見出し画像

「算数&数学嫌い」の真相

こんな本があるんですね。「ただの事実の羅列なので著作権はない」という巻末の説明書きにも惹かれました。どことなくハードボイルドの香りがしませんか?

算数・数学の本といえば、最近動きがいいのは↓です。

「ピタゴラスイッチ」制作メンバーが作った問題集、とのこと。

岩波書店の本は、基本的に返品のできない「買い切り」となっています。ゆえに注文は慎重にならざるを得ないのですが、これはずっと売れています。メインターゲットは学生かもしれませんが、どちらかというと高齢者を含む大人から人気を博している印象です。

私は数学が嫌いでした。よく赤点を取り、追試もしくじり、補習を受けました。でも小学校低学年の頃は算数が面白かった。苦手意識が芽生えたのは受験勉強を始めてからです。

多種多様な公式や解き方を意味のわからないうちに「いいから覚えろ」と短期間で詰め込まれ、できないと怒鳴られる。自分の頭で考え、時間を費やして答えを出すよりも、効率よく正解へ至り続けるために定まったプロセスを機械的にこなすことが求められる。

チャップリン「モダン・タイムズ」の学生版です。もしくはブロイラー飼育の人間バージョン。でも社会に出ると今度は「指示待ち族は要らない」「主体的に動け」と言われる。

「詰め込み学習」の意義を全否定はしません。でもそれだけに終始したらどういう大人が生まれるかは明白です。勉強はできるけど仕事はできない。学歴はいいけど自分の頭で考えられない。そもそも何かを進んで学ぼうとしない。

「勉強嫌い」を後天的に育む教育などナンセンスの極みです。

テストの点数から解放されたいま、改めてこういう本を開くと驚きの連続です。普通に楽しいから。かつて蛇蝎の如く避けていたのは何だったのか。

「算数&数学嫌い」を自覚する私みたいな社会人へオススメの一冊です。本当は好きだと気づけるかもしれません。ぜひ。

この記事が参加している募集

推薦図書

数学がすき

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!