜明組長に師事し、試合前のスパーリングパートナーを務めます。 

前座戦線を沸かせた


ヤングライオン時代は、 伸びのあるドロップキックを武器に前座戦線を沸かせました。

新日本と業務提携にあったUWFの若手、安生洋二選手・中野龍雄選手に、野上彰選手とタッグを組んで臨んだ試合はUWFスタイルと新日本スタイルが融合する好試合となり前座の名物カードとなっていました。

船木選手は自身のyoutubeで、「野上先輩とのタッグが一番充実していました」と語っておられます。

1987年2月、ヤングライオン杯に出場し、快進撃を続けましたがリーグ戦は敗退します。 

UWF移籍からパンクラスへ


1988年4月、ヨーロッパ遠征に出発しますが、海外遠征中に週刊プロレス誌上でUWF移籍を宣言します。

新日本は残留説得を試み、アントニオ猪木さんと前田日明さん、同時期にUWF移籍を表明していた鈴木みのる選手を交えた四者話し合いの末、新日本プロレスの円満退社、UWF移籍が決定したのでした。

ただ猪木さんは個人的には当初から移籍を認めるつもりだったそうです。

1990年12月、第2次UWF解散に伴い、藤原喜明組長、鈴木みのる選手らと共に新UWF藤原組の旗揚げに参加します。

1992年12月、格闘技的な路線を志向し、藤原組を離脱し、1993年9月21日、東京ベイNKホールでパンクラスを旗揚げします。

パンクラスはのちにUFC参戦やグレイシー一族との対戦を見据えた、オープンフィンガーグローブ着用での総合格闘技路線へと移行します。

ヒクソン戦の敗北

船木選手は2000年5月26日、「コロシアム2000」でヒクソン・グレイシー選手と対戦し、チョークスリーパーで失神負けします。

試合後に「格闘技は勝負は1回だけなので、失神したら終わりですから。潔く足を洗う決心をしました」と引退を表明しました。

引退後もパンクラスの運営や方向性の面で寄与した他、俳優業、HERO'S等の格闘技番組のコメンテーター等で活動しました。

現役復帰


2007年12月31日、K-1 PREMIUM 2007 Dynamite!!で現役に復帰し、メインイベントで桜庭和志選手と対戦しましたが、チキンウィングアームロックで一本負けしています。

2009年8月30日、全日本プロレスの両国大会でプロレスにも復帰します。

翌8月31日に全日本プロレスと1年契約を締結し、本格的にプロレス復帰します。

2012年12月16日、RINGSに出場しヴォルク・ハン選手の引退試合の相手を務め、ロストポイント2-2で15分時間切れ引分けとなります。

2013年6月30日、両国国技館大会を最後に全日本プロレスを退団し、2013年7月10日、WRESTLE-1に所属します。  

N-1参戦!


WRESTLE-1を退団後は、様々な団体を経て、主戦場をプロレスリングノアに定めて現在もリングに上がっています。

この記事を書いている2021年8月31日は、ノアのN-1ビクトリー2021の参加選手が発表されたあとであり、船木選手はDブロックで、あの藤田和之選手と一騎打ちが発表されています。

いったいどういう試合になるのか予想もつきませんが、楽しみにしたいと思います。


両親2人の介護を一人でやってます。プロレスブログ「せかぷろ」&YouTube「チャンネルせかぷろ」主宰。現在ステージ2の悪性リンパ腫と格闘中。