見出し画像

プロレスラーに学ぶ「印象に残る文章」の秘訣

かつて予備校で小論文のクラスを取っていました。

制限時間内に与えられたテーマで600~800字ぐらい。翌週の講評でしばしば「叩き台」に使われました。

「発想がユニーク」「続きを読みたくなる」と先生に言われました。オチは「でも点にはならない」。作家志望にとって最高の褒め言葉です。

齋藤選手のコラムを読み、同じことを感じました(もちろん「点にはならない」なんて思いませんが)。

彼は一時期、名古屋でショットバーを経営していました。いつか「プロレス/格闘技DX」でお酒に関して詳しく書かれていたのを読んだ記憶があります。学生時代は水泳でオリンピックの強化選手になり、さらに極真会館で空手にも取り組んでいました。

レスラーとしてはファンの心を熱くさせる真っ向ファイトが身上。一方でコスプレなどを駆使するコミカルな一面も秘めています。W★ING時代は流血戦をしていましたし、ノアでは鈴木みのる選手の入場曲「風になれ」の大合唱をぶち壊す大胆さを見せました。

人としての「経験」の豊かさと職業人としての「引き出し」の多さ。これらが独特の文章の味に繋がっているのは間違いありません。

もうひとつ。学生時代の私には「たくさんの小論文を読まされて気の毒だから、せめて俺はみんなとは違うことを書いて先生を楽しませよう」みたいな意識がありました。ちょっと大げさに述べると、太宰治が芥川賞候補作「逆行」に綴った「芸術の美は、所詮市民への奉仕の美である」に通ずる考え方です。

齋藤選手の一連の文章からも「他のレスラーが書かないことを書いて、noteを見ている人を楽しませよう」というサービス精神を感じました。さらにその徹頭徹尾利他的なスタンスが、結果的に彼自身の魅力を印象付けることにも成功している。なかなかできることではありません。

勉強になりました。ありがとうございます。試合、また観に行きます!! 

この記事が参加している募集

最近の学び

すごい選手がいるんです

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!