見出し画像

「いつか」を信じて「シンプル」に

「いちばん好きな本は?」と訊かれたら皆さんは何と答えますか? 私は↓です。

最近特に思います。子どもや若者向けの青春小説と見られがちですが、今作は「いい歳をした大人」こそ読むべき一冊ではないかと。

たとえばこんなフレーズが出てきます。

「世の中に正直が勝たないで、外に勝つものがあるか考えてみろ」「今夜中に勝てなければ、あした勝つ。あした勝てなければ、あさって勝つ」

素朴な正義感。シンプルな負けじ魂。これを忘れている大人があまりに多い(私自身も含めて)。先日も新日本プロレスの高橋ヒロム選手が「真面目に生きたらバカを見る時代か?」と叫んでいました。たぶんそんな時代です。昔もいまも。だからこそ、そんな風潮に屈してたまるかという生き方をしたくなる。

田中芳樹「銀河英雄伝説」の登場人物・アッテンボローにこんなセリフがあります。「心得ちがいをするなよ。おれたちは伊達や酔狂でこういう革命をやっているんだからな」

時代は変わらない。真面目に生きても報われず、正直者はバカを見る。そんなことはとっくに織り込み済み。いや、むしろ時代が変わらないからこそ逆らう。みんなが仕方ないと諦めているからこそ自分は諦めない。そういう気概を忘れたくない。

大好きなビートルズの楽曲も背中を押してくれます。

「傷ついた翼で空を飛ぼうとする。これまでの人生、きみはただ飛び立つこの瞬間だけを待っていた」

何度も何度も失敗し、心も身体も傷だらけ。でもいつか必ず飛び立つ。静かなメロディーの中でそんな決意が青々と燃えています。

沢木耕太郎「一瞬の夏」の中で、ボクサー・カシアス内藤はつぶやきました。「いつか、いつかと思っていると、きっといつかがやって来る」と。いつか。曖昧で漠然としたフレーズ。でも元々人間が何かの道を切り開く可能性なんてそんなものじゃないでしょうか。

「いつか」を信じてシンプルに生きる。シンプルに積み重ねる。そんな毎日を送っていきます。

この記事が参加している募集

#推薦図書

42,597件

#習慣にしていること

130,856件

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!