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考察「ウクライナ情勢の原因」

ふたつの出口戦略、大変興味深い内容でした。

一方で「和平派」「正義派」という括りにバイアスを感じたのも事実です。

私自身は「徹底抗戦」へ考えが傾いていました。いまの状況でロシアに対して弱腰になったら、中国の台湾への姿勢にも影響を及ぼしかねない。もちろん早期の停戦が望ましいけど、それは妥協せざるを得ない苦境までロシアを追い込んでからだと。

しかしNATO、特にアメリカがウクライナへ武器を供与し、自分たちに戦火が及ばない前提での戦闘継続を促している点にずっと違和感を覚えています。果たしてこれが「正義」なのか? 

「EUやアメリカが参戦したら第三次世界大戦が始まってしまう」という声があります。私もそう思っていました。ところが「いやすでに始まっている」と主張している人もいるのです。

いまの国際情勢はアメリカの政治姿勢に起因するとの見解には一理あります。

もしプーチンに「我々はアメリカと同じことをしている。イラクで彼らがおこなったように、我々の秩序を乱す輩に対して正義を行使しているのだ」「大量破壊兵器は見つかったか?」「アフガニスタンで民間人を誤爆しなかったのか?」と詰められたらバイデンはどう返すのか。

イラク戦争の頃、日本の世論はほぼ「対米追従」でした。アメリカのやり方を批判していたのは小林よしのりさんなどごく一部。「アングロサクソンについていけば百年安泰」という我々の甘えと欺瞞もまた今日の事態を招いた原因のひとつと考えられます。

トッド氏は「クリミアも含め、今回の戦争で獲得した領土をロシアが支配することを了承し、その代償にウクライナがロシアとは異なる独立した国家であることを認めさせる」ことにわずかな和平の可能性を見出しています。たしかにそれなら中国をけん制できるかもしれない。ただすべてを取り戻したいゼレンスキーからしたら当然受け入れ難いはず。

引き続き考えていきます。

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