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ハードボイルド書店員の「インバウンド」論

外国人観光客、少しずつ戻って来てますね。私の職場でもちらほらとお見かけします。

先日は白人の二人組に"Do you speak English?”とカウンターの横から訊かれ、とっさに”a little bit"と返しました(あ、これ「ハードボイルド書店員日記」のネタにすれば良かった)。スマホで「週刊少年ジャンプ」前号の表紙を見せられたのでコミック誌の棚へ案内し、”We don't have any kind of back numbers"と怪しい英語で切り抜けました。

外国人と外国語で話すと頭の細胞が活性化します。一方で、インバウンド頼みの経済復興策には安倍政権の頃から疑問です。食料や石油・天然ガスなどにも当てはまることですが、国に欠かせぬものをよそに依存し過ぎるのは危険極まりない。コロナ禍とウクライナ情勢が証明しています。

訪日客の落としてくれるお金は、あくまでも「プラスアルファ」として捉えるのが正解でしょう。それなしでもやっていけるビジネスモデルを構築しないと、またすぐ同じ危機に見舞われてしまう。

観光に関しては、もっと国内の需要を喚起すべきと考えます。「年に一度は旅をしよう!」とお手軽なショートトリップを国が後援&推奨し、各企業に従業員の有給休暇取得を徹底させる。それなりのお金とまとまった休日がもらえなければ旅行なんてムリですから。

セレブはもうすでに散々旅行しています。これ以上の伸び代は期待できません。ターゲットはお金と有休に縁のない(私みたいな)庶民です。

旅行業界の話はともかく、観光地に近い書店は外国人向けの選書をぼちぼち考える頃合いでしょう。私のオススメはコミック。特に↓は必須です。

インバウンドに頼るのは反対ですが、観光客は心から歓迎します。ぜひ気軽に旅先の書店へ足を運んでみてください。お待ちしています。

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