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【本とわたし】 “アムリタ”を読み終えて。 人生の美しさと残酷さを見つめる。
雨の週末。こんな日は読書がすすむ。
吉本ばななさんの「アムリタ」は、物語としてもよかったけれど、心に響くことばが多くて付箋がいっぱいになった。今日雨の音を聞きながら、付箋を付けたことばをノートに書き記した。自分が見たもの、感じたことを受け止めてゆく。さらに書くことで、それがほんとうの意味で「深く読む」ことに繋がる。
▼戻れない
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戻れない。そのことに悲しむでも、わくわくするでもなく、ただここでこうして、人生や景色に溶ける。ダンスする。それだけ。当然のように、ただそれだけ。
あの日にはもう戻れない。けれど、あの日を思い出す。それは悲しい記憶。時は止まらない。前に進み続けている。季節が変わっていく。毎日目が覚めて、生活が暮らしが当たり前につづいていく。食べること、眠ること、本を読むこと、お風呂に入ること、そういうごくごく普通の当たり前に、救われているように思う。
▼美しいひと
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その人がその人であることは、壊れていく自由も含めてこんなにも美しい、人に決めてもらえることなんて何一つ本当じゃないんだな、としみじみ光るように生きる彼女を見ていて私は思った。
その人がその人であることは、ほんとうに美しいと私も思う。うっとりする。穏やかになる。それは決して言葉などで語られることなく、自然と放たれているようにみえる。光るように生きている、そんなあなたが好きです。そんなあなたに私もなりたい、と、密かにずっと思っている。
▼光っていればいいの
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あんたは理屈っぽすぎるのよ、考えすぎなの。右往左往して、タイミングのがしてはすり減るだけ。どーん、とそこにいて、美しく圧倒的にぴかーっと光っていればいいの。
考えすぎないで。心配しすぎないで。くよくよしないで。どーんとそこにいればいいのよね。こんな単純なことなのに、なんと難しいことか。考えすぎて、心配して、余計なことを考えている。存在そのものが愛。ぴかーっと光って在ること。うん、そういうことだ。
▼贈りたいことば
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笑顔がきれいです。 希望の匂いがします。
この言葉が好きです。
あのひとに贈りたい。
そして、こういう言葉を
さらりと自然に言えるような人になりたい。
▼泣いている
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人間は、心の中で震える小さな弱い何かをきっと持っていて、たまに泣いたりしてケアしたほうが、きっといいのだろう。
涙を流す意味が、昔と比べて変わった。涙は大事。ちゃんと泣くようにしている。生きること死ぬことの悲しみ。悔しくて涙。他の人の人生に触れて涙。嬉しくて涙。幸せの涙。いろんな涙がある。そのなかに、自分だけの、小さな弱さの悲しみもある。時々顔を出すけど、涙を止めない。泣きたい分だけ泣かせておく。大丈夫、ちゃんと立ち上がれるんだから。泣いているときは、そっと黙ってそばにいて欲しい。
時の流れがもたらす
人生の美しさ、残酷さ。
手放してはまた手の内がいっぱいになる。
何か新しい美しさで。
相手の表情が曇る。怖くて、怯えてる。ほんの小さな顔の動きにも気づいてしまう。相手が返してくる言葉・声の強弱に敏感になる。「私が理解できないからいけないんだ」と自分を責めてしまう。でも、本当のことを言わずにはいられない。言葉にしたい、確かめたい、という気持ちが先立つ。けれど、会話が噛み合わないこと。分かり合えないこと。チクチクしたものがまた胸の底にたまってゆく・・・後になって泣いている。
『分かり合えないことで落ち込むことはないよ。言葉にするのは悪いことじゃないよ。凹んだり落ち込む必要はない。相手の表情がたとえ曇ったとしても、自分を責めなくても大丈夫。分からないことを分からない素直に言える勇気の方がすごいと思う。どうでもいいよと受け流せないんだね。』・・・言葉をもらった。手放してもいいこと。大切にしたいこと。その両方を見つめてる。
相手に合わせた言葉を選べないときもあるけれど、私はこう思っています、私はこう見ています、の言葉を、これからも丁寧に穏やかに言葉にしていきたい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!